こがれんアーカイブ

ウルトラシリーズとアニメが中心の長文感想ブログ。アイカツスターズ!実質全話感想も執筆中!

カテゴリー別記事一覧

〈カテゴリ一覧〉

 

ウルトラシリーズ


ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA


ウルトラマントリガー』第1~2話 感想

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ウルトラマントリガー』第15話 推し語り(Higher Fighter)

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ウルトラマントリガー』 総括

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ウルトラマントリガー エピソードZ』感想 (ネタバレ無し)

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ウルトラマントリガー』全話感想+『エピソードZ』感想

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ウルトラマンデッカー〉


ウルトラマンデッカー』初報感想

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ウルトラマンデッカー』第7~8話 感想

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ウルトラマンデッカー』第21話 感想

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ウルトラマンデッカー』総括

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ウルトラマンデッカー 最終章 旅立ちの彼方へ…』感想

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ウルトラマンブレーザー


ウルトラマンブレーザー』初報感想

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ウルトラマンブレーザー』第1話 感想

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ウルトラマンブレーザー』第15話 感想

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ウルトラマンブレーザー』総括

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ウルトラマンアーク〉

 

ウルトラマンアーク』初報感想

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ウルトラマンアーク』第1話 感想

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〈ウルトラギャラクシーファイト


『運命の衝突』Episode 1 感想

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『運命の衝突』Episode 2~4 感想

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『運命の衝突』 Episode 3 推し語り(Ultra Spiral)

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『運命の衝突』Episode5~6 感想

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『運命の衝突』Episode7~8 感想

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『運命の衝突』Episode 9~10 (終) 感想

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『運命の衝突』全話感想(後半ネタバレなし)

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ウルトラシリーズ (昭和) 〉


”第2話”で振り返る『帰ってきたウルトラマン

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追悼・団時朗

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『ザ☆ウルトラマン』感想+プレゼン

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ウルトラシリーズ (平成) 〉


ウルトラマンコスモス』総括

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ウルトラシリーズ (ニュージェネ / 令和) 〉


ウルトラマンタイガ』総括

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ウルトラマンZ』の “隠れた名台詞” について

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ウルトラマンZ』第19話 感想

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『シン・ウルトラマン』感想

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ウルトラマングロス』感想

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ウルトラマン列伝』~「ウルトラマンクロニクルD」総括

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ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』総括

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ウルトラマンZ』~『レグロス』BGMセレクション

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Ultraman: Rising』+『ULTRAMAN (SEASON 1~FINAL) 』感想

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ウルトラシリーズ (舞台) 〉


『ウルトラ6兄弟 THE LIVE ウルトラセブン編 Vol.1』感想

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ウルトラマン NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 STAGE1』感想

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ウルトラマン NEW GENERATION THE LIVE デッカー編 STAGE5 』感想

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『NEW GENERATION THE LIVE ウルトラマンブレーザー編 ~…未来へ~ 』感想

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ウルトラシリーズ (イベント) 〉


ウルトラマンダイナ スーパーGUTSスペシャルナイト』イベントレポート

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『ツブコン2023』イベントレポート

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ウルトラシリーズ (その他) 〉


スマートフォン向けゲーム『ウルトラ怪獣 バトルブリーダーズ』総括

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ウルトラシリーズ「推し歌」10選

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ウルトラソフビ塗装レポート

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仮面ライダーシリーズ


平成ライダーの“名挿入歌”勝手にベスト10(6位~10位)

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平成ライダーの“名挿入歌”勝手にベスト10(1位~5位)

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PS2専用ゲーム『仮面ライダー 正義の系譜』総括

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『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』感想

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仮面ライダーBLACK SUN』感想

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『シン・仮面ライダー』感想

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ゴジラシリーズ 

 

『 “ゴジラVS” シリーズ』総括

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ゴジラ ミレニアムシリーズ』総括

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ゴジラ×コング 新たなる帝国』感想

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その他 (特撮) 

 

【検証】桃谷ジロウ=アレルヤ・ハプティズム

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五星戦隊ダイレンジャー』第47話 推し語り(素面名乗り)

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〈2024年上半期〉映画感想まとめ

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グリッドマンシリーズ


『劇場総集編 SSSS.DYNAZENON』感想

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小説『SSSS.DYNAZENON CHRONICLE』感想

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グリッドマン ユニバース』 感想

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蒼穹のファフナー


未視聴者向け『蒼穹のファフナー』プレゼン

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蒼穹のファフナー THE BEYOND』第10~12話(終)感想

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蒼穹のファフナー FINAL Fes『angela LIVE -蒼穹作戦-』感想

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蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE』感想(ネタバレなし)

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その他 (ロボットアニメ) 


【検証】桃谷ジロウ=アレルヤ・ハプティズム

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トップをねらえ!』感想

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トップをねらえ2!』感想

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『劇場版 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』感想

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機動新世紀ガンダムX』感想+プレゼン

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ゼーガペインSTA』感想

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戦姫絶唱シンフォギア


未視聴者向け『戦姫絶唱シンフォギア』プレゼン

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戦姫絶唱シンフォギア (第1期) 』総括

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戦姫絶唱シンフォギアG』総括

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戦姫絶唱シンフォギアGX』総括

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戦姫絶唱シンフォギアAXZ』総括

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戦姫絶唱シンフォギアXV』 総括

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アイカツ!シリーズ

アイカツアカデミー!』解説

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アイカツスターズ!


第1~13話 感想

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第14~30話+劇場版 感想

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第31~50話 感想 早乙女あこ編

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第31~50話 感想 香澄真昼編

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第31~50話 感想 桜庭ローラ&白銀リリィ編

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第31~50話 感想 虹野ゆめ編

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第51~63話 感想

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第64~77話 感想

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楽曲+「MUSIC of DREAM!!!」感想

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第78~85話 感想

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第74・84話 感想

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第86話 感想

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第87~89話 感想

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第90~93話 感想

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第91・94話 感想

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第95・96話 感想

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第97話 感想

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第98話 感想

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第99話 感想

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ダンガンロンパ


ダンガンロンパ』感想

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スーパーダンガンロンパ2』感想

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ダンガンロンパ3』感想

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進撃の巨人

 

アニメ『進撃の巨人』Season1~3 感想

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アニメ『進撃の巨人』第67話 感想

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アニメ『進撃の巨人』The Final Season 感想

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その他 (アニメ) 


『アイの歌声を聴かせて』感想

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Free!』シリーズ+『the Final Stroke 後編』総括

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映画『金の国 水の国』感想

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致命的な勘違いをしていた男 VS『THE FIRST SLAM DUNK

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『星合の空』総括

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映画『プリキュアオールスターズF』感想

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映画『BLUE GIANT』感想

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映画『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』感想

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プリティーリズム・レインボーライブ』総括

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〈2024年上半期〉映画感想まとめ

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『数分間のエールを』感想?

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『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』感想

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漫画


読切漫画『友達の話』感想

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漫画『くちべた食堂』プレゼン

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ドラマ・映画(実写)

 

映画『JUNK HEAD』感想

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『鎌倉殿の13人』最終回 感想

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わ~ん!『RRR』の感想が書けないよ~!!

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〈2024年上半期〉映画感想まとめ

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ポニーテール評議会

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ノンフィクション・実録系

 

れんとの転職活動レポート【前編】

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れんとの転職活動レポート【中編】

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れんとの転職活動レポート【後編】

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インタビュー企画『あなたとトクサツ。』参加報告

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高校生の僕と「ガンダムスクール (仮称) 」- 「なりチャ」文化の記憶

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東京ディズニーランド」レポート

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「大洗旅行 / ガルパン聖地巡礼」レポート

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回顧 - 教科書で触れた「純文学」

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クウガ』の聖地 - 喫茶ポレポレ(珈琲ハウス るぽ)レポート

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『数分間のエールを』を受けての回顧録

 

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ウルトラソフビ塗装レポート

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東京ディズニーシー」レポート

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開設〇周年記念記事

 

ブログを続けてみて良かったこと3選(開設1周年)

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“書こうとしたけど書けなかった記事” 3選(開設2周年)

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歴代記事 “文字数” ランキングトップ10(開設3周年+100記事記念)

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歴代 “お蔵入り記事” 全放出スペシャル(開設4周年)

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年末振り返り記事

 

2021年振り返り

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2022年振り返り

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2023年振り返り

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その他


ご挨拶

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500アクセス記念

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第1回 こがれん式ポニーテール評議会 - ミリしらコンテンツ大爆撃編

人と生まれたからには、誰もが心に刻まれる「地上最強の髪型」=ポニーテール

 

ポニーテール評議会とは、歴史的なポニーテールを評定・保存、未来に継承していくことを目指す記録機関 (クソオタク) のことである――――!


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引用:https://x.com/imassc_official/status/1461575968322031623?t=pYqEwXYtqwArHRHT1YOpLg&s=19

 

熱き決闘者たち(Re-arranged)

熱き決闘者たち(Re-arranged)

 

《目次》

 

レギュレーション発表

 

今回から、このポニーテール評議会の議事録はブログという形で公開・保存されることとなった。 

前置きもほどほどにして、まずは本会における「レギュレーション」をおさらいしていこう。


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引用:「謎のヒロインX」セイントグラフ - スマートフォン向けゲームアプリ『Fate/Grand Order』より

 

本会では、このようなつよつよポニーテールについて大きく4つの観点から検証を行い、それぞれを「S~D」の5段階で評価、100点を最大値として最終的な採点を行っていく。 

では早速、スマートフォン向けゲームアプリ『Fate/Grand Order』に登場する (厳密な出典は別作品) こちらの素晴らしい金髪ポニテっ子を参考に、各評価項目の詳細を見てみよう。

 

① 高さ

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ポニーテールと一口に言うと種類が多すぎるため、本会においては、結び目が後頭部の上半分から頭頂部にあるものを「ポニーテール」とし、結び目が低い位置にあるものは「後ろ縛り」と区分している点に注意されたい。 

この「高さ」で高ランクを獲得できるのは、ポニーテールの存在感が確かなもの……具体的には「最高到達点が正面からも見えるぐらいの高さにある」もの。自分から例に挙げておいて恐縮なのだが、この謎のヒロインXは (帽子を取った時のことを加味しても) やや高さ不足と思われる。

 

(高さSSSランクといえば『刀剣乱舞 -花丸- 』版の大和守安定。ポニーテール至上主義者の情緒を木っ端微塵に粉砕するこちらの映像は、まさに永久保存版だ)

 

② 太さ

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次に重要なのが「太さ」。いかに高い位置で結ばれていても、ポニーテールがほっそりとしていたり、バラけすぎたりしている (細い束の集まりになっている) と、結果的に「ポニーテールとしての存在感」も薄まってしまう。程よい束感が「髪の毛の滑らかさを際立たせる」という点に鑑みても、太さ (まとまり具合) は極めて重要なファクターと考えられる。  

しかし、あまりに太かったり大きかったりすると、それはそれでデザインの均衡を崩してしまうおそれもある。太すぎず、細すぎず、強いて言うなら「顔の横幅より僅かに細い」程度の太さが本会の定める理想的なバランスであり、謎のヒロインXのそれはS~Aランクに該当する「限りなく理想値に近い」塩梅と言えるだろう。

 

③ 前後のバランス

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ポニーテールという髪型は、何も「テール部分」だけで構成されるものではない。それ以外の部分も含めた「髪型」こそがポニーテールであり、特に前髪やサイド (前髪のうち、耳の前に垂れ下がっている部分。横髪とも言われるが、本会では「サイド」と呼称) とのバランスによっては、ポニーテールが更に輝くこともあれば、逆に陰ってしまうこともある。黄金比と呼べるものがあるとすれば、それは「前髪+サイド:ポニーテール」=「4:6」前後がその目安であり、謎のヒロインXはこの点において文句無しのSランクだ。

 

④ その他

大きなポイントとして上記の3つを挙げさせてもらったが、ポニーテールの評価点は「長さ」「全身で見たバランス」など他にも数多く存在している。これらは個別具体的な話になるため、4点目として枠を設けさせてもらった。 

……と、以上の4つを評価ポイントとするのが、当会のレギュレーションである。 

それでは早速、今回出会った (フォロワーたちに教えていただいた) ポニーテールたちを見ていこう。

 

紅蓮の弓矢

紅蓮の弓矢

  • Linked Horizon
  • アニメ
  • ¥255

 

藤島 慈 (『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』より)


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引用:https://x.com/hasunosora_SIC/status/1723317149656367457?t=Ih6veja_TVZm14VmSIoQZg&s=19

 

ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』とは、スマートフォン向けゲームアプリやYouTubeをメインに幅広く展開、これまでにないリアルタイム性が大きな反響を呼んでいる『ラブライブ!』シリーズの最新作。 

ラブライブ!といえば、毎作のようにレギュラーとしてポニーテールのキャラクターを輩出しているのは勿論、μ'sの絢瀬絵里、そして虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の宮下愛と、高さ・太さ・前後のバランスと各方面に隙のない特S級ポニーテールを世に送り出してくれている点から、親ポニテコンテンツとして界隈では高い人気を誇っているシリーズだ。 

果たして、この藤島慈氏のポニーテールは歴代のレジェンドたちにどこまで対抗できるのか、早速細かい検証を行っていこう。

 

① 高さ:S  

結び目が高めの位置にあり、更に (髪質のためか) その結び目から更に髪が盛り上がっていることで、最高到達点がかなり高めのポニーテールになっている。 

高いポニーテールは、その高さの代償として首元辺りで途切れてしまう=下の長さを欠いてしまう例も多いが、彼女のポニテはその点も抜かりない。一つ惜しい点があるとすれば、最高到達点の高さゆえにシルエットが後ろに広がっており、前側とのバランス取りが難しくなっている点だろう。


② 太さ:A  

彼女のポニーテールは、一言で表すなら「横広がりの大型タイプ」。このタイプのポニテは「隙間が多くまとまりがない」となりがちなところ、彼女のポニーテールについては「束感が強い」ため、広がりに反してポニーテールらしさを保っているという優れもの。  

また、一つ一つの毛束が非常に艶やかかつ滑らかで「ゴワついている」ような印象を与えないのも大きな評価点。大型ポニーテールの中では革命的とさえ呼べる素晴らしい仕上がりだ。

 

③ 前後のバランス:B  

長く質感のある前髪・サイドは、大抵のポニテとは相性が良さそう……なのだが、前述の通り、彼女のポニーテールは高さ・太さによって「後ろのボリューム」が大きめになってしまっており、前後の比率がややアンバランスになってしまっている。 

しかし、この点に関してはあるイレギュラーな要素が「補正」をかけており……。

 

④ その他:A  

前述の通り、髪型だけ見ると前後のバランスをやや欠いている……ように思える藤島慈氏のポニーテールだが、この点に大きな補正をかける「イレギュラー」が彼女の着ているメイド服だ。


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引用:https://x.com/hasunosora_SIC/status/1723317149656367457?t=Ih6veja_TVZm14VmSIoQZg&s=19

 

このメイド服はふわふわ・ひらひらの装飾が多く、彼女の肩から下=「ポニーテールと対になる位置」に大きなボリュームを持たせている。  

その結果、存在感が出すぎてしまっていた節のある彼女の大型ポニーテールも「全身のデザインを俯瞰して見た」場合はバランスが取れており、見事に違和感がなくなっている。つまり、このイラストは「ボリューミーなポニーテールという諸刃の剣を、全体のシルエットで制御することで存分に輝かせる」という、極めてテクニカルかつ奇跡的なデザインと言えるだろう。 

ちなみに、この藤島慈氏は「自分の可愛さを自覚している」スクールアイドルであるとのこと。ウインク+ベロ出しというあざと可愛い所作 (大変キュートです…………) にもその背景が見て取れるが、そんな彼女がメイドというキュート属性強めな服装にポニーテールを合わせたのは、ポニーテールを「メイド服と相性バッチリのキュートな髪型」と認識している可能性が濃厚で、その点も本会としては非常に嬉しいところだ。

 

⑤ 最終評価:85点  

一目見て評議会のサイレンが鳴り響いた (惚れ込んだ) 事案ポニテだったが、その真の魅力は、一見して伝わる魅力=ポニテの高さや太さ以上に「全体のシルエットでバランスを取り、大きなポニーテールをそつなくイラストとして落とし込む」というデザインの妙であった。デカ・ポニーテール界隈の希望の星として、惜しみない拍手を贈りたくなる傑物だ。 

(ちなみにこの『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』では、「乙宗梢」や「村野さやか」など、数名のキャラクターたちが頻繁にポニーテールを披露してくれているのだという。コンテンツとしても唯一無二かつ上質と専らの噂なので、YouTubeで配信中の『活動記録』だけでも押さえておきたいところ)

 

 

火渡 さや香 (『Death end re;Quest Code Z』より)


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引用:『Death end re;Quest Code Z』公式ホームページ
https://www.compileheart.com/derqz/

 

『Death end re;Quest Code Z』は、2024年9月に発売されたばかりのローグライクRPG。キャラクターの「死」がシステム (スキルツリーなど) に深く関わるという画期的なコンセプトや、「CERO:Z」相当のグロテスク・スプラッター要素 (専門家曰く “足りない” らしい) が特徴の作品で、ショッキングな展開・演出に耐性のない自分にとって、本作の実質的な主人公=火渡さや香は「本来出会えないはずのポニテ」だったと言えるだろう。 

では、そんな彼女と出会わせてくれた友人への感謝を胸に、早速詳細を見ていこう。

 

① 高さ:B  

画像を見る限り、彼女のポニーテールはそこそこ高い位置で結ばれており、その最高到達点は頭頂部よりも上……のように見える。ファーストインプレッションで判断するなら、間違いなくA~Sランク相当のように思えた。 

しかし、彼女について調査を進めた結果、驚くべき真実が明らかになったのである。

 

 

そう、なんとこの髪型、正面から見るとポニーテールの頂点部分がほぼすっぽり隠れてしまうのである。A~S相当という第一印象は「前髪の形や作画・角度の妙」だったのかもしれない。 

ポニテの頂点部分は、全体のシルエットやポニーテールの存在感に関わる重要なファクター。この点は看過できないマイナスポイントだ。

 

② 太さ:S  

ポニーテール全体で見ても、毛束を見ても「広がりすぎず、細すぎず」という極めて理想的なバランス。正面図では大きく靡いているため確実な評価とは言えないかもしれないが、それでもSランク相当の素晴らしい太さ・まとまりを持っているのは間違いない。

 

③ 前後のバランス:S  

前面が「前髪とサイドのどちらかだけが長い」のではなく「両方ともほどよく長い」というディテールになっており、ポニーテールと比較した際のボリュームも極めて理想的。まさしく、前述の黄金比「前4:ポニ6」そのものと言って差し支えないだろう。  


④ その他:S  

高さ以外は限りなく高い点数を叩き出しているこちらのポニーテールだが、彼女のデザインにはもう一つ大きなポイントがある。藤島慈氏同様「全身のデザイン」だ。

 

f:id:kogalent:20241010071449j:image
引用:『Death end re;Quest Code Z』公式ホームページ
https://www.compileheart.com/derqz/

 

見ての通り、彼女のポニーテール (と、それに対応する前髪) はややボリューミーなため、このままでは全体のシルエットが崩れてしまう=首~身体部分がややパワー負けしてしまうおそれもある。 

しかし、その問題への完璧なアンサーとなっているのが「ぶかぶかで横広がりの上着 (ジャージ) そして、胸や太ももに顕著な「肉感のあるデザイン」。これらによって、彼女の首~身体部分には件のポニーテールと釣り合うボリュームがしっかりと付与されており、ただでさえ完成度の高かったポニテが一層輝いているのである。 

また、スポーティーな服装はポニーテールのアクティブな印象と親和性が高く、その少し据わった目付きはポニーテールのキュートさとのギャップでお互いを引き立たせている……と、彼女のデザインは細かい点までポニーテールと好相性。文句無しのSランクと言えるだろう。


⑤ 最終評価:86点  

太さや前後のバランス、全身のデザインなどあらゆる点で最高峰クラスのポテンシャルを持っており、加点ポイントを挙げたらキリがない素晴らしいポニーテール。しかし、やはり「高さ」不足が大きなネックであり、その点さえフォローされていれば、第1回にして90超ポニテの出現も夢ではなかった……と、そう歯噛みしていた私は、同じ『Death end re;Quest Code Z』のキャラクターの中に「彼女」を発見してしまった。


千堂 知里 (『Death end re;Quest Code Z』より)


f:id:kogalent:20241010170544j:image
引用:https://x.com/CompileHeartWeb/status/1826197558416331005?t=uVXyBTJ_BYHagw--Rf-qbg&s=19

 

火渡さや香について調べている最中に見付かってしまった特大事案こと千堂知里氏。出典は同じく『Death end re;Quest Code Z』のため細かい点は割愛、早速彼女のポニーテールを検証していこう。

 

① 高さ:A  

高さそのものは火渡さや香氏と近いが、こちらの場合はポニーテールを隠すものがないためさや香氏よりは軽傷。Sランクには及ばずとも、Aランク相当と言って差し支えない。

 

② 太さ:S  

太さもまとまり具合もいずれも完璧。文句無しのSランクだ。

 

③ 前後のバランス:A 

片耳のサイドがない分ややボリューム不足に思えるが、「高さ」がそこまでではないためそこまで気にならない。「その分ポニーテールが目立っている」という点に鑑みれば、±0どころかむしろ加点ポイントと言えるかもしれない。 

 

④ その他:S  

某キング・オブ・デュエリストを思わせる着こなしが印象的だが、あくまでその衣服は飾り気のないスーツ。顔付きや青ベースのカラーリングなどもあって醸し出される凛とした雰囲気が、キュートで艶やかなポニーテールを大いに引き立てている。 

また、前面の差し色になっている赤ネクタイもポニテと対になることで全体のバランスを引き締めており、総じてポニーテールへの配慮が行き届いた素晴らしいデザインと言えるだろう。

 

⑤ 最終評価:89点 

やや高さが足りない点が響いてこそいるが、それはそれで「前髪と釣り合いが取れて」いるなど、見た目の印象以上に高いレベルでまとまった素晴らしいポニーテール。

「二人称がキミの青髪ツリ目クール系上司」という盛り盛りド癖属性も大変気になるため、是非有識者に彼女の話を伺っていきたいところだ。

 

 


緋田 美琴 (『アイドルマスターシャイニーカラーズ』より)

 

 

アプリゲームを中心に、アニメや漫画など多彩なメディアで展開する大人気コンテンツ『アイドルマスター シャイニーカラーズ』に登場するアイドル。「SHHis」というユニットの一人で、事務所内のアイドルでは最年長かつ「他の事務所から移籍してきた現役アイドル」という異色の経歴の持ち主だ。 

自分は以前『アイドルマスター シャイニーカラーズ』作中における彼女の物語を聞かせてもらったことがあり、その中で知った人柄・ビジュアル・背景から「もしこの作品に触れたら白瀬咲耶(ポニーテールを含めたビジュアルがあまりに強すぎて、シャニマスという作品を知る前から知っていた存在)以上に沼ってしまいかねない」と予感していたのだが、そんな状況で突如フォロワーから投下されたのがこの画像だった。

何スかこれ??????????????

 

神の怒り(Re-arranged:type one)

神の怒り(Re-arranged:type one)

 

① 高さ:S  

若干低いものの、十分に「黄金」を感じる高さ。Aに限りなく近いSランクとする。

 

② 太さ:S  

ポニーテール全体の太さ・まとまりの時点でパーフェクトだが、滑らかかつ質量を感じさせる束感、そして中に入ったメッシュが「ポニーテールの中に立体的な奥行きを生んで」おり、その魅力を大幅にブーストしている。ポニーテールを輝かせるデザインとしてあまりにも秀逸だ。

 

③ 前後のバランス:S  

太さ・高さが揃って上質かつ存在感のあるポニーテールは、裏を返せば「前髪とのバランスが取り辛い」という欠点を抱えてもいる。 

実際に前髪を見てみると、なるほど確かに長さ……特に耳から下はややボリューム不足にも感じる。しかし「その分前後のバランスを欠いているか」というとそうは感じない。その秘訣は「メッシュの束」になっているサイド部分であり、他の部分では「差し色」として機能しているメッシュが、この部分だけは「それ単体での束」になっているため、実際のボリューム以上にビビッドな存在感を発揮しており――結果、この髪型はそのシルエットよりもずっと均整が取れたデザインになっているのである。 

(耳元の髪が長すぎると子どもっぽい印象を与えかねないため、緋田美琴氏のポニーテールとしてはまさに「最適解」と言えるだろう)

 

④ その他:S  

構図の都合上全体の把握は困難だけれど、それでも「ポニーテールに大きな影響を与えている」と断言できるのが、彼女の纏うパンキッシュな衣装。 

元来クール・セクシーな緋田美琴氏のイメージをより引き立たせる……ということは、それだけ「キュートで闊達」なポニーテールとのギャップが引き立つということ、スイカと塩のように、一見遠いイメージにも感じられる両者の相性は抜群なのだ。

更に重要なのが、その衣装の着こなし方。というのも、彼女の衣装は「首周りがはだけているため、ジャケットの黒がポニーテールと被さっていない」そして「首から胸にかけて=ポニーテールと対になる部分に残された黒色が、前後のバランスを補強している」……と、意図してかそうでないのか、ものの見事にポニーテールを強調・映えさせるものになっている。神話か……?

 

⑤ 最終評価:94点  

高さが若干足りない、という僅かな欠点が気にならなくなるほどの高評価ラッシュ、そして「サイドのボリューム不足をカラーリングで補う」という戦術巧者ぶりが功を奏し、見事第1回評議会における「頂点」を勝ち取ることとなった。白瀬咲耶氏を越え得るポニーテールが同じ作品内から出てくるなどとは、よもやよもやである。 

こうなってしまった以上は是非彼女について詳しく知っていきたいところだけれど、原作ゲームを追うほどの余力はさすがに持ち合わせていない。ならばせめて (いつかの参戦に備えて) アニメだけでも履修しておかなければなるまいよ……!

 

 

おわりに

藤島慈(85点)、火渡さや香(86点)、千堂知里(89点)緋田美琴(94点)……。新体制第1回にして、信じられないほどハイレベルなポニーテールが並ぶことになった今回の評議会。 

しかし、本会における大前提は「ポニーテールに貴賤なし」である。確かにこれまでAだのSだのと判定を行ってはきたものの、それらはあくまでこの場における独自の (超個人的な) 価値基準で定められたものでしかなく、どんなポニーテールにも唯一無二の素晴らしさがあるのだ。この点について広く周知していくのも、我々の大切な役割と言えるだろう。 

その活動の一環として、本評議会では新たなポニーテールを常に募集している。「これぞ」というポニテや「この推しポニテを見てくれ」という熱い思いをお持ちの同志は、是非私のX (旧:Twitter) アカウント (https://x.com/Le_Soya?t=W-KlYFuumcCzx-NKHXpNXw&s=09) などへご一報を。頂いたポニーテールに対しては、もれなく誠意ある審議 -たたかい- をお約束しよう。 

それでは皆様、新たなポニーテールが確認されたその日にまた会いましょう。おつポニ~~~~~!!!!!(気さくな挨拶)

平成・ニュージェネの原点! “アニメならでは” 満載の傑作『ザ☆ウルトラマン』のすすめ

令和という元号が馴染んで久しい2024年、夏。一時はシリーズ終了まで噂されていたことが嘘のように、ウルトラマンたちは世界中でパワフルな活躍を見せてくれている。 

テレビでは最新作『ウルトラマンアーク』が放送中で、Netflixでは独占配信の映画作品『Ultraman: Rising』が好評を博し、予約開始時に品切れが続出した『ウルトラマンカードゲーム』の発売も間近に迫ってきている……と、これらの活発さを受けてか、界隈では「もう一度4クールのテレビシリーズを」という声も度々見受けられるようになってきた。 

分かる、その気持ちは大いに分かる。けれど、現在は経済的な事情やYouTube・サブスク時代の影響など、様々な要因から「4クールものの作品製作」自体が逆風に曝されている状況。金銭・経営的に安定しているとは言い難い円谷プロダクションには、無理に4クール作品の製作を行うよりも、現状の2クール×2クールの無難な放送体制を守りながら、たくさんの新たなチャレンジを行ってほしい……というのが個人的な希望。 

それに、そのような「4クールのウルトラマンが見たい」という気持ちに対しては、現在サブスクで配信中の過去作品が少なからず応えてくれるはず。中でも、自分は昭和ウルトラシリーズからとある一作をオススメしたい。 

『デッカー』や『ブレーザー』のようにオムニバスエピソードと縦軸の両立を成し遂げ、イベント性に富み、一目で「唯一無二の個性」が伝わってくる、他作品では見られないような怪獣・ストーリーが目白押しの傑作。その名は『ザ☆ウルトラマン

 

 

2024年8月、大手映像サブスクサービス「U-NEXT」での期間限定配信をきっかけに、自分は幼少期以来久々に本作を視聴。その唯一無二の面白さにいたく感銘を受けてしまったのだけれど、実に45年前のアニメーション作品ということもあって、視聴に高いハードルを感じている方もちらほらと見受けられるところ。 

そこで今回は(主に)そんな『ザ☆ウルトラマン』未視聴者に向けたプレゼンとして、本作の魅力や名エピソードを紹介。本作に興味を持っている方もそうでない方も、未見の方も履修済みの方も、これを『ザ☆ウルトラマン』に触れる / 触れ直すきっかけにしてもらえれば幸いです……!


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引用:https://x.com/tsuburayaprod/status/1187171919063203840?t=m6RtAK6Ukt0P-eZTLPystg&s=19

 

《目次》

 

『ザ☆ウルトラマン』とは

 

『ザ☆ウルトラマン』とは、『ウルトラマンレオ』以来五年ぶりに復活したウルトラシリーズのテレビ作品であり、「昭和第三期ウルトラシリーズ」の一作目。当時大ヒットしていたアニメ作品、とりわけ『宇宙戦艦ヤマト』の影響が色濃いようで、世界観やキャラクターデザインに多くの共通点が見られるだけでなく、キャスティングに至っては「ヤマトの主人公・古代進を演じた富山敬氏と、その永遠のライバル・デスラー総統を演じた伊武雅刀氏がそれぞれ主人公とウルトラマンを演じる」という、ヤマトのオタクが製作に関わっているとしか思えない代物だったりする。 

更に、製作はかの日本サンライズ、メインライターは『ルパン三世 ルパンVS複製人間 (監督も兼任)』や『装甲騎兵ボトムズ』で知られる吉川惣司氏、音楽はなんと宮内國郎氏と冬木透氏という昭和ウルトラシリーズのツートップが二人で手掛ける……と、その製作陣も豪華そのもの。「ウルトラマンをアニメで蘇らせる」という挑戦的な企画に懸ける熱量が窺えるところだ。 

では、かくして生み出された『ザ☆ウルトラマン』がどのような魅力を持つ作品なのか、大きく三つのトピックに分けて振り返ってみたい。

 

 

① 奇想天外・アニメならではの怪獣たち

 

『ザ☆ウルトラマン』の特徴といえば、真っ先に挙げられるのは「アニメならではの、奇想天外な怪獣たち」だろう。何がどう奇想天外なのか……というと、論より証拠。ザ☆ウルトラマンのやべーヤツらを連れてきたよ!! 

・「全長480mの巨大竜巻」としか言いようのない姿をした、竜巻怪獣スパイラル (第2話) 

・ブルドーザー型の対怪獣兵器が液体怪獣に乗っ取られた、機械怪獣ヘクトール (第11話) 

・地球怪獣を凶暴化させる謎の惑星を守る宇宙怪獣ザイクロン。尚、問題はザイクロンではなく「この惑星そのもの」が一体の怪獣であること (第14話)   

・身長1000mの超巨大怪獣、暗黒怪獣バゴン (第21話) 

・地球と同化し、その自然現象をコントロールできるようになった結果、自分を地球そのものだと思い込むようになった異常一般怪獣、凶悪怪獣ギバルーガ (第26話) 

このように、ザ☆ウルトラマンの怪獣たちは多かれ少なかれ「アニメならでは」な要素を持っており、シーグラ (第1話) のように見た目こそ普通の怪獣でも、アニメであることを武器に「四体が同時に出現」するなど、大半の怪獣が何かしら凝った見せ方をされている。これら怪獣たちの奇想天外さと、それに立ち向かうジョーニアスの奮闘が本作の大きな見所の一つと言えるだろう。中でも個人的なお気に入りなのが、こちらの「ザローム「スケルドン」だ。

 

テレポート怪獣 ザローム

 

第10話「見えたぞ! まぼろしの怪獣が…」に登場する怪獣。ザローム自体は過去にも出現例がある凡庸な怪獣なのだけれど、問題は、このザローム「催眠術を応用して行う、本物のテレポート (?) 」を得意とするマジシャン、ジョージ佐竹を食べてしまい、そのテレポート能力を奪ってしまったこと。何て??? 

この時点で既に様子がおかしいのだけれど、ザロームはこのテレポート能力で遥か遠方の日本まで現れたばかりか「自らに催眠術をかけることで、自身の幻を遠方に発生させる」という意味不明な技まで習得し、科学警備隊は大混乱。こっちも大混乱だよ!!!! 

しかし、この回最大の見せ場はその後。ザロームに食べられてしまったマジシャン・ジョージ佐竹の家族の為に、ジョーニアスはある秘策を実行するのだが……。ここは見てのお楽しみ。

 

 

骨怪獣 スケルドン

 

第30話『動きだした巨大化石』に登場する怪獣。見た目こそ恐竜の骨のようで、自分は当初『帰ってきたウルトラマン』のステゴンのような怪獣かと思っていたのだけれど、その実態はなんと「蘇生と死亡を繰り返す、骨型の生命体」という極めて異質なもの。突如バラバラの骨に分離、「分離している間は死体に戻るので、生体反応が消失する」という異常な生態で科学警備隊を翻弄したり、分離合体を瞬時に行える点を活かし、さながら平成のキングジョーのように分離合体でジョーニアスの攻撃を躱したり……と、不気味さと強敵感を兼ね備えた恐ろしい怪獣だ。 

しかし、このスケルドンの真の恐ろしさは「最後までその正体が謎である」こと。観ている最中は「恐竜の骨が霊的な何かで動いたものか」などと思っていたのだけれど、このスケルドンが発掘された地層は恐竜が生きていた時代よりも更に古いものであり、その上、スケルドンの中枢部は「首の骨の内部」にあった。つまり、スケルドンは一見恐竜の骨のようでありながら、恐竜とは根本から異なる「骨に似た姿の生命体」だったのである。 

シリーズお馴染みの「骨型怪獣」を思わせるがその実根本から異なる生命体であり、ジョーニアスや科学警備隊、視聴者をも翻弄し、謎を残して消えていく……。アニメというメディアの強みをホラーチックに出力した、『ザ☆ウルトラマン』の隠れた名怪獣と言えるだろう。

 

 

② 秀逸な脚本 / ストーリー

 

『ザ☆ウルトラマン』のストーリーは、主に「怪獣によって引き起こされる怪事件と科学警備隊の攻防」が中心になっており、歴代シリーズで言うと『ウルトラマン 空想特撮シリーズ (初代ウルトラマン) 』などに近いもの。 

そして、その物語の中心となる怪獣たちは前述の通り「アニメならでは」のイロモノ揃い。その結果、本作はウルトラシリーズお馴染みの話運びを、全く未知の体感で楽しめる」という、初見にもシリーズファンにも美味しい作品になっている。こ、こういうウルトラマンが観たかった……!! 

しかし、ザ☆ウルトラマンが実写シリーズから受け継いだのは、そんな「怪獣特撮エンタメ」としての側面だけではない。ストーリーの裏に秘められた、切実な「子どもたちへのメッセージ」もまた、ザ☆ウルトラマンにおいて欠かせないポイントだ。中でも自分が胸を打たれた二つのエピソードを紹介したい。

 

 

第3話『草笛が夕日に流れる時…』

 

ワニのような小動物に「ペロ」と名付け、ペットとして飼うことにした少年・タカシ。しかし、ペロは分裂怪獣ワニゴドンの幼体であり、科学警備隊のマルメ隊員は、ペロを引き渡すようにタカシを説得する。

 

「今はワニの子どものように見えるけど、もし怪獣の子どもだったら、大変なことになるんだぞ?」
「ペロは絶対、怪獣の子なんかじゃないよ!」
「お兄ちゃんの友達も……昔、熊の子どもを拾ってペットにしていたんだ。でも大きくなった時、その熊は逃げ出して、近所の人に大怪我をさせてしまったんだ!」
「ペロは、人にケガなんかさせないよ!」
「黙って聞くんだ!」
「!」
「いいかいタカシくん。動物が小さい時は、誰でもペットにしたがる。でもね、最後まで責任を持てない限り、そう簡単にペットにしちゃいけないんだよ!」

-「ザ☆ウルトラマン」 第3話『草笛が夕日に流れる時…』より

 

マルメの言葉に半信半疑のタカシだったが、それから一日と経たずにペロは巨大化、成体のワニゴドンとして暴れ出してしまう。 

その様を目の当たりにして「あれはペロじゃない」と逃げ出すタカシ。そんなタカシにマルメは叫ぶ。

 

「よく見るんだ! あれは、君のペットのペロだ!!」
「違うよっ……ペロは、怪獣なんかじゃないよっ!」
「自分の都合の良い時だけ可愛がり、後は知らないっていうんじゃ、君にペットを飼う資格なんかないぞ!!」

-「ザ☆ウルトラマン」 第3話『草笛が夕日に流れる時…』より

 

「少年が怪獣の子どもを拾ってしまう」というのは、ウルトラシリーズでは決して珍しくないエピソード。しかし、本話が特徴的であるのは「少年と怪獣の絆」ではなく、少年の「責任」にスポットを当てている点。 

現代においても、人は「可愛いから」とペットを飼いたがる。しかし、ペットにしても人間の子どもにしても、一つの命を育てることは (それが世の中にありふれていることが不思議なくらい) 大きな困難を伴うもので、その命に責任を持つのは決して簡単なことではない。それを考えず軽率に命を背負い、世話の労力と責任の重さが「可愛い」という器から溢れ出した結果、人は時にいとも容易くその命を投げ出してしまう。 

命を預かる上で大切なのは、可愛がることよりも「その命に最後まで責任を持つ」こと。マルメの言葉は、ペット市場が急激に拡大していた1979当時にも、人々から「命を育てる」余力が失われつつある現代にも、どのどちらにも痛烈に刺さるメッセージと言えるだろう。 

しかし、本話の白眉はむしろここから。タカシはマルメの正論で改心する――のではなく、そこからも背を向けて「あのワニゴドンはペロじゃない」根拠を探そうとし始める。 

そう、子どもとはまだまだ不完全な生き物であり、正論を言われたからと言って「はい、わかりました」と即座に納得・改心できる訳ではない。だからこそ、子どもは失敗をして、痛みを味わって初めて「過ち」を学ぶのだ。それは、このエピソードにおいても決して例外ではない。

 

「ペロじゃない……。ペロは、僕の草笛を気持ち良さそうに聴いてくれた可愛いやつだ! ……そうだ!」

-「ザ☆ウルトラマン」 第3話『草笛が夕日に流れる時…』より

 

ジョーニアスを攻め立てるワニゴドンに対し、「この草笛に反応しなければ、ワニゴドンがペロでないと証明できる」と草笛を吹き始めるタカシ。しかし「ペロの部分」が残っていたワニゴドンはその草笛に反応してしまったばかりか、その隙を突かれたことでジョーニアスに倒されてしまう。皮肉にも、タカシは自分自身の手でペロを葬ることになってしまったのだ。 

ラストシーン、涙ながらに「あれはペロだった」と繰り返すタカシを「君は責任を取ったんだ」と励ますマルメだが、彼の頬にも涙が伝っていた。確かに、子どもは失敗から「責任」を学んで大人になるものだけれど、子どもを悲しみから守るのは大人の役割、大人の「責任」なのだ。   

ペットという存在を通して、子どもと大人の双方に「人としての責任」を問いかけるこのエピソードは、人々が金銭的な余裕と共に「心の豊かさ」を失いつつある今だからこそ見直されるべき傑作なのではないだろうか。

 

「タカシくん……」
「お兄ちゃん!やっぱり、ペロだったんだぁ……! うあぁっ……」
「責任を取ったんだ、君は。責任を」
「ペロだったんだよぉ……!」
「これで良かったんだ、これで……」

-「ザ☆ウルトラマン」 第3話『草笛が夕日に流れる時…』より

 

 

第15話『君がウルトラマンだ』

 

ウルトラマンとしての自覚が芽生え、誰に言われるでもなくトレーニングに励むようになったヒカリ。しかし、どれだけ身体を鍛え、ウルトラマンとして懸命に戦っても、自らの正体を隠している限り、その努力は誰にも認めて貰えない。平凡な若者であるヒカリにとって、それは大きな苦痛だった。 

そんなある日、芋虫型の宇宙怪獣・隕石獣ゴグランが出現。「周囲に認められたい」という欲に囚われたヒカリは、かつて宇宙ステーションEGG3でゴグラン (別個体) を撃退した際の武勇伝を語ろうとしてひんしゅくを買ってしまっただけでなく、ゴグランとの交戦中にウルトラマンへの変身を拒んでしまう。そんなヒカリに対し、脳内で語りかけてくる声があった。

 

『ヒカリ』
「その声は!?」
『私だ。君の身体の中に在って、君と常に行動を共にしている、私だ』
ウルトラマン……!?」
『なぜやめた。なぜウルトラマンとなって戦わない?』
「僕は確かに、貴方の力で戦うことができる。しかし……」
『しかし?』
「僕は人間として戦ってみたいんだ。ヒカリ超一郎として」

-「ザ☆ウルトラマン」 第15話『君がウルトラマンだ』より

 

地球は人類自らの力で守り抜かなければならない。それはウルトラシリーズに通底した思いであり、これまでも幾度となく人間の自立が描かれてきた。しかし、この台詞がそれらと異なっているのは、根底にあるのが「周囲に認められたい」という欲求であること。 

その境遇を思えばヒカリの思いは察するに余りあるけれど、彼がそうして対ゴグラン戦から離脱していた結果、一人で戦っていたマルメはゴグランに撃墜され、負傷してしまう。「人々を守る」という科学警備隊員の使命よりも己のエゴを優先させた結果が、最悪の形で表れてしまったのだ。 

そのことを深く悔いたヒカリは、再度出現したゴグランに単身挑むも敢えなく負傷、ビームフラッシャーを落とし変身できなくなるという窮地に追い込まれてしまう。 

誰にも自分のことを理解して貰えない孤独。マルメを負傷させたばかりか、彼の分まで戦うことさえろくにできない自分への憤り。そして、それらに振り回されてしまう心の弱さ……。ヒカリが凡庸で無力な自分自身に絶望した時、脳裏に再びウルトラマンの声が響く。

 

『ヒカリ、気を確かに持て』
「……! ウルトラマン
『頑張れ。君自身が駄目になったら、私とて力を発揮できない』
「でも、駄目なんです。僕はやっぱり、ただの人間だ……!」
『ヒカリ、君はなぜ私に選ばれたと思う? 君のような若者は数多くいる。その中でも、私が特別に君を選んだ理由を、考えたことがあるか』

-「ザ☆ウルトラマン」 第15話『君がウルトラマンだ』より

 

 

ジョーニアスがヒカリをパートナーに選んだきっかけとは、彼が宇宙ステーションEGG3に務めていた時のとある出来事。ステーションの壁を食い破って侵入しようとする怪獣を、ヒカリが己の命をなげうって撃退したことだった。 

そして、それはまさにヒカリが皆に話そうとしていた武勇伝そのもの。自分の戦いを誰も知らないものと思っていたヒカリだったが、ただ一人、ジョーニアスだけは彼の勇気ある行動をしかと見届けていたのだ。

 

「ねぇ、あの話の続きを聞かせてちょうだい。EGG3での出来事を」
「……また、今度ね」

-「ザ☆ウルトラマン」 第15話『君がウルトラマンだ』より

 

ゴグランの撃破後、ヒカリは日々のトレーニングの甲斐あってか驚異的な回復を見せ、ムツミは彼に武勇伝の続きを聞きたがる。しかし、ヒカリは遂にその武勇伝を口外することはなかった。 

再び孤独なトレーニングに戻っていったヒカリに対し、ジョーニアスは優しく――それまで見せなかった「感情」を滲ませた声で、ヒカリに語りかける。

 

『自分の手柄を誇りたいのは、誰しも無理のないことだ。だが、ウルトラマンになる人間はそうであってはならない。――ヒカリ。私は、君を選んだことを誇りに思う。心から』

-「ザ☆ウルトラマン」 第15話『君がウルトラマンだ』より

 

 

ヒカリのウルトラマンとしての戦いがそうであるように、善行や努力とは得てして人の目に触れ辛く、一見すると報われないことのように思えるかもしれない。しかし、だからこそ「それでも善の為に身を捧げ、誰かの為に努力できる心」は、それだけで清く眩く輝いているもの。強靭な身体でもなく、高等な知性でもなく、その輝きこそがジョーニアスの認めたもの=ウルトラマンの資質であり、他ならぬその人自身を救ってくれるものなのだ。ヒカリが、鍛えられた身体のおかげですぐに回復できたように。ジョーニアスという「もう一人の自分」がヒカリの献身を見守ってくれていたように。 

このことは、ジョーニアスからヒカリへのメッセージであるだけでなく、製作陣から視聴者へ向けられたエールでもある。認められたい。褒められたいという気持ちと戦い、それでも誰かの為に頑張れるのなら、それだけで「君がウルトラマンだ」と言えるのだと。そして、その頑張りはいつか必ず報われるのだと。そんな切実な想いが込められているからこそ、自分はジョーニアスの最後の台詞にどうしようもなく涙してしまうのかもしれない。

 

 

③ 平成・令和シリーズの先駆け - U40とヘラー軍団

 

『これがウルトラの星だ!!』- ウルトラの星・U40の魅力

 

アニメならではの怪獣たちと、脚本・ストーリーの秀逸さで序盤から盛大に魅せてくれた(特に自分は上記の二編ですっかり惚れ込んでしまった)『ザ☆ウルトラマン』。しかし恐ろしいことに、この作品は未だにその「真価」を隠し持っていた。 

「アニメならでは」の要素を「秀逸な脚本」で描き出すザ☆ウルトラマンの真価。それこそが「ウルトラの星・U40」の存在であり、その存在が初めて語られるのが、第19話『これがウルトラの星だ!! 第1部』。

 

 

アフリカ大陸に出現し、3つの都市を壊滅に追いやった爬虫怪獣ゲラド。科学警備隊の攻撃を寄せ付けず、ジョーニアスをして「我々はこの怪獣に勝てない」と言わしめる強敵・ゲラドに対し、ヒカリは彼の制止を振り切って戦いを挑む。 

激戦の結果、辛くも勝利を手にするジョーニアスだったが、ゲラドの残骸から謎の光球が出現、それは地球の爬虫類に憑依することで強力な怪獣へと「変身」させるという、ウルトラマンを思わせる生態の精神寄生体であった。ジャニュール、次いでベドランへと姿を変える精神寄生体によって連戦を強いられた結果、なんとジョーニアス=ヒカリはその命を落としてしまう。しかし、そこに突如巨大な円盤が降下。中から現れたのは、ウルトラマンそっくりな謎の巨人で――。 

さながら平成ウルトラシリーズの最終三部作のような盛り上がりに、「2クール目にして、U40の使者が地球に現れる」という衝撃の展開……。この時点で自分はワクワクが止まらず椅子から転げ落ちそうになってしまったのだけれど、ここから『これがウルトラの星だ!!』は更なる盛り上がりを見せていく。

 

 

円盤が向かった先にあったのは、なんとウルトラの星・U40。そこで蘇生されたヒカリは、U40の戦士・エレクとロト、そしてジョーニアスの妹・アミアと行動を共にする中で、惑星U40やその敵対者・バデル族のことを知り、戦火の中へと果敢に飛び込んでいく――。 

このようなあらすじで始まる『これがウルトラの星だ!!』第2・3部は、なんと「ほぼ全編がU40と宇宙空間で繰り広げられる」という、後の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』の先駆けとも呼べる一大巨編。 

そのスケール感は勿論、メカニックデザインマクロスシリーズでお馴染みの河森正治氏が担当していたり(U40編の担当。科学警備隊のメカニックはあの大河原邦男氏が担当されており、それぞれに違った魅力がある……!)、エレク、ロトら多数のウルトラ戦士が登場し「戦闘機・戦艦に混じって艦隊戦を行う」という非常に新鮮な画が見れたり、『ヤマト』や『スター・ウォーズ』の影響が節々に色濃く表れていたり (バデル族の宇宙要塞が「バデルスター」なのは流石にギリギリすぎる) 、全長1000mの規格外怪獣・バゴンが現れたり……など、本作の「アニメならでは」という強みがふんだんに詰め込まれた第2・3部だけれど、中でも自分が感心してしまったのは、ウルトラの星・U40の驚くほど作り込まれた世界観だ。


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引用:8月15日 ザ☆ウルトラマン U40で蘇生したヒカリがウルトラ人と出会う! - 講談社コクリコ

 

1979年といえば、『ウルトラマンタロウ』『ザ・ウルトラマン (漫画) 』などを経て、徐々にM78星雲・光の国のディテールが仕上がっていった時代。U40の世界観は、そんな光の国を意識しつつ、全く別のものになるよう細かく作り込まれている。 

その最たる例と言えるのが、古代ギリシャ風の衣装に身を包んだ三人のウルトラ人(上記画像の左から、ロト、エレク、アミア)とヒカリが、自然豊かなU40を船で散策している際の下記のやり取りだ。

 

「ヒカリ、変な顔してどうしたの?」
「いや、この星があまりにも地球とそっくりなんで……」
「ガッカリした?」
「ううん、ただ、もっと科学が発達していると思って……」
「ハハハ、超高層ビルやベルトウェイ、無重力バスなんかが一杯詰まったドーム都市。君はそんな未来世界を想像していたらしいね」
「そりゃあ、わざわざ自分の足で歩いたり、船に乗ったりするなんて……」
「歩くのも船に乗るのも、それが一番の贅沢だからさ」
「贅沢?」
「そう、一番人間らしいことだ。人間は生き物なんだからね、雨に打たれたり、暑さ寒さを感じて生きるのが “自然” なんだ」

-「ザ☆ウルトラマン」 第20話『これがウルトラの星だ!!第2部』より

 

数十年前の創作における「未来都市」を見ると、少なからず「いかにもだな」と感じてしまうのは仕方のないこと。しかし「科学が限界まで発展したからこそ、自然こそが一番の贅沢と感じるようになった」というU40の文化設定はその「いかにも感」を限りなく抑えており、その超然とした雰囲気にはウルトラマンとしての説得力が満ち溢れている。その上で「じゃあヒカリを迎えに来た円盤はどこから来たのか」という疑問に「文明都市は地下に広がっている」というアンサーを返すのが、ザ☆ウルトラマンという作品の周到さなのだ。 

他にも「ウルトラヒューマノイドとしての姿も、人間としての姿も、どちらも自身の姿と認識している」「地球人と似ているのは、地球人の出自にU40が関わっているから」「巨大化できるのはジョーニアスを含めて (本作の時点では) 8人」など、光の国との差異や地球人との類似性を踏まえて作り込まれたウルトラの星・U40の文化・設定は、それ自体が本作の大きな見所とさえ言えるし、これらがザ☆ウルトラマンという作品の世界観に大きなスケール感と深みを与えていることは言うまでもないだろう。

 

勝利の闘い (TV用 M-17・18) [『ザ☆ウルトラマン』より]

勝利の闘い (TV用 M-17・18) [『ザ☆ウルトラマン』より]

  • スタジオ・オーケストラ
  • サウンドトラック
  • ¥255

(前述の通り、本作の音楽は宮内國郎氏と冬木透氏の両名体制になっているが、冬木氏は主にU40編の関連楽曲担当として参加されている。U40編の神秘的かつ壮大な雰囲気は『M-17・18 勝利の戦い』をはじめとした数々の名曲があればこそ……!)

 

平成・ニュージェネに連なる原点 - U40組という「サブトラマン」とヘラー軍団

 

『これがウルトラの星だ!!』三部作以降、つまり『ザ☆ウルトラマン』後半は、従来のオムニバス回を基本に、折に触れて「U40絡みのエピソードが描かれる」というハイブリッド方式になっていく。中でも盛り上がるのは、やはりアミアたちU40の戦士たちが地球に降り立つエピソードだろう。


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引用:10月31日 ザ☆ウルトラマン U40から女戦士アミアがやってくる! - 講談社コクリコ

 

アミアが地球に来訪し、地球人の少女と一体化する第31話『ウルトラの女戦士』、そして、地球が怪獣の大群に襲われるという未曽有の危機にエレク・ロトが揃って駆け付ける第35・36話『盗まれた怪獣収容星(前後編)』。 

時期を鑑みれば、これらのエピソードは「ウルトラ兄弟客演回」要素を継承したもののように思えるけれど、重要なのはアミア・エレク・ロトがあくまで『ザ☆ウルトラマン』のキャラクターであること。つまり、彼らは客演ヒーローではなく「サブヒーロー(所謂 “サブトラマン” )」であり、このU40組の扱い・立ち回りは(彼らとのエピソードが最終章に帰結する点も含め)ウルトラマンアグルやヒカリといった後のサブヒーローたちに繋がる「原点」と言えるのではないだろうか。

 

(厳密には、ウルトラ兄弟からのウルトラファミリー、『レオ』におけるセブン、そこからのU40組……という一連の流れを含めて「原点」と言うべきなのだろうけれど、細かい点を詰め始めたらキリがないので、その辺りは割愛)

 

また、本作における「平成・ニュージェネレーションに繋がる原点」と言えば、本作最終クールに登場する敵=ヘラー軍団も欠かせないトピック。


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引用:3月19日 ザ☆ウルトラマン ヘラー軍団が占拠したU40に科学警備隊が突入!- 講談社コクリコ

ヘラー軍団とは、ウルトラマインドを利用して「不死の身体」という禁忌を手にし、全宇宙を支配するという野望の為にU40と袂を分かったウルトラ人・ヘラーとその下に集った者たちが結成した国家。 

ウルトラ人でありながらその手を闇に染めた彼らは、前述の第15話でも触れられた「ウルトラマンとは何か」というテーマにおけるアンチテーゼと言える存在であり、本作の最終クールは、このヘラー軍団や彼らの送り込む怪獣・宇宙人との戦いがメインになっていく。……と、その立ち回りは後のシリーズ、特にニュージェネレーションシリーズのヴィランとそっくり。『ザ☆ウルトラマン』は、味方(サブヒーロー)と敵ヴィランの双方において、後のシリーズの原点と言える作品になっているのだ。 

そして、彼らヘラー軍団の登場によって特に際立っているのが『ザ☆ウルトラマン』の巧みなシリーズ構成。というのも、本作は 

・従来のシリーズを踏襲した作風の序盤(~第18話) 

・U40の登場で世界観が広がる中盤(~第36話) 

・U40の戦士たちと共にヘラー軍団に挑む終盤(~最終回) 

という三つの部に分けることができ、これによって「従来のファンへの目配せ」「視聴者を飽きさせない構成」「画期的な要素」「シリーズを通しての盛り上がり」といった長編作品の勘所を的確に押さえることに成功している。思えば、このシリーズ構成は、ニュージェネレーションシリーズが10年もの積み重ねを経てようやく辿り着いた『デッカー』『ブレーザー』のそれに非常に近いものではないだろうか。 

サブヒーロー、ヴィラン、そしてシリーズ構成。45年も前から、様々な面で現代に繋がるルーツを築き上げていた『ザ☆ウルトラマン』は、ウルトラシリーズ史において自分が思っていた以上に重要な存在であり、大きなターニングポイント、あるいは「特異点」と呼べる存在なのかもしれない。

 

(本作が後のシリーズに残した影響は他にも数知れないが、中でも大きなものとして挙げられるのが「ウルトラマンと変身者の関係性」を描くドラマだろう。ヒカリとジョーニアスが互いに影響を与え合い、やがてその行く末が物語の焦点になる……という作劇は『コスモス』『X』など多くの作品に受け継がれていくことになる)

 

その後のU40と『ウルトラマンタイタス』というボーナスステージ

 

ここまでで既に10000字オーバー、それでも書ききれないくらい『ザ☆ウルトラマン』は魅力が一杯の作品で、自分は全50話を心行くまで満喫することができた。この令和の時代に、こんなにも面白いウルトラマンを丸々50話、現行作品である『アーク』にプラスして摂取できたというのは本当に幸せなことだったし、最終回の美しいラストシーンに涙しながら、自分はしみじみとその余韻に浸り続けていた。 

しかし、『ザ☆ウルトラマン』はまだまだ終わっていなかった。2024年の今、ありがたいことにU40の新規供給はそこかしこに溢れているのだ。その筆頭と言えるのが、U40出身のニュージェネレーションヒーロー・ウルトラマンタイタスの存在だろう。

 

 

ザ☆ウルトラマンミッシングリンクにもなっているボイスドラマ『ザ☆ウルトラマンタイタス』は勿論、タイタスが「力の賢者」の称号を与えられた出来事であるボイスドラマ『黄金惑星の激闘』、そして、タイガがU40でタイタスと出会い、仲間になるまでの一連が描かれる『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンタイガ』……等々、タイタス周りの作品群は『ザ☆ウルトラマン』をしっかり楽しんだ上で見るとまさに別格の面白さだった。あのシーンにも、あのシーンにもタイタスが「居た」んだな……!!

 

 

そして、『ウルトラマン列伝』『ウルトラマンフェスティバル2014』『ウルトラマンフェスティバル2019』など様々な作品を経て、2021年の『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』では、ウルトラマンジョーニアスが満を持してウルトラシリーズのメインストリームへと帰還! 

アニメのスタイルを意識した新スーツや、伊武雅刀氏へのリスペクトが込められた金光宣明氏の演技を引っ提げ、アブソリュートタルタロスと一進一退の攻防を繰り広げるジョーニアス。それはアニメで描かれた「U40最強の戦士」の姿そのもので、彼にこんな大見せ場を与えてくれた坂本監督と足木淳一郎氏には感謝してもしきれない。本当に……本当にありがとうございましたッ……!! 

(『ウルトラマンフェスティバル2019 第1部』では最終回を踏まえた熱い台詞が聴けたり、『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンタイガ』ではウルトラ人風の衣装が見れたり、『大いなる陰謀』DC版ではサブタイトルのBGMでジョーニアスのカットインが観れたり……と、こと足木淳一郎氏が関わる際の『ザ☆』要素の手厚さが尋常でないと改めてよーーーく分かった。足木神、あなたこそがナンバーワンです……!!)

 

 

おわりに

 

2024年8月1日。池袋サンシャインシティトーク+ステージイベント『ザ☆ウルトラマンウルトラマン80 45thスペシャルナイト』が開催。会場は満員御礼で、ザ☆ウルトラマンから出演されたムツミ隊員役・島本須美氏と、ゴンドウキャップ役・柴田秀勝氏は驚きと喜びの声を上げられていた。

 

 

このようなイベントが開催されたり、Blu-ray BOXが発売されたり、HDリマスター版の地上波放送が大きな反響を呼んでいたり……と、『ザ☆ウルトラマン』は近年目覚ましい再評価を受けている。そして、『ウルトラマンレオ』や『ウルトラマンネクサス』などがそうであったように、この再評価は確かな理由=「今の時代にも通用する唯一性・面白さ」によるものだ。  

少しでも本作が気になる方、あるいはこの記事で気になってくださった方は、是非その「理由」をTSUBURAYA IMAGINATIONや各種サブスクサービス、レンタルDVDなどで確かめてみてほしい。そして、いつかきっと多分来るであろう「ギャラクシーファイトへのエレク・ロト・アミアの参戦」に皆で備えましょう……!

 

 

【開設4周年】書きたいけど書けなかった! “お蔵入り記事” 大供養スペシャル

「9月13日」と言えば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。 

特撮オタクとしては、真っ先に「カイザの日」と言いたいところなのだけれど、今日2024年9月13日とは、当ブログ『れんとのオタ活アーカイブ』の4周年記念日!そして、本記事はその137本目……!!  

しかし、光あるところには必ず影もある。アップされた記事もあれば、アップできずにそのまま没になった記事もある。以前、2周年記念記事として「書こうとしたけど書けなかった記事3選」というものを作成したのだけれど、4年の中で生まれた没記事はもっともっとたくさんある訳で……。 

という訳で、今回はそんな「書こうとしたけど書けなかった」記事、全17本をメモアプリから引っ張り出し、その内容を振り返ることで彼ら「お蔵入り記事」の供養としていきます。記憶力を解き放て!!(当時のことを頑張って思い出すぞ、の意)

 

arc jump'n to the sky

arc jump'n to the sky

 

《目次》

 

① 感想『DARKER THAN BLACK』(2020年10月)

 

DARKER THAN BLACK』は、2007年に1期「黒の契約者」、2009年に2期『流星の双子』が放送された全3クールのテレビアニメ作品で、それぞれ異なる「対価」を払う宿命を担った超能力者=「契約者」たちの生き様を描く物語。 

所謂「異能バトルもの」に分類される本作だけれど、その最大の特徴は異能よりもむしろ「対価」の方。命を削るというシビアなものから「煙草を吸う」という変わったものまで、バリエーション豊かな対価を軸に、契約者たちの人生が儚く叙情的に描かれていく、所謂「大人の異能バトルもの」とでも呼ぶべき作品だ。  

自分は大学生時代に一度、社会人になってからもう一度この作品に触れ、後者のタイミングで「この作品の良さを言語化しておきたい」と記事を書き始めたのだけれど、この作品は総じて非常に文学的・言語化が難しい作品であり、更に「3期が未だに作られておらず、所謂投げっぱなしエンドで終わってしまっている」という悲しい弱点を抱えてもいた。そんな本作に当時の自分は太刀打ちできず、1期の感想を途中まで書いたところで挫折。いつかしっかりリベンジしたいので、どうか……どうか3期を……!!

 

 

② 感想『ジョジョの奇妙な冒険』第1~5部 (2020年10月)

 

言わずと知れた大人気作品『ジョジョの奇妙な冒険』に大学生になって初めて触れ、そのまま第5部までをアニメで履修・完走したので、その感想をまとめようとしたもの。  

自分は本シリーズに「第5部 (漫画) →第4部→第5部 (アニメ) →第1部→第2部→第3部」というトンチキな順番で触れていて、それ故にポルナレフ周りが全く分からない」「ジョセフのファーストインプレッションが老人」などかなり珍妙な体験をすることになった。この新鮮な感想を、特に好きな第4部・第5部の感想と併せてを中心に書き残しておこう……と思ったのだけれど、ジョジョ特有の「スゴ味」を言語化するだけでも難しいのに、第1部から第5部に至るまでの凄まじいサーガを一つの記事にまとめるだなんて無謀も無謀、書き始めて早々に敗北を悟って断念することに。展望を持つことの大切さを身を持って学ばせて貰った記事だった(物は言いよう)

 

Theme of Stone Ocean

Theme of Stone Ocean

(上記の順番で見たおかげで、その後図らずも「第3部の後に第6部を見る」というこれはこれで美味しい流れに……!)

 

③「アバレキラーに救われた」話 (2021年3月)


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2003年放送のスーパー戦隊シリーズ爆竜戦隊アバレンジャー』に登場する五人目の戦士……という一言では表現しきれないシリーズ屈指の異端児・アバレキラー。当時から大きな話題と人気を呼んでいた彼だけれど、2003年当時の自分はちょうど「特撮を卒業しかかっている」時期で、彼のこともアバレンジャーのことも正直あまり記憶に残っていなかった。 

ところが、2020年に東映公式YouTubeチャンネルにて『アバレンジャー』の配信がスタート。当時ぶりに全話を見てみたところ、これがま~~~~面白かった。愉快でフリーダムなエピソードの数々、親しみやすいキャラクター造形の爆竜たち、アバレブラック=アスカとその恋人を巡る緊迫したストーリー、物語を縦横無尽に引っ掻き回し、遂には敵組織であるエヴォリアンまで乗っ取ってしまうアバレキラー=仲代壬琴の魅力、そして、そんな仲代先生に激しい怒りを抱きつつも手を差し伸べるアバレッド=伯亜凌駕の想い……などなど、ある種「スーパー戦隊シリーズの集大成」とも呼べてしまうこの闇鍋めいた作品が自分は大層気に入ってしまったのだけれど、中でも響いたのが最終章におけるアバレキラーの顛末。そのあまりにも熱く壮絶な展開に自分は号泣、アバレンジャーオタクの友人に電話して一時間半話を聞いて貰うという奇行に走ったりもしていた。仲代が自身の宿命に対して打ち出した回答に、それほどまでに大きな勇気と「励まし」を貰えたからだ。 

記事を書こうとしたのは、彼から貰ったその「励まし」を記録に残したかったからなのだけれど、あまりにも自分のパーソナルな部分が表に出すぎてしまいそうだったので泣く泣く断念。そして何の因果か、アバレンジャーについてはこの後も一つ「書きたかったけど書けなかった」記事が生まれることになる。どうして……??

 

 

④ 感想『鉄のラインバレル』“九条美海は救えない” という「正義の限界点」について考えてみる (2021年4月)

 

鉄のラインバレル』は、現在『ULTRAMAN』を連載中の清水栄一・下口智裕両氏が手掛けたロボット漫画で、2008年にアニメ化した後、2015年に堂々の完結を迎えている。 

ロボットと似て非なる存在「マキナ」を軸に、タイムパラドックスなども交えて描かれる不穏・苛烈なSFストーリー……と、それらの困難に真正面から挑みかかり、悩み、苦しみながらも「正義の味方」を貫いていく主人公・早瀬浩一の生き様が唯一無二の魅力を放つ作品だ。 

自分はそんなラインバレルにニンテンドー3DSのゲーム『スーパーロボット大戦UX』で初めて触れてベタ惚れ。2021年春、ゲームには収録されなかった真の結末を見届けるべく漫画を揃え、そのエンディングを見届けることになった――のだけれど、その中で一つ残ってしまったしこりが「九条美海」の顛末だった。

 

 

マキナ「ペインキラー」のファクター (パイロット) である九条美海は、その華やかな見た目とは裏腹に「学校や所属するアイドルグループで激しいイジメを受けており、自殺まで試みた」という壮絶な背景の持ち主。しかし、その背景以上に問題なのが作中における彼女の扱い。 

というのも、彼女はファクターとなった後もその傷付いた精神を持て余し、依存スレスレの愛情を向ける浩一に目を向けられないばかりか、所属する組織からも持て余され、作中でもどんどん活躍が少なくなっていく。最終章では思い出したかのように彼女がメインとなるくだりがあるのだけれど、その内容は「民衆から強い悪意・敵意を向けられる」「それがきっかけで暴走した仲間を介錯する」「全てを失い失踪した先で、一人無惨に殺害される」というあまりに惨いものだった。  

確かに、美海の行いは決して褒められるようなものではなかった。浩一ではなく、自分を救ってくれた彼の力=ラインバレルに依存し、自分が得た力であるペインキラーをひけらかし、周囲の人間を見下すことさえある彼女は、本作でいうところの「想像力を失った人間」かもしれない。 

しかし、彼女はそれでもその力を善のために使い続けていたし、何より、彼女が歪んでしまった原因は前述のような過酷な過去にある。彼女に与えられるべきは、こんな惨たらしい結末ではなく「力に酔っていた者が自身の弱さと向き合い、本物の “正義の味方” になる」という物語であり、他でもない浩一がそれを導くべきではなかったのだろうか。  

作中やけに一貫している彼女の報われなさは、まるで「イジメられている方にも原因がある」とする世間の悪意が具現化したもののようであったし、思い出したかのように出番が与えられたかと思えば、浩一とさしたる絡みもなく退場していく彼女の最期は「作者からも捨てられた」も同然のものだった。ラインバレルが好きだからこそ、自分にその結末を納得させたくて、どうにか「彼女がこんな結末を迎えざるを得なかった必然性」を見出だそうと書き出したのがこの記事だったのだけれど、自分にはそれを見付けることができなかった……ので、途中まで書いて泣く泣くお蔵入りに。ラインバレルという作品に向き合う為にも、いつかこの問題に自分の中で落としどころが見付かればいいのだけれども……。

 

 

⑤ 人生を変えてくれた曲3選 ~ 作品語りを添えて (2021年5月)

 

タイトルの通り、人生を変えてくれた曲について語りたい……という名目で書き出したものの、書いているうちに語りたい歌がたくさん出てきてしまい、記事の方向性を変えていく中でお蔵入りになってしまった記事。 

ちなみに、挙げようとしていたのは下記の三曲。

 

1.CODE CRUSH  (愛内里菜)

Code Crush

Code Crush


友人宅でプレイさせて貰ったロックマンX (無印) をきっかけに、初めて自分自身で触れたロックマンシリーズが『ロックマンX7』。『CODE CRUSH』はそのOP主題歌で、物心ついてから初めて惚れ込んだ思い出の楽曲だ。 

自分は「悲哀を感じさせるカッコいい曲」が大好きなのだけれど、おそらくその原点がこの歌で、ついでに言うと、オープニングステージのBGMである『Conflict ~ Escape Stage』は物心ついてから初めて惚れ込んだBGMだし、主人公のアクセルは物心 (略) キャラクターだったりもする。ロックマンX7、“初恋” なのかもしれない……。

 

 

2.ユニバーサル・バニー (シェリル・ノーム starring May'n)

ユニバーサル・バニー

ユニバーサル・バニー

 

『劇場版 マクロスF 虚空歌姫イツワリノウタヒメ〜』の挿入歌で、自分にとっては「真性のオタクになるきっかけ」になっ(てしまっ)た歌。 

全ての始まりは高校一年生の冬、友人が唐突にこの歌のYouTubeリンクを送ってきたこと。それまで、本当に限られたコンテンツ (特撮やガンダムポケモン遊戯王など) にしか触れてこなかった自分にとって、扇情的な歌詞とクセになるメロディが組み合わさったこの歌は「触れたことのない世界」を連れてきた黒船のようなもの。ここから自分はあれよあれよと深夜アニメの世界にドハマりして、結果はご覧の通り。自分の世界を広げてくれた、変な話だけれど「恩師」のような楽曲だ。オベリスク』も大好き。

 

オベリスク

オベリスク

 

3.ツキアカリのミチシルベ  (ステレオポニー)

 

アニメ『DARKER THAN BLACK』の2期である『流星の双子』のOP主題歌。辛くても苦しくても、それでも「前に進まなくちゃいけない」ということを唄い上げる切実な歌詞・演奏が、前作『黒の契約者』からの主人公である黒にこれ以上なくマッチしており (アニメではサビ部分の構図が前作OPをオマージュしていることもあって) 今でもサビを聴くだけで涙しそうになってしまう。 

そんなこの歌に特別な思い入れがあるのは、『流星の双子』に触れたのがちょうど転職をはじめ様々な問題によって人生有数に追い詰められた時期であり、この歌がそんな自分に寄り添い、支えてくれるものだったから。この記事を書こうとしたのは、結局のところ「DARKER THAN BLACK記事は書けそうにないけど、それでもどうにかこの歌を語りたかった」から。今でも、どうしようもなく辛い時は必ず聴いている大切な一曲だ。 

( “だったらちゃんと書け” ←それはそう)

 

 

⑥ 好きな “アニメ・特撮の挿入歌” ベスト10 (2021年10月)

 

⑤の記事を書いている中で「あの歌も語りたい」「この歌も語りたい」と分不相応な欲が芽生え (間違いなく三つが適切な数だった) 、じゃあどういう括りにするかと考えた結果が「ベスト10形式」「挿入歌縛り」「シリーズものから一曲だけ引っ張ってくる」というもの。……このまだるっこさの時点で暗雲が立ち込めていたのだけれど、いざ10位の『longing』について書き始めると「挿入歌なので、作中のシチュエーションに降れなければならない」「その説明の為に、オーディナル・スケールについて語らなければならない」「その説明の為に、ソードアート・オンラインという作品についても語らなければならない」とタスクが芋づる式に発生。その時点で「書ききれない」と直感し、執筆を断念することになった。ちなみに、その書こうとしたランキングがこちら。

 

10位:「劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」より
『longing』(ユナ CV.神田沙也加)

longing

longing

  • ユナ (CV:神田沙也加)
  • アニメ
  • ¥255

 

9位:「劇場版 マクロスF イツワリノウタヒメ」より
『ユニバーサル・バニー』 (シェリル・ノーム starring May'n)

ユニバーサル・バニー

ユニバーサル・バニー

 

8位:「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」より
『 -Star Divine- フィナーレ』(愛城華恋 CV.小山百代、神楽ひかり CV.三森すずこ、天堂真矢 CV.富田麻帆、西條クロディーヌ CV.相羽あいな)

-Star Divine- フィナーレ

-Star Divine- フィナーレ

 

7位:「仮面ライダーフォーゼ」より
『Giant Step』(Astronauts)

Giant Step

Giant Step

  • Astronauts
  • J-Pop
  • ¥255

 

6位:「魔法少女リリカルなのは THE MOVIE 1st」より
『Don't be long』(水樹奈々)

Don't be long

Don't be long

 

5位:「劇場版 機動戦士ガンダム00-A wakning of he Trailbrazer-」より
『CHANGE』(UVERworld)

CHANGE

CHANGE

 

4位:「蒼穹のファフナー EXODUS」より
『その時、蒼穹へ』(angela)

その時、蒼穹へ

その時、蒼穹へ

 

3位:「劇場版 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国バレリーナ」より
『勇気が生まれる場所』(キュアラブリー CV.中島愛キュアプリンセス CV.潘めぐみキュアハニー CV.北川里奈、キュアフォーチュン CV.戸松遥)

勇気が生まれる場所

勇気が生まれる場所

 

2位:「ウルトラマンフェスティバル2018」より
『Ready to Beat』(MIKOTO / 海弓シュリ)

 

1位「戦姫絶唱シンフォギアG」より
『正義を信じて、握り締めて』(立花響 CV.悠木碧)

正義を信じて、握り締めて

正義を信じて、握り締めて

 

「挿入歌縛りにしたせいでツキアカリのミチシルベとCODE CRUSHが選外になってるじゃん」「いくら作中で流れてるからってCHANGEを挿入歌という括りでピックアップするのは無法すぎるだろ」などツッコミどころが多いし、二度も執筆を断念したというのは恥も恥。この後、自分は諸々の反省や「シリーズを統一することで前提条件の説明を省く」という方法によって、下記の『平成ライダーの “名挿入歌” 勝手にベスト10』記事を仕上げることができたのだけれど、懲りないことに、その記事からまたもお蔵入りの記事が生まれてしまうことになった。

 

kogalent.hatenablog.com

 

仮面ライダーキバの挿入歌『Supernova』が解き放った「鎖」とは何だったのか (2021年10月)

Supernova [Tribute to Empire form]

Supernova [Tribute to Empire form]

 

前作『仮面ライダー電王』のヒットを受け音楽展開を強化した『仮面ライダーキバ』。この作品においては、仮面ライダーキバ=紅渡を演じる瀬戸康史氏がボーカルを務める『キバ』専属のロックバンド「TETRA-FANG」が存在していたのだけれど、どういう訳か彼らの手掛けるテーマソングはどれもこれも異様に不遇で、ドッガフォームの『Silent Shout』に至ってはなんと本編未使用……という、ファンとしてはどうにも腑に落ちない有様だった。 

(キバフォームのテーマソング『Destiny's Play』は本編内で歌われたりもしたけれど、フィニッシュを飾るのはいつも劇伴『ウェイクアップ』の方だった。キバの劇伴は凄く好きなんだけどもね……!)

 

ところが、そんな「TETRAーFANGが不遇」という流れに風穴を開けてくれたのが件の『Supernova』! これまでが嘘のような頻度でエンペラーフォームの戦いを彩ってくれたことは勿論、そのアツい曲調や瀬戸氏の上達もあってシリーズでも高い人気を誇る挿入歌になったりと、そのストーリーはこれまでのTETRAーFANGの不遇を補って余りあるもの。 

これらの文脈も含めて、自分は『Supernova』が大好きで――という、前述のベスト10記事から泣く泣くカットした語りを一本の記事にしてしまおうと模索した結果、文字数を広げられずにお蔵入りとなったのがこちらの記事。運命の鎖は解き放てませんでしたァ!!

 

 

⑧ 感想『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(2022年1月)

 

前述の東映公式YouTubeでの配信や、近場のTSUTAYAをフル活用して行っていたスーパー戦隊シリーズ行脚、その過程で当時ぶりに再会した作品の一つが1999年放送の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』。 

1999年当時の世相を反映し、災害や救助を軸に据えたリアル路線のストーリーや、科学の力で宇宙からの脅威に立ち向かうというロマン、シリーズの中でも特に強いこだわりで描かれるメカニック描写など見所の多い本作だけれど、中でも自分を虜にしたのが「オタク心にぶっ刺さる展開」の数々。 

第20話という作品の折り返し地点で満を持して披露される「5人の一斉変身バンク」それまでは、各回の主役だけが変身バンクを披露していた。服を羽織るように、エネルギーを「バサッ!」と広げて纏うアクションがカッコいいんだ……!)だとか、最新ロボのビクトリーマーズが、敵の弱点を突く為に1号ロボ・ビクトリーロボの必殺技を借りる(ちゃんと「マーズプロミネンス」という名前になるのが最高!!)だとか、サプライズ披露された最終兵器・ブラックマックスビクトリーロボが最終回の〆を飾ったり……だとか、ゴーゴーファイブはシリーズでも指折りのロマン展開が目白押し。そんなアツさを文字に起こそうと試みたものの、50話もの物量をまとめあげるには実力不足で泣く泣く断念。今だったら、これら三つの激アツ展開にスポットを当てる切り口でどうにか記事にできたと思うのでますます悔しいところ。いつの日かもう一度チャレンジしてみたい……!

 


⑨ 感想『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』(2022年3月)

 

言わずと知れた問題作。内容が内容なだけに「誰かの感想を入れる前に、自分の感想を残しておかなくちゃいけない」案件だったのだけれど、自分は本作に(世間の評価に比べると)好意的な感想を持っていたので、それを文章にするには相当な覚悟と「本編への理解」が必要だった。早い話が「ガチ勢のツッコミに堪える記事にする必要があった」……のだけれど、そこまで内容を作り込むことができず断念。ただ、後に明かされた製作上のあれこれを踏まえると、ここで記事を書かなくて良かったな、という気持ちも……。

 

プトティラ コンボ

プトティラ コンボ

(タジャドルコンボエタニティの戦闘に『プトティラコンボ』を流したのは胸を張って好きだと言えるポイント)

 

⑩ 対人ゲームがトラウマのオタクが10数年ぶりに遊戯王に復帰した話 (2022年5月)

 

自分は『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』ド世代で、『遊☆戯☆王5D's』までカードゲームを続けていたのだけれど、GX末期から「ダムド」「ライトロード」「BF」のように、生半可なデッキでは太刀打ちできないお手軽最強カテゴリーが増えていったことで引退。その後、大学生時代に色々な目に遭って対人ゲームそのものがトラウマになってしまったオタクなのだけれど、そんな自分が社会人数年目にして「遊戯王」に復帰した、という話。 

ただ、復帰とはいってもその形はやや特殊で、大会に参加するとかオンラインで対戦するとかではなく、主に大学生時代の友人グループ内でデッキを作成、貸し借りしあってエンジョイ対戦をする、というもので、更に、その内容もやや変則的。

 

1.原作再現デュエル

 

カードパワーが弱かった「デュエルモンスターズ」「GX(前~中盤)」期を対象に、アニメのキャラクターたちが「作中で実際に使ったカード」だけを用いてキャラデッキを作成、デュエルするというもの。 

自分は遊戯 (表遊戯) 、城之内、ペガサス、エドのデッキを作成し、先輩がアテム (闇遊戯) 、海馬、獏良、マリク、十代、カイザーのデッキを用意してくださったので、身内間でこれらのデッキを取っ替え引っ替えしてエンジョイ対戦。勝ち負けより「どれだけ面白いデュエルができるか」を重視する空気感のおかげで、気軽かつ大いに盛り上がれる素晴らしい環境で、実際に原作顔負けの凄まじい展開が飛び出すこともしばしば。個人的なベストバウトは「モノマネ幻想師+天使のサイコロでオベリスクを撃破する城之内」

 

2.遊戯王ラッシュデュエル

 

5年前から販売されている「新ルール版の遊戯王」とでも呼ぶべきカードゲーム。遊戯王OCGとの違いは「毎ターン五枚ドローできる」「一ターンに好きなだけモンスターを召喚できる」という点で、それだけ聞くと「今の遊戯王も大体そんなものでしょ」と思われる方もいるかもしれない。 

しかし、ラッシュデュエル最大のポイントは、そのルールよりも「インフレしないようにカードパワーが慎重に調整されている」という点。この調整と新ルールが上手く噛み合った結果、ラッシュデュエルは未だに「モンスター同士の殴り合いを基本に、魔法でサポート、罠で反撃」という遊戯王の原初の形を守り抜けているのである。

 

ラッシュデュエル!!

ラッシュデュエル!!

  • 川﨑龍
  • アニメ
  • ¥255

 

遊戯王は本来ティーン向けに展開されたゲームだったが、そのルールがどんどん複雑化していった結果、現在は大半のプレイヤーが20代以上、とてもじゃないが子どもが遊べるゲームではなくなってしまっている。そんな状況に対して「子どもでも楽しめる遊戯王をもう一度」と展開されたのがラッシュデュエルなのだけれど、それはつまり、自分のような「あの頃の遊戯王」を求める遊戯王世代にも刺さるゲームだということ。  

結果、自分はものの見事にこのラッシュデュエルにハマってしまった……ので、上記の原作再現デュエルと合わせて布教記事を書こうと思ったのだけれど、カードゲームの面白さを記事で伝えることが上手くいかずに断念。でもこの二つは本当に面白いし、特に「原作再現デュエル」については、お金もさほどかからない上デッキを持っておくだけでも楽しいので、遊戯王世代の方々には是非オススメしたいところ。「ヘルモスの爪」を投入した城之内デッキが手元にあるの、最高ですよ……!

 

 

⑪『最強フォーム登場後に使われる “下位フォーム” が好き』という叫び (2022年5月)

 

 

「下位フォームの好きな使われ方」というとそれこそ山ほど挙げられるし『仮面ライダークウガ』という宝の山めいた作品もあるけれど、その中でも個人的な「尖り性癖」なのが「最強フォームが使えるけれど “敢えて” それを使わない」「フィニッシュまでその形態で持っていく」「それが “そういうシチュエーションのために” お膳立てされたものではない」……というもの。めんどくさいなコイツ(冷静) 

しかし、この例は意外にもそれなりの数がある。エクリプスモード獲得後もコロナモードでフィニッシュを飾るウルトラマンコスモスはその多くが「これ」に該当するし、「クインメザードをガイアV2のリキデイター=アグルの力で撃破」ウルトラマンガイア)「対多数戦に強いアクセルフォームでライオトルーパーを殲滅」仮面ライダー555などなど他にも散見されるところ。そしてその中でも推しているのが、ウルトラマンオーブ第21話『青いリボンの少女』での一幕。

 

 

このエピソードで登場するのは、ハイパーゼットンデスサイス(リザーバー)。第17話での登場以降無敵の活躍を見せていたオーブオリジンが「大剣のせいで機動力を欠く」という弱点を突かれて圧倒される、つまりは「相性の悪さ故の苦戦」を強いられ(加点ポイント)総合スペックでは最強(加点ポイント)の、区分としては下位フォームのサンダーブレスターに(加点ポイント)ゼットンにはゾフィー、という文脈もあってか(加点ポイント)フュージョンアップし、結果無事にハイパーゼットンを圧倒、ゼットシウム光線でフィニッシュを飾る(加点ポイント)……。

 

や~~~~好き!!!!!この話がしたかったんですよ!!!!!満足!!!!!!!!!

 

 

⑫『シン・メガロ』(2022年9月)

 

藤岡弘、のスケジュールが押さえられなかった上、東宝から「メガロは故あって使えない」というNGが来てしまったので没になった企画。その理由を知るのは一年後のことだった……。

 

 

⑬ 宇宙一得の低い『PSYCHO-PASS PROVIDENCE』感想 - 正義と法とポニテ狂いの慟哭 (2023年5月)

 

 

⑭ 早乙女あこ=アレルヤ・ハプティズム説(2023年7月)

 

二重人格(猫モード)ハブられがち(ヴィーナスアークへの留学、星のツバサ)アーチャーアリオスやハルートは二人乗り(ダブルミューズ)輝いて参りますわトランザムと証拠は揃っており、更には七倉小春が「途中離脱後に復帰・シーズン2で主人公のパートナーになる」という沙慈・クロスロードとそっくりの境遇だったりもするので、もはや早乙女あこ=アレルヤ・ハプティズム説は確定的に明らか。アイカツスターズ!ガンダム00を一つの記事で語れるというお得さもあって一時は書く気満々だった……のだけれど、アイカツスターズ!という作品について「この文脈(オブラート)」で書くのは流石に憚られたので順当にお蔵入り。

 

kogalent.hatenablog.com

 

⑮ 感想『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』ー 限界まで詰め込まれた “らしさ” と “愛” で全てが許せる、紛うことなき「20年目のアバレンジャー」(2023年9月)

 

自分は前述の通り『アバレンジャー』がお気に入りのスーパー戦隊なのだけれど、東映特撮の周年記念続編と言えば「本編後なのでスケールの大きな話を」という意気込みに予算や尺が追い付いていなかったり、「メンバーが再集結したこと」それ自体を売りにした結果、その作品の「らしさ」や「続編として世に送り出す意義」を置き去りにしてしまったりと、自分の好みには合わない作品であることが多かった。 

なので、このアバレン20thも鑑賞前は期待半分・不安半分だったのだけれど、いざ蓋を開けてみれば、それは紛うことなき「20年目のアバレンジャー」……具体的には、「最終回後の続編」というよりも「新しく作られたアバレンジャーの1エピソード」とでも言うべきものだった。

 

 

本作の敵となるアバレンゲッコーは、封印された幹部でも新たな脅威でもなく、あくまで一介のトリノイド残党。彼が引き起こす「排尿を促す能力で地球から水分を枯渇させる」というトンチキな災害はテレビ本編後半のエヴォリアンを彷彿とさせる。 

一方、物語面ではアバレキラー=仲代壬琴の復活よりも、ゲストキャラクターの社会学者・五百田葵のトラウマに焦点を当てており、彼女の「苦手なアバアバダンスを無理矢理踊らされたことがトラウマ」という緩いメタ要素や、その心の傷がナイーブに描かれていき、誰あろう幸人が彼女を救おうと奔走する点などもまさに『アバレンジャー』らしさと言える点だろう。 

(確かに、アバレンジャーといえばアバレキラーやアバレブラックの物語が印象的だし自分も彼らの物語は大好きだけれど、そのような連続エピソードが際立つのは、脇を固める多種多様なオムニバスエピソードがあればこそ。アバレンジャーはその触れ幅がシリーズでも特に大きく、まさに「アバレ」ていた印象だ)

 

……と、要素を取り上げていくと、なんだか「テレビ本編であったよね」と思えてくる『アバレン20th』だけれど、そんな「本編っぽさ」こそが本作最大のポイント。普段通りの雰囲気なので、この手の続編にありがちな「予算が決して潤沢でないことが伝わってくる画」も気にならないし、60分という尺も、様々なファンサービスも織り込んだ上で「丁度いい」時間になっているのだ。  

そして何より、私たちがアニバーサリー作品に求めているのは、原作を一にする未知の続編ではなく「あの頃力をくれた作品との再会」であるはず。であるなら、原典の「らしさ」を凝縮し、アバレキラー復活という最大のトピックを前に出しすぎないことで『アバレンジャー』という作品そのものを俯瞰・現代的なテーマを加えてパッケージングしてみせた本作は、かの『風都探偵』よろしく「理想的な続編」と呼んで差し支えないものであり、(翌年の『特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター』と併せて)東映アニバーサリー作品史における特異点になっていくのではないだろうか。

 


⑯ 感想『TDG THE LIVE ウルトラマンガイア編 〜未来への誓い~ 』TDGアニバーサリーを感涙で締め括る、25年越しの “スーパー・ヴァージョンアップ・ファイト” (2023年11月)

 

銀座・博品館劇場で『ウルトラマンティガ編』『ウルトラマンダイナ編』と続いてきた舞台シリーズ『TDG THE LIVE』のトリを飾った舞台作品。 

本作のメインとなるのは、自分が世代ド真ん中の作品『ウルトラマンガイア』で、主人公を演じた吉岡毅志・高野八誠両氏が出演された(吉岡氏はなんと主演として直々に登壇!)他、その内容も、前半は『ガイア』の正統続編としてアグルのヴァージョン・アップ(スプリーム・ヴァージョンは勿論 “真のアグルV2” はファン垂涎……!)を描き、後半は『超時空の大決戦』を意識した展開で、ガイアとギンガ・ビクトリーというファンならニヤリとする共演や、スーパー・スプリーム・ヴァージョンの誕生を描くという至れり尽くせりの内容。元来『ガイア』が大好きということもあって、近年のウルトラシリーズ舞台作品の中でも1.2を争う程に盛り上がってしまう凄まじい代物だった。 

……ので、その熱量を書き残しておこうとやる気満々でスマホを叩き始めたのだけれど、いざ書き出してみると(熱すぎる展開と情報量でぶん殴られたからか)肝心な部分の台詞・展開がいくつか頭からすっぽ抜けており、半分以上書き上げたところで中断という口惜しい結果になってしまった。

 

kogalent.hatenablog.com

 

しかし、その数週間後の2023年11月25・26日、円谷プロ創立60周年を祝う円谷作品の祭典=「TSUBURAYA CONVENTION」にて、ウルトラマンガイア25周年を記念したイベント『ウルトラマンガイア 25th ミッションネームガイア XIGファイターズ Get glory!』が開幕。このイベントもこのイベントで凄まじいものだった――ので、「この記事の前談として『TDG THE LIVE ウルトラマンガイア編』の感想を捩じ込む」という裏技めいた作戦を実行、無事「ガイア編の感想を書き残す」というミッションを達成することができた。自分のパワーを信じて飛び込めば、きっと掴めるさ勇気の光ィ!!!!(達成感)

 

 ⑰ 発声するだけが応援上映じゃない! 無言でも楽しめた『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-』応援上映レポート(2024年8月)

 

応援上映文化の祖であり、ファンの熱量で一大ムーブメントを巻き起こした『KING OF PRISM』通称キンプリの最新作、『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-(以下 “キンドラ” )』の応援上映に行ったレポート記事。

 


(キンドラについてはこちらの記事を参照)

 

自分は『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』の特別上映応援上映黎明期の2017年に行われたもので、登壇されたキャストからの合図を受けて声援を送る、という、一般的な応援上映とは大きく異なるもの)くらいしか応援上映の経験がないド陰キャオタク。そんな自分にとって、鍛え抜かれた歴戦のエリートが集う『KING OF PRISM』シリーズの応援上映「参加してみたい気持ちはあるけれど、自分のような素人が行ったら、声を出しても出さなくても周囲のひんしゅくを買うのでは」という懸念が根強いものだった。 

しかし、周囲からは「KING OF PRISMの応援上映民度が良いので、そんなことにはならない」「応援上映で完成するのがKING OF PRISM」という声も数多く上がっている。むしろ「応援上映初心者こそKING OF PRISMに行くべきだ」とも。結果、それらの情報と自分の「陰」、そして「真のKING OF PRISMを浴びたい」という気持ちを比較して出した結論は「そこそこ空いている応援上映回に行く」だった。

 

 

2024年8月22日(公開二週目の木曜日)、午後休を取って、KING OF PRISMシリーズの聖地・新宿バルト9応援上映に突撃。合いの手やコールを覚えずに来たのだけれど、それでも、た……楽しかった!!!! 

そもそも、本作の原作にあたるテレビアニメ『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars- 』には「応援上映を想定して作られたであろう」シーンがある。そのシーンで実際に拍手を送ることができるのは、作品世界の一部になれたようで+挫けそうな主人公=一条シンに感謝と励ましを返せているようで嬉しかったし、声が出し辛い自分にとって「コールでも合いの手でもない応援」が用意されていたのは非常にありがたかった。 

他にも、ペンライトや歓声による「ライブの現場さながらの臨場感」や、数々の面白ポイント(主にOver The RainbowのCM)に遠慮なく声を出して笑える空気感など、応援上映には「コールや合いの手」以外にも数多くの魅力があった。応援上映は、声を出さなくても楽しめるものだったのだ。  

そんな発見と感動を書き留めたい、そして何より『キンドラ』応援上映の一助になりたい、という気持ちで書き出したものの (『Shiny Seven Stars』の記事をつい先日出したばかりなこともあって) 一つの記事になるほどの文量が出力できないことを察し、その日のうちに断念。巷に溢れる応援上映レポの凄さを改めて思い知ったよ……。

 

ナナイロノチカイ! -Brilliant oath-

ナナイロノチカイ! -Brilliant oath-

  • 一条シン・太刀花ユキノジョウ・香賀美タイガ・十王院カケル・鷹梁ミナト・西園寺レオ・涼野ユウ(cv.寺島惇太斉藤壮馬、畠中 祐、八代 拓、五十嵐 雅、永塚拓馬内田雄馬)
  • アニメ
  • ¥255

 

おわりに

 

ここまで約15000字、長旅にお付き合い頂きありがとうございます。メチャメチャスッキリしました。  

なにせ、記事を書き出したということは、それだけ残しておきたい・吐き出しておきたい思いがあったということ。けれど、それを記事として仕上げられるかどうかはその熱量とは全く別の問題。だから、こういう未完成記事の存在は頭の中でずっと燻っているし、今回の記事でそれらを弔えたからこそ、今後の記事作成にも一層身が入っていくというもの。 

皆さんに読んで頂けているおかげで(いつも本当にありがとうございます……!)、このブログも今日から5年目に突入。もっと多くのインプット・アウトプットに励みつつ、引き続きコンスタントに記事を書いていければと思っていますので、今年も「れんとのオタ活アーカイブ」改め「こがれんアーカイブ」をどうぞよろしくお願いします!

「デミカツ」って何? アイカツ×VTuberのシリーズ最新作『アイカツアカデミー!』徹底解説

「デミカツ」にドハマりしている。デミグラスソースカツ丼じゃなくてアイカツアカデミー!』の方に。

 

 

2024年7月、突如発表され界隈に激震を走らせたアイカツ!シリーズ最新作こと『アイカツアカデミー!』通称『デミカツ』。その形態はなんとYouTubeでの配信、もとい「VTuber」であり、今こうしている間もYouTubeに続々と動画が投稿されているのだけれど、そのコンテンツとしての特異さ故に「どう追えばいいのか、どれだけ追えばいいのか分からない」「デミカツって何なの」という疑問・戸惑いの声も数多く上がっている様子。 

そこで、今回の記事では『デミカツ』ことアイカツアカデミー!がどんなコンテンツなのか、どう追えばいいのか、どんな状況にあるのか……等々、本作の(2024年9月時点での)情報を徹底解説。デミカツに触れるきっかけ、あるいは追いかける際の補助線として使って頂ければ幸いです。せーので! デミ、カーーっツ!!(存在しない掛け声)


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引用:【アイカツアカデミー!】「満開!エリオント」Official Lyric Video - YouTube 

 

《目次》

 

 

アイカツアカデミー!とは

 

アイカツ!シリーズとは、テレビアニメとデータカードダスの連動コンテンツとして2012年に開始、大きなブームを引き起こした『アイカツ!』以降、『アイカツスターズ!』『アイカツフレンズ!』『アイカツオンパレード!』『アイカツプラネット!』と、放送形態や連動商品を変えながら続いてきた女児向けクロスメディアシリーズ。 

鳴り物入りで発進した『アイカツプラネット!』がパンデミックに直撃したことを主な要因に、一時は打ち止め・完全終了と噂されたこともあったものの、2023年に劇場公開され、大きな反響を呼んだ『アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ 』以降、オンリーショップやソーシャルゲームへのゲスト参戦、遊園地でのコラボ企画など様々な形でコンテンツを展開。2023年末には『アイカツスターズ!』と『アイカツフレンズ!』、2024年夏には『アイカツ!』のライブイベントがそれぞれ大きな賑わいを見せるなど、凄まじい勢いで息を吹き返していった。そんな「第2次アイカツブーム」とでも呼ぶべき流れの中、突如発表された新プロジェクトこそが『アイカツアカデミー!』だ。

 

 

新プロジェクトの発表そのものもさることながら、衝撃的だったのはその形態がアニメでもデータカードダスでもなく「VTuber」だったこと。 

一体どんなストーリーになるのか、そもそもストーリーがあるのか、カード要素はあるのか、コンテンツとして挑戦的すぎるけど色々大丈夫なのか、そして何よりVTuber文化に馴染みのない自分でも楽しめるのか」等々、様々な不安を抱えつつ迎えた2024年7月27日、初配信の中で遂にその全貌が明らかになった。

 

アイカツアカデミー!って何?

 

アイカツアカデミー」は、四ツ星学園のようなアイドル養成学校の名前で、メンバーの三人はそこに通う新人アイドル。中々芽が出ずに悩んでいた中、新たなチャレンジとして「配信部」を結成、アイドル活動の一環として配信活動を始めた……という設定。『デミカツ』とは、そんな配信部三人の配信や(彼女たちの世界に存在する)様々なイベントに彼女たちが挑戦する様子を見守るコンテンツ、つまりは「配信を軸にリアルタイムで進んでいくアイカツ!作品」と言えるだろう。 

(例えば、彼女たちの世界では2024年8月31日に「フレッシュアイドルフェス」というイベントがあるらしく、その模様をYouTubeライブ配信で見ることができる)

 

 

VTuberとの違いは?

 

自分はVTuberに詳しくないのだけれど、おそらくはほぼ同じだと思う。「キャラクターとしての独自設定を持ち、その人格を極めて高い精度でロールしているが、生配信コンテンツなので所々素が出ており、どこまでが演技でどこまでが素なのか分からない」という点はそっくりそのままVTuberだと思うし、彼女たちの存在はアイカツアカデミーという事務所に所属するVTuberと表現すると分かりやすいかもしれない。 

一方、VTuberとの違いとして挙げられるのは、彼女たちのいる世界が「我々のいる現実と、アイカツ!世界が半々に混ざり合ったもの」だという点。要するに、彼女たちは星宮いちごや虹野ゆめら歴代アイドルが現実に存在しているパラレルワールドで活動している配信者」なのだ。 

(彼女たちの世界では、いちごたち歴代アイドルが現実、つまり「同一世界線・同一時間軸上に存在」しており、アニメは「その歴史を収めた映像」のような扱いらしい。特撮ファンにしか伝わらないだろうけど、歴代作品が放送年準拠でふわっと繋がっている世界観は『海賊戦隊ゴーカイジャー』のそれが一番近いかもしれない)

 

 

③ どんな収益体制のコンテンツ?

 

動画の再生による収益、グッズの販売、メンバーシップの会費、先日解禁されたらしいスパチャ……といった点はおそらく企業VTuberと同じ。 

一方、収益面における独自要素と言えるのが、Web上のマイページに登録すると購入・デジタルアルバムへの保存が可能になる「アイカツアカデミー!カード」。配信部の活動が描かれたキャプチャと専用ボイスがセットになったデジタルカードで、販売は1枚200円のランダム方式。店舗・イベントでの配布や雑誌の付録などで「紙のカード」を手に入れることも可能だ。

 

 

アイカツアカデミー!の楽しみ方

 

以上がざっくりとしたデミカツの概要。しかし、重要なのはその先の「じゃあ、現状投下されている大量の動画群をどう楽しめばいいのか」「どれを追えばいいのか」という点だろう。 

確かに、デミカツ関連の配信アーカイブは既にかなりの数があり、全て追うのは一苦労。しかし「最低限のものを押さえる」というだけなら話は簡単だ。 

まず初めに、デミカツの配信を大雑把に分類すると以下のようになる。

①デミカツ通信

②個人配信

③ミュージックビデオ

④ライブ (ステージ) 配信

⑤その他

イメージしやすいようテレビアニメに例えるなら、①のデミカツ通信が「縦軸に関わる回」であり、それ以外は所謂「オムニバス回 (見ておくとよりコンテンツを楽しめるが、見なくても大筋の理解には問題ないエピソード) 」に該当するもの。 

しかし、その「縦軸」というのもさほど込み入ったものではない(配信部を結成しました!→ドレスのデザインと名前を決めよう!→ライブに備えよう!→ライブ本番!くらいのもの)ので、デミカツ通信が視聴必須かと聞かれるとそういう訳でもない。YouTuberやVTuberがそうであるように「面白そうな動画を見て、気になったら他の動画やデミカツ通信を見る」ぐらいの軽いスタンスで楽しめる / 楽しんでいいのが『デミカツ』というコンテンツなのだ。  

して、そんな①~⑤の (2024年9月時点での) 詳細は以下の通り。 

 

① デミカツ通信

YouTubeの公式チャンネル「アイカツアカデミー!配信部【デミカツ】」で毎週土曜日20時に配信している定期配信番組。

・数分のショートCGアニメ
・今週の活動報告
・視聴者からの投稿
・企画コーナー
・来週の予定

の5コーナーで構成されており、困った時はこれを見ておけばOK、と言えるメイン配信。後述の「ライブ (ステージ) 配信」が行われるのもこの枠。  

冒頭のCGアニメ(といっても、使っているCGは普段と同じ)だけは生配信ではなく別録りのもので、短いものながらちゃんとタイトルコールがあったり、ちゃんと「演技している」三人の声が聞けたりする貴重な枠。YouTubeなどで「第○話」としてアップされているのはこの部分で、時間がない方はこれだけ見れば配信部のことが大体分かるのでオススメ。 

メインとなる「企画コーナー」の内容は、上記のようなコール練習だったりオンラインサイン会だったりと、いずれも「アイドル活動」らしいもので、ここがデミカツにおけるアイドル活動パートと言えるかもしれない。ドレスの名前が決まったりもするので重要といえば重要だけれど、性質としてはあくまでバラエティ番組なので、他のコーナー・配信と同様に肩の力を抜いて楽しむことができる。

 

② 個人配信

デミカツ配信部のメンバー=姫乃みえる、真未夢メエ、和央パリンは三人がそれぞれ個人名義のYouTubeチャンネルを持っており、お互いの時間が被らないように毎週様々な配信を行っている――というのが、こちらの個人配信。 

内容は三人の個性や得意分野を活かしたものが多く、絵が特異、いや得意な姫乃みえるはお絵描き配信、朝に強い真未夢メエは朝活配信、ゲーマーの和央パリンはゲーム実況など、それぞれの配信でカラーが大きく異なっている。チャンネルを越えたリレー配信を行ったり、誰かが他メンバーのチャンネルにお邪魔したり……と自由度も高く、デミカツ通信よりもリラックスした配信になっているので、気になるアイドルのことを深く知るにはうってつけの動画群だ。

 

 

そんな個人配信の中でも特に注目したいのが、こちらの「歌枠リレー配信」。おおよそ月一で配信され、三人がそれぞれのチャンネルで30分ずつアイカツシリーズ内外の歌を唄うというもので、配信部の本気歌唱を聴けるのは勿論、各楽曲に対する各々のトークも大きな見所。 

ラインナップは歌唱本番まで伏せられているので、イントロが流れた瞬間の「この歌唄ってくれるの!?」という衝撃はデミカツ屈指の盛り上がりどころ。メジャー・マイナー問わず様々な歌が唄われるので、特にシリーズファン諸氏には是非生配信でその衝撃を感じて頂きたい……! 

(三人の世代からは離れていそうな『アイカツフレンズ!』や『アイカツプラネット!』からの歌唱も多く、その際は驚きや感謝のコメントが数多く寄せられていた)

 

③ ミュージックビデオ

アイカツアカデミー!のOP主題歌に相当する『満開!エリオント』のような新規楽曲や、カバー楽曲のミュージックビデオ(リリックMV)。現在は『満開!エリオント』と『アコガレスカイ』の新規楽曲二曲に加え、カバー楽曲の『Pretty Pretty』がアップされているため、現状のペースなら新規・カバー楽曲がそれぞれ月一ペースでアップされていくと思われる。 

新規楽曲については(当然といえば当然なのだけれど)配信内での言及が多く、いずれもアイカツ!らしい魅力的な楽曲に仕上がっているので、見かけ次第聴いておくのがオススメだ。 

(『満開!エリオント』については、同楽曲楽曲の好きなところを「絵で表現する」という配信があり、非常に面白かったのでこれまたオススメ。和央パリンの「ほんとに恐怖なんだよねみえるんの絵って」発言の真相をその目で確かめよう!)

 

 

④ ライブ (ステージ) 配信

2024年8月31日に配信された「フレッシュアイドルフェス」のような、ライブステージの配信動画。配信部が、彼女たちの世界にあるイベントに参加している模様がYouTubeで生配信される……という配信で、縦軸エピソードに相当するためか「デミカツ通信」の括りで配信される。 

(フレッシュアイドルフェスは「デミカツ通信#7」のナンバリングで配信された)

 

内容はさながら「イベントの生中継」で、上記のフレッシュアイドルフェスは「冒頭と歌の合間で配信部三人のMC」「オリジナル楽曲とカバー楽曲、計四曲の歌唱」「最後の挨拶」というシンプルな構成。 

配信部の「アイドル」としての魅力がぎゅっと詰まっているため、これからデミカツに触れるという方にもオススメできる配信で、デビューしたてとは思えないハイレベルな歌唱は勿論、モーションキャプチャー製CGであることを忘れてしまうほど滑らかな表情・ダンスも大きな見所だ。 

……しかし、このライブ (ステージ) 配信には「他の配信 (特に、各メンバーの個人配信) を履修した上で見ると、その輝きが何十倍にも膨れ上がる」という隠れギミックもあったりする。詳しくは後述。

 

 

⑤ その他

 

メンバーシップ限定動画など、上記①~③のいずれにも該当しないもの。メンバーシップの特典は現状さほど多くはないけれど、プレス向けに実際に行われた(ように見えるが、真偽の程は不明)記者会見動画では、配信部のキャラクターデザインを務めた方々からのコメントが当人たちの目の前で読み上げられるというレアなシチュエーションを見ることができる。記者会見の段階から難易度の高いアドリブを求められてしまった和央パリンの奮闘ぶりは必見……!

 

 

配信部メンバー紹介

 

① 姫乃みえる

三人がそれぞれ主人公とされているアイカツアカデミー!配信部の「代表」にあたるアイドルで、デザインは『アイカツスターズ!』のキャラクターデザインを手掛けた愛敬由紀子氏。口癖の「えぇ、えぇ、えぇ」と「……ネ!(高音) 」がとても面白……じゃなくて可愛い。 

イメージカラーのピンクやハートマークがふんだんにあしらわれたキュート系のビジュアルや、人一倍強いアイドルへの憧れ、天然なところもあるけれど、それ以上に生真面目で真っ直ぐな努力家――と、一見すると歴代主人公の系譜を受け継ぐ「正統派アイドル」な姫乃みえる。しかし、彼女の真髄はそんな正統派っぽい雰囲気から飛び出す「キャラの濃さ」にある。以下、そんな彼女の濃さ、あるいはイロモノぶりを裏付けるトピックの一例。

 

 

・「絵が得意」と豪語している通り、確かに絵は上手い……のだが、アドリブで絵を描くと途端にホラーゲームに出てきそうな呪物を生み出し始める(狙って描いている訳ではないようで、描きながら「このままだとホラーになる」と察して急遽軌道修正を始めたり、逆にヤケになって突っ走った結果とんでもないカオスを生み出したりする)  

・上記の点にツッコミを入れると軽く圧をかけてくる  

・自身で切り抜き動画を作成したり、他二人に比べて配信前の余興が凝っているなどエンタメの追求に余念がなく「前世がいるのでは?」と疑われているGoogleで検索するとその手のサジェストが複数出てくる)  

アイカツ!シリーズの極まったオタクらしく、語らせると本物の「オタク早口」が始まる  

・特に『アイカツスターズ!』の限界オタク説が濃厚で、好きな楽曲に『MUSIC of DREAM!!!』を挙げたり好きなアイドルに騎咲レイを挙げたりしているが、騎咲レイを好きな理由については徹底的にはぐらかしており「単純に中の人の性癖なのでは」と囁かれている  

・ダウナーなイケボに定評があり、第2回の歌枠配信ではAdo氏の『ギラギラ』を熱唱、リスナーを震撼させた(需要があることに気付いたのか、最近は動画内でイケボを披露することが明らかに増えている。やはり騎咲レイのオタク……?) 

セミの鳴き真似にも定評がある  

・素なのかどうかは不明だが、ごく希に一人称が「僕」になる  

・全体的に表現が個性的で、油断すると「更地にする」「頭をこねくり回す」など、悪いインターネットに浸かっていないと出てこないタイプの語彙が飛び出す (それを謎のお嬢様言葉でカバーするまでがテンプレ)  

コメント欄にイジられ倒している  

マシュマロでもイジられ倒している (答えが用意されていないなぞなぞ) (ユリカ様ー!!!!) (ぽい) (誰がぷよぷよさんですか) (真っ当な相談で逆に慌てるみえるん) 

名前もイジられ倒している (姫乃きえる) (姫乃こめる) (姫乃こまる) 

・メェ姉さんに高音ボイスで電話をかけるイタズラを試みたが、高音すぎた結果ノイズ判定され、ノイズキャンセリングで完全にカットされる(姫乃イズ) 

・「みえるって左利きだっけ?」「実は……両利きなんだ (キリッ) 」という返しをしたい一心で両利きトレーニングを積むも、早々に挫折  

・様々な罠を仕組んだ「はっぴぃすごろく」を作成、三人でプレイした結果「仕組んだ罠のほぼ全てを自分自身で踏み抜き最下位になる」という空前絶後のフラグ回収を達成する

 

……と、このように多才な芸人ぶりと、「芝生の色って重要ですか」という座右の銘に象徴されるストイックさ、そして「アイカツへのひたむきな想い」が共存して生まれたのが姫乃みえるという未来のスーパーアイドルそのカッコ良さや面白さはとりわけ彼女の個別配信に顕著なので、気になる方は是非彼女のチャンネルを覗いてみてほしい。オススメは、上記のお手製切り抜き動画やおえかき雑談、そして彼女のイジられ映えが詰まりに詰まった『第1回マシュマロ収穫祭』。彼女の魅力は一度味わったらクセになること請け合い……!

 

(彼女が『スタートライン!』と『MUSIC of DREAM!!!』の関係について語ったり、騎咲レイに対する感情を垣間見せたりする貴重な配信!)

 

② 真未夢メエ

アイカツアカデミー!のゴシック枠で、「ふふふ」とはっきり発音して笑うのが可愛い自称お姉さん。キャラクターデザインは『アイカツ!』でお馴染みのやぐちひろこ氏。 

魔界からやってきたらしいゴシック+クール系美少女、という触れ込みのアイドルなのだけれど、その実態は配信部随一のポンコツふわふわ癒し枠。たどたどしい滑舌や頻繁に出る訛り、テストプレイ済みのゲームが実質初見実況と化すほどのポンコツぶりなどその例は枚挙に暇がなく、中でも高い人気を誇るのが(なぜか)三人中ダントツで多いPCトラブルで、その際に発する「と"お"し"て "ぇ"~~~!!!!!」「な"ん"て"た"よ"ぉ"~~!!!!!」という悲鳴は滋養強壮に効くと専らの噂。  

……尚、本人はこのトラブルの多さを相当気にしているようで、配信中にPCが落ちる現象の対策として「配信前にPCを落としておく」という分かるようで分からない手を打った結果、本当にPCトラブルを防ぐという伝説を打ち立てたりもしている。  

 

 

そんな彼女の愛され・癒しスキルは先生方(=事務所の方々)も早々に察していたらしく、彼女の個人配信は「早朝の雑談配信」や「ラジオ」などほのぼのとしたものが多い。その中でも名物となっているのが、彼女の出身地とされる「魔界」のエピソード。 

というのも、彼女は「前世が羊の、魔界からやってきたアイドル」を自称しており、それだけ聞くと『アイカツ!』のゴシック枠こと、徹底的なキャラクターの作り込みぶりで名を馳せたユリカ様=藤堂ユリカを思い出すけれど、メエ姉さんは「異様な作り込みの甘さが魅力」というユリカとは真逆の存在。 

まろびでる方言を「魔界訛り」と、東京にやってきたことを「人間界にやってきた」ではなく「上京」と表現したり、「料理が信じられないほど下手な母親」のエピソードがフリートークの定番と化していたり、魔界にいた頃のアルバイトが「新聞配達」だったりと、彼女の魔界エピソードはその全てが信じられないほど緩くローカル。のんのんびよりかな?  

そんな緩さまみれのメエ姉さんだけれど、歌枠ではゴシック繋がりで『タルト・タタン』を歌唱したり、憧れのアイドルとして大空あかりを挙げたりとアイカツ!』、特にあかりGenerationに深い思い入れがある模様。最初は不慣れだったMCがメキメキと上達していたり、お姉さんとしてみえる&パリンをまとめる機会も増えていたりと、まさに大空あかりのような「その成長ぶりを見守りたいアイドル」だ。

 

(ラジオでリスナーの悩みに真摯に寄り添ったり、歌う時にはクール系な美声を発揮したりと、キメる時はしっかりキメるのもメエ姉さんの大きな魅力。件の『タルト・タタン』はこちらの動画から!)

 

③ 和央パリン

アイカツプラネット!』のキャラクターデザインや他シリーズの作画監督として、シリーズに度々携わられている宮谷里沙氏がデザインを務めた、配信部で最も声がデカく (重要) 、笑い声もデカく (重要)男の子には「少年」と呼び掛ける (超重要) デミカツのポップ担当。愛称は「パリンたん」だけど、後述の理由から「パリンさん」と呼びたくなってしまうアイドルだ。 

カラフルな色使いにギャルみを醸し出すアクセサリーなど、その派手さから「デミカツのおもしれー枠」と予想されており、実際に初回からロッカーに引きこもるというとんでもない事件(パリン立てこもり事件)を引き起こすなど、その期待に着々と応え……るかと思いきや、蓋を開けてみればおもしれー枠はむしろみえるんとメエ姉さんの方であり、一方のパリンたんはむしろ常識人枠であることが明らかになっていった。  

暴走するみえるんやあたふたするメエ姉さんに代わって場を回すことは勿論、ゲーム配信というジャンルを踏まえて「どんなスタイルが見たい / 見易いか」をリスナーに相談していたり、マシュマロで寄せられた悩みに、普段の陽気さを捨てた実直・真剣なスタンスで回答したり、配信後にしょっちゅう一人反省会を行っていることがメエ姉さんの口から(本人に無許可で)明かされたり……。配信で度々「切れ者」ぶりを発揮していることからも、彼女は配信部におけるブレイン、ひいては大黒柱と呼べる存在なのかもしれない。

 

 

こうして、徐々にその見た目に反した印象を確立させていったパリンだけれど、実は初日の時点でこの未来を予感させる一幕があった。それが、初配信日に明かされた「憧れのアイドル=桜庭ローラ」という衝撃的なプロフィールだ

 

 

アイカツスターズ!』におけるもう一人の主人公=桜庭ローラ。彼女は涙の数だけ強くなる不屈のアイドルにして、同作が謳う「自分らしく在ることの大切さ」を体現したキャラクターの一人でもある。そんなローラに「特に個性的なビジュアルを持ち、真面目で内省的な」パリンが憧れていることには確かな説得力があるし、好きなアイカツ!楽曲として『スタートライン!』を挙げる点が、そんなパリンのアイデンティティーを裏付けているようにも思うのだ。  

他にも、パリンは夢・目標として「みんなを照らす太陽になる」ことを掲げていたり(アイドル活動の原点であるソレイユのことを指しているかもしれないが「みんなを照らす」というフレーズやスターズ!への思い入れを加味すると、ソレイユではなく虹野ゆめのことを指しているのかもしれない)、2024年8月18日にYouTubeアイカツ!チャンネルで配信された『劇場版アイカツスターズ!』の長文感想をXに投稿していたりと、アイカツスターズ!という作品に(みえるとはまた違った意味で)非常に強い思い入れを持っている様子。そんな彼女がこの先どんな道を切り拓いていくのか、是非末長く見守らせてほしい……!

 

(パリンたんが『スタートライン!』と、スターズ!のとあるレア楽曲を歌った貴重な配信。終盤のとある一幕には彼女の「らしさ」が詰まっており、心なしかアイカツスターズ!の息吹を感じさせるものでもあった。デミカツだからこそ生まれた必見の配信だ)

 

デミカツへの「ド正直な」感想

 

ここまでデミカツの解説・紹介を長々と書いてきたけれど、では自分は実際にどう楽しんでいるのか、どう感じているのか……というのを、自分自身の備忘録も兼ねて書き残しておきたい。

 

① 楽しいし面白い(小学生並みの感想)

 

初っ端から身も蓋もないことを言っている自覚はあるけれど、なんだかんだでこの一言に尽きてしまう。いや忖度じゃないんですって! ホントに!! 

確かに(現状は)各配信に作品としての具体的なストーリーがある訳ではないし、ライバルがいる訳でもないし、挫折と克己のドラマがある訳でもない。テレビアニメの『アイカツ!』シリーズと同じものを求めるのであれば「何かが違う」と感じてしまうのも理解できるけれど、夢に向かって様々な試みにチャレンジし、その中で少しずつ成長していく彼女たちの毎日は紛れもなく「アイカツ」であるし、それをリアルタイムで見守り、時には自ら応援できる……というのは、これまでのシリーズにはなかったデミカツならではの強みと言えるだろう。  

(何せ手探りの企画だろうし、本格的な調整は評判・反響を踏まえて徐々に行われていくはず。それまではこちらも暖かく見守っていきたい……!)

 

しかし、何より重要なのはそんな堅っ苦しい理屈ではなく、彼女たちの配信が純粋に「面白い」ということ。  

前述の通り、配信部に集っているのはそれぞれ個性的で「喋っているだけで面白い」という面々。そんな彼女たちがラジオやらゲーム実況やらに挑むのだから盛り上がるのは当然で、企画や場回しに不馴れな点があっても、それらは「その後の成長」や「思わぬアクシデント」として回収されていくので無問題。なので、結果的にデミカツの配信はその全てが「面白い」と言えてしまうのである。無敵コンテンツか……???  

(VTuber系コンテンツは皆そうなのかもしれないけれど、バラエティに顕著な「段取り感」を排しつつ、アニメでは味わえない「生の臨場感」を「アニメのビジュアルで摂取できる」……というのは、まさに各メディアのいいとこ取りと言えるかもしれない)

 

 

②「ラジオ (作業用BGM) 」として大活躍

 

デミカツは一週間あたり約9本(1人2~3本+デミカツ通信など)の配信があり、それぞれの配信が15分~1時間ほど。一見凄まじいボリュームに感じるし、自分も最初は「追いきれない!」と感じたのだけれど、2024年8月29日現在、なんだかんだでほぼ全ての配信を追えてしまっている。それはおそらく(配信それ自体の面白さは勿論として)自分が「一人暮らしの社会人」だということが大きな理由であるように思う。 

デミカツの配信は、前述の通りその内容が内容なので、肩の力を抜いて気軽に、それこそラジオのように楽しむことができるものばかり。で、一人暮らしの自分にはそんな動画がとてもありがたい。 

というのも、朝起きてから会社に行くまで、帰宅してから眠るまで、あるいは休みの日に家事をしている間……など「気軽に流せるコンテンツ」が必要な時間はごまんとある。そんな時にこのデミカツはまさにうってつけで、今や自分の生活において欠かせないものになってしまっているのだ。これからも末長くよろしくお願いしますッ……! 

(これまでは、好きな実況者の「自分がプレイ済みのゲーム」の実況動画を探して垂れ流したり、アニメのラジオを聴いていたりしていたのだけれど、どちらもストックが尽きかけていて困っていた。ありがとうデミカツ!!)

 

 

③ 過去作要素が「ちょうどいい」

 

自分は2022年末に『アイカツスターズ!』からシリーズに入った新参者で、現在は『アイカツ!(あかりGeneration)』と『アイカツフレンズ!』を見ている真っ最中。そんな自分にとって、デミカツの過去作要素は凄く「ちょうどいい」塩梅だ。 

というのも、デミカツは「過去作への導線」になることも意識しているのか、各作品の楽曲やキャラクターへの言及こそあれ核心に迫る発言は(おそらく)意図的に避けており、結果「デミカツで言及されたから」「デミカツでこの先触れられるだろうから」「デミカツで聴いた楽曲が良かったから」と、デミカツをきっかけに様々な切り口で過去作品に入っていくことができる。ファンにも新規層にも嬉しい、アイカツ!復活作として限りなくベストに近いスタンスと言えるのではないだろうか。 

(かくいう自分も、本来は『アイカツ!(無印) 』の後に見ようと思っていた『アイカツフレンズ!』をデミカツの配信に備える形で並行して見始めたりしている。デミカツで触れていた楽曲が作中で聞けた時の感動は中々のもの……!)

 

アイデンティティ

アイデンティティ

  • ミライ from BEST FRIENDS!
  • アニメ
  • ¥255

 

④ ライブ (ステージ) 配信に見る、デミカツの「真価」

 

2024年8月31日。初回配信で行われた「お披露目ステージ」以来となる配信部のライブイベント「フレッシュアイドルフェス」が開幕。満を持して行われた配信部のステージは、デミカツの「真価」を示すに相応しいものだった。

 

 

「フェス」とは言うものの、フレッシュアイドルフェスはあくまで配信部によるライブステージ。つまり、その内容は前述の「お披露目ステージ」の延長のようなもの――の、はずだった。

 

 

別物だった。何もかもが。  

歌、ダンス、MC、表情。確かにそれら全てが大きく上達していたけれど、ステージを見て一番に感じたのは、それらへの驚きよりも「 “あの子達” が、アイドルとして輝いてる……!」という想定外の感動。 

というのも、お披露目ステージ時点での三人に対する印象は「VTuberっぽい、アイカツの新主人公たち」というもの。なので、ステージで歌やダンスを披露することに特別大きな驚き・感動がある訳ではなかった (楽曲の良さや “普段のCGモデルでステージをする” という衝撃や、新たなアイカツの始動に立ち会えているんだな、という感慨は大きかった) 。 

しかし、この1ヶ月、自分はいろんな……それはもういろんな配信部の姿を見てきた。コメントやマシュマロにイジり倒されたり、PCトラブルで悲鳴を上げるのがお馴染みになっていたり、自分の失敗を悔やんで反省したり。これらの配信を経て、自分は配信部の三人も私たちと変わらない「実際にこの世界で生きている、ごく普通の人間」であることを実感させられていた。その上で、今回のステージである。 

サプライズ披露されたメエのメイン曲『Peek-A-Boo‼』の衝撃は、普段のほのぼのとした空気感を知っているからこそ凄まじかったし、みえるたちの先輩方に対する思いを知ったからこそ『ダイヤモンドハッピー』を歌う覚悟の重さが感じられたし、そして何より、彼女たちが日々たくさん笑い、悩み、失敗し、それでもと肩を組んで頑張ってきた「普通の女の子」であると実感できたからこそ、パリンたちのことを全力で応援せずにはいられなかった。一つ一つの日常 (配信) の積み重ねによって、フレッシュアイドルフェスのステージに立つ「アイドル」としての三人が、決して当たり前でない「かけがえのない努力の結晶」だと確かに感じられたのである。  

思えば、このような「普通の女の子が、友情と努力によってアイドルに成る」という物語も、それが「日常とステージが両方揃って初めて完成する」ことも、その根底に「憧れと継承」があることも、全ては歴代のアイカツシリーズが受け継いできたイズムと呼べるもの。 

違いがあるとすれば、それは主人公=配信部の三人が、星宮いちごたち歴代のアイドルから輝きのバトンを受け取った「現実に存在するアイドル」であること。つまり、アイカツアカデミー!配信部とは「VTuber」という形を得て具現化したアイカツ!イズムそのものであり、紛れもない「新時代のアイカツ!作品」と呼べるのではないだろうか。

 

SHINING LINE*

SHINING LINE*

 

デミカツの現状分析 - 今後に対する不安

 

べた褒めにべた褒めを重ねてきたデミカツだけれど、一方では大きな不安を感じている部分もある。このコンテンツの「今後」についてだ。

 

 

パシフィコ横浜で2024年8月に開催された、少女まんが誌「ちゃお」と「りぼん」による日本最大級のガールズイベント「ガルフェス」。こちらにアイカツアカデミー!が出展したところ、なんと他ブースに比べても圧倒的な賑わいを見せ、物販も完売が続出。児童層の動員も数多く見られたのだという。 

これだけ聞くと大成功、好評を博していると言えそうなデミカツだけれど、不安なのがYouTubeにアップされている動画の再生数。2024年8月29日現在の状況をざっくりまとめてみると、下記のようになる。

 

【デミカツ通信】
第1回 (7月27日配信)  = 120000回再生
第6回 (8月24日配信)  = 7000回再生  

【歌枠配信】
姫乃みえる #1 (8月4日配信) = 28000回再生
姫乃みえる #2 (8月23日配信) = 9700回再生  

【ミュージックビデオ】
満開!エリオント (7月27日配信) = 150000回再生
アコガレスカイ! (8月3日配信) = 48000回再生  

自分はYouTuberやVTuberに詳しくないので、再生数の「相場」のようなものは分からないのだけれど、これらの数字やその推移にはどうしても大きな不安を感じてしまう。初回特有のブーストや、配信からの経過時間など様々な要因が絡んでいるとは思うものの、もしこのまま再生数の減少が止まらなかったら……と思うと気が気でない。アイカツ!シリーズの今後に大きな影響が出るのは避けられないだろうし、何より、配信部の三人が悲しい結末を迎えるところなんて絶対に見たくない。 

……けれども、この再生数の減少には正直心当たりがなくもない。原因があるとすれば、それはおそらく内容(動画の内容や配信部の魅力)の良し悪しではなく「配信ペース」なのではないだろうか。

 

 

前述の通り、デミカツの配信ペースは「一週間あたり約9本(1人2~3本+デミカツ通信など)」で、それぞれの配信が15分~1時間ほど……とかなりのボリューム。まずもってこのスケジュール自体が多くの視聴者をふるいにかけてしまっていると思うのだけれど、中でも顕著だったのがこちら。

 

 

注目すべきは「7/28 (日) 」という日付。そう、デミカツ通信#2は、アイカツアカデミー!の初回配信である7/27 (土) の翌日に配信されたのである。  

夏休み期間最初の土日、それも20:00~21:00というゴールデンタイムを両方ともデミカツに費やす、というのは流石に敷居が高いし、ここでどちらか片方でもリアルタイム視聴できなかったファンには「アーカイブで1~2時間の動画を見なければ追い付けない」という重いタスクがいきなり降りかかったことになる。 

初回からこのスピード感では「付いていけそうにない」とさじを投げてしまう方がいるのも無理はないだろうし、事実、デミカツ通信#1の再生数が120000回であるのに対し、デミカツ通信#2の再生数は40000回とその数値を大きく落としてしまっている。

もしここがデミカツの展開における致命傷だったとするなら、この先巻き返しを図ることはできるのだろうか。もし更なる展開として「新キャラクターの追加」などが行われた場合、ただでさえ凄まじい配信ペースがより苛烈なものになってしまうのではないか……等々、不安の種は尽きそうにない。しかし、チャレンジングな企画である以上、製作陣もこのような事態は十分に想定していたはずだし、VTuberの相場から見たら実はそんなに心配するような状況ではないのかもしれない。どうかそうであってほしい。 

ともあれ、ここであれこれ考えていても結果は変わらないし、自分のようなファンにできることがあるとすれば、それは彼女たちへの「応援」をおいて他にない。どうか、彼女たち三人のアイカツがこの先も末長く見れますように……!!  

(もう一つの大きな懸念点として挙げられるのが「デジタルカード」の存在。カードの展開を行ってくれるのはアイカツ!シリーズのファンとして非常に嬉しいのだけれど「1枚200円でダブりあり」というのはデジタルカードとしてはやや割高に感じられてしまうところ。採算の都合もあるのだろうけれど、売れているのかどうか心配になる……)

 

 

おわりに - 配信部の「これから」

 

配信部三人が涙ながらにコメントを残し、まるでラストステージのような雰囲気を醸し出していたフレッシュアイドルフェス。しかし、デミカツは「ここが新しいスタートライン!」と言わんばかりに大量の供給を投下、そんな切ない雰囲気や諸々の懸念を見事に吹き飛ばしてくれた。

 

フェスで公開された新曲『Peek-A-Boo‼』のMV公開 (治安の悪い三人の姿や刺激的な歌詞でタイムラインが大盛り上がり中)

 

ドレスアップ (変身) BGM『Memories for tomorrow』を含むデミカツオリジナル楽曲の配信。

 

姫乃みえるが全てのフラグを回収して伝説となった三人配信 (これがフレッシュアイドルフェスの翌日に投下されるのがデミカツの味よ……!)

 

そして、フレッシュアイドルフェスの最後に予告された、シリーズでもお馴染みの展開を彷彿とさせる謎のイベント「Brand Muse Festival」……。 

このBrand Muse Festivalが11月開催と言われていることからして、デミカツはこの先も長期的な展望を持ってコンテンツを展開してくれる模様。ひょっとすると、前述した心配は杞憂でしかなく、デミカツは自分が思っているよりもずっと元気かつ賑わってくれているのかもしれない。

 

 

コンテンツとは往々にして、広がっていくほどに「新たに触れるハードル」が高くなってしまうもので、アニメの話数が多いアイカツ!シリーズはその筆頭と呼べる存在。その印象も相まって、デミカツに「今からだと触れ辛い」と感じている方も多いだろう。 

しかし、本作には事前知識も必要なければ「これを見なくちゃいけない」という必須配信もない。面白そうな個人配信を見て、気になったらデミカツ通信でこれまでの流れを追って、彼女たちに親しみが湧いたらステージの配信を見る。そんなふわっとした流れ・スタンスで楽しめるデミカツは、まさに「史上最も触れやすいアイカツ!作品」とさえ呼べるかもしれない。  

夢は見るものでなく叶えるもの。そんなメッセージを胸に突き進み、私たちの日常を彩ってくれるアイカツアカデミー!配信部。少しでも琴線に触れるものがあったのなら、試しに彼女たちの配信を覗いてみてほしい。それもまた、キラめくバトンを繋ぐアイカツ!に他ならないのだから。

感想『ゼーガペインSTA』- シズノ先輩へのデカすぎる愛に感涙。“ゼーガらしさ” 全開の正統続編〈ネタバレあり〉

自分は成人して久しいオタクだけれど、それでも未だに難しい話が苦手だ。 

シンプルに頭が付いていかないというのは勿論、聖書や神話、科学や生物の知識がある訳でもないので、シナリオ上の「当たり前」に置いていかれることもしばしば。結果、そのような要素が多く含まれるアニメに苦手意識が生まれてしまった……のだけれど、そこには当然いくつかの例外がある。その一つが、2006年放送のロボットアニメゼーガペイン

 

 

量子もつれを意味する「エンタングル」がキーワードであるように、非常にSF色が濃いアニメであるゼーガペインは、一方で主人公のソゴル・キョウをはじめ、哲学を引用するキャラクターが多いのも大きな特徴。言ってしまえば、このゼーガペインは文・理どちらの方面にも隙のない「凄く難しいアニメ」なのだ。 

事実、自分はこの作品を何周しても理解しきれていない。楽しみきれていないんだろうな、とも思う。けれど、自分のような「難しいことが分からない」人でもしっかり楽しめる作りになっているのがゼーガペイン。 

ホロニックローダーをはじめとする、先鋭的で美しいメカニックデザインや、タイムリープする水泳部に象徴される儚い青春模様。様々な魅力が溢れる本作だけれど、その中でも突出したものといえば、何といっても「こちらの予想を越えていく、衝撃的な展開の数々」だろう。 

「自分が生きていた舞浜は、サーバーの中に作られた仮想空間だった」という壮絶な仕掛けや、カミナギ・リョーコが辿る激動の運命など、本作のストーリーラインはどれか一つだけでも1クールアニメが作れてしまいそうな劇薬ばかり。それらが交わり、重なっていくダイナミックかつ切ない物語は、本作がいかに周到なハードSFかを理解できない自分のような人間でも十二分に楽しめるものだった。 

つまり、ゼーガペインの面白さ……あるいは「ゼーガペインらしさ」とは、その難解なSF設定そのものというよりも、精緻な背景に裏打ちされた「こちらの予想を越えていくストーリー」なのではないか、と思うのだ。

 

 

そんな感情を後押ししてくれたのが、本作の再編集作品であるゼーガペインADP。テレビシリーズでは既に消滅していたキャラクターが多数登場して物語を繰り広げる「過去編」としての旨味を順当に押さえつつも、本作最大の面白さと言えるのはその構成。 

というのもこの作品、前述の通り「テレビアニメ版の再編集映画」でありながら「過去編」になっている。なぜなら、ゼーガペインは所謂「ループもの」なので、テレビアニメ版の映像をベースに新規映像を加えることで、なんと過去編が作れてしまうのである。そんなのってアリ!?!? 

(ただ、テレビアニメ版の映像をベースにしてしまったせいで「キョウの性格が自爆前後で違う」という設定が自壊し、シズノ命名シーンなどに違和感が生まれてしまったのが何とも惜しいところ)

 

して、そんなゼーガペインから18年、ゼーガペインADPから8年が経過した2024年8月16日、遂に待望の「最終回後の物語」……のような気配を漂わせる新作映画『ゼーガペインSTA』が公開。 

ゼーガペインなので「絶対何かあるだろう」と思い、極力前情報を入れない状態で、台風に怯えながら公開初日に鑑賞。以下、その感想 (ネタバレあり) になります。ご注意ください!


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引用: ひとシネマ「ゼーガペインSTA」

 

正直、開始直後は不安の方が強かった。90分尺というのは上映時間から分かっていたのだけれど、最初に始まったのは『ゼーガペイン』テレビアニメ本編と『ゼーガペインADP』を繋ぎ合わせた総集編。続編のイントロとして前作群の総集編を流す、というのは気が利いていて好きな方式だし、その映像自体は感服モノの公式MADだったのだけれど、こんなに時間使って大丈夫!? という焦りも大きく……。

 

 

そして、そんな焦りはここから更に積もり積もっていく。 

テレビアニメ最終回、リザレクションシステムで実体を取り戻したハズのキョウが再びサーバー内空間にいることで「最終回やエピローグ後の話じゃなくて、本編内の外伝か……?」と思ってしまったり、既に総集編を流しているのに、その上で「キョウの記憶が蘇る」シーンでダイジェストを挟んだり……。なぜかそこで復活するのが「自爆前」のものであることに違和感を覚えはしたけれど、その直後、突如始まるスクライドに意識を持っていかれてそれどころじゃなかった。

 

 

『STA』で初登場となる新キャラクター・オルタモーダたち。ガルズオルムの侵略で危機に瀕してキョウたちの世界にやってきた彼らが駆るのは、なんとロボットではなくクリーチャーめいたAIで、我らがソゴル・キョウはゼーガペイン・アルティールを模したアーマー、光対装備を装着して戦う! ……え、これ『ゼーガペイン』で合ってる!?


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引用:『ゼーガペインSTA』本予告 - YouTube

 

ここで「これはこれでカッコいいけど、自分の見たかったゼーガペインかと言われると……」と困惑と不安が押し寄せてきたのはおそらく自分だけではないと思う。しかし、そのことに再結集した『ゼーガペイン』製作陣が自覚的でない訳がない。事実、この違和感は全て計算づくの「仕掛け」だったのだ。  

というのも、ここまで登場していたキョウはなんと「自爆時に消滅したと思われていた」キョウその人、言うなれば「ADPキョウ」とでも呼ぶべき存在であり、彼が目覚めた舞浜は、元渋谷サーバーを用いた「冬メモリ」内で構築された冬の舞浜だったのである。そうそう、この「こちらの想像を斜め上に飛び越えていく」作劇、世界を引っくり返される衝撃こそがゼーガらしさ、自分が魅了されたゼーガペインなんですよ……! 

更に、この種明かしを経ると、途端にここまで見られた違和感にも筋が通ってしまう。夏ではなく「冬の舞浜」というのは、「終わってしまった」ADPキョウの状況を表しているし、まるで別のアニメを見ているような感覚だった等身大戦闘パートは、それこそ『ゼーガペイン』当時の「何が本当の世界なのか、自分が見ている世界は何なのか」という混乱を蘇らせる為の盛大な仕込み。ある種「見ている世界を信じるな」の再演とも言えるかもしれない。  

(オルダモーダたちが「ゲーム」という言葉を使っているのも、巧妙なミスリードだった。凄すぎる……!)

 

 

こうして、壮絶な「Re:ゼーガペイン」を見せてくれたSTAは、一方ではよりストレートな「続編らしさ」やファンサービスもしっかりと見せてくれた。 

ルーシェンやクリス、メイ姉妹は勿論、シマの後を継いだミナトやAIたち、ルーバADPで登場した新キャラクターたちも登場し、なんとあのアビスまでもが粋な形で再登場。台詞はないものの、クロシオやカワグチたちも揃って顔を見せてくれたのが嬉しいところだ。 

しかし、本作最大のファンサービスポイントと言えば、何と言ってもゼーガペイン・アルティールのパイロット (ガンナー/ウィザード) たち。中盤で実現した「ガンナー・リョーコ&ウィザード・シズノ」という待望のドリームタッグが実現しただけでも目を見開いてしまったのに、クライマックスではなんと「ADPキョウ&TVキョウ」という、文字通りのW主人公タッグが爆誕! あまりの前代未聞ぶりに、驚きとか感動を通り越してひたすら涙するしかなかった。これを前情報なしのサプライズとして浴びれて本ッ当に良かった……!!


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引用:『ゼーガペインSTA』本予告 - YouTube

 

本作は尺の都合もあってか、様々な設定に対する説明が非常に駆け足で、パンフレットを開いていない現状では、正直話の数分の一も理解できていないと思う。オルタモーダたちの存在がキョウのアナザーな気がする……とか、そんなテーマの根幹部分さえあまり飲み込めていないし、突如現れたアンチゼーガのこともよく分からなかった。エンドロールを見るに、もしかすると詳しい設定はパチンコゼーガペインで語られていたりするのかもしれない。 

普段なら、こういった突っかかりがあると作品全体の余韻が「消化不良」に落ち着いてしまうこともあるけれど、今回はそんな感覚は一切なかった。予想を越えていく「ゼーガペインらしい衝撃」を劇場で浴び、ADPキョウの背負った宿命に夏の終わりのプールを重ね、その上で、想像だにしていなかった激アツトンデモクロスオーバーをこれでもかと浴びることができた。ゼーガペインSTAは、まさしく自分が待望していたゼーガペインの続編を、何倍も何千倍にもブーストして生まれた、最高の『帰ってきたゼーガペイン』だった。おかえり、キョウ……!!

 

 

……ところで、この映画について何としてでも、ともすればキョウやオルタモーダの面々以上に語らなければならないキャラクターがいる。ミサキ・シズノだ。

 

 

ADPキョウのパートナーであり、生まれ変わったキョウを時に厳しく、時に優しく導き、最終的には新たな自分を確立したキョウを見守って戦ったシズノ先輩。献身的だけど不器用で、纏う色気やお姉さんオーラの割に寂しがり屋で、その出自に深いコンプレックスを抱えていて、キョウの遺志を継ぐかのように何もかもを背負い込み、責任感と危うさの間で揺れている……と、彼女は魅力的なギャップをこれでもかと詰め込まれたミス属性過多でありつつ、それが川澄綾子氏の儚さと大人っぽさを兼ね備えた演技で見事違和感のないキャラクターとして昇華されている奇跡的な存在だ。こんなん好きになっちゃうじゃん……!! 

しかし、彼女はそんな健気な頑張りに反し、生まれ変わったキョウのパートナーになることはできなかった。それは「繰り返しの中でも積み重なっていくものはある」と謳うゼーガペインにおけるある種の必然でもあり、シズノが愛したキョウはもうそこにはいない。そしてシズノもまた、キョウがいなくても自分自身の足で歩いていける強い女性へと成長することができた。思えば、シズノは「選ばれないことで、ゼーガペインのテーマを体現する存在として完成される」悲しきヒロインだったのだ。

 

リトルグッバイ

リトルグッバイ

 

……という、その理屈は分かる。でも、でもシズノ先輩には幸せになって貰いたい。作中後半でクリスと未亡人ペア (としか言いようがないよね!?) を組んでいたり、エピローグでリョーコが妊娠していたり……と、そういった画を見る度にどうしても胸が痛んだし、続編があるならどうにかシズノ先輩には幸せになって貰いたいと願って止まなかった。まあ、そんな贅沢な未来はどうせ来ないんだろうな……。

 

 

して、本作。メインビジュアルは勿論、予告のサムネイルにさえシズノ先輩がいる。これは期待して良いヤツですかい……!? と期待半分不安半分で見てみた結果、この映画、シズノ先輩への愛がハチャメチャにデカかった。  

本編の大人びた顔付きを踏襲しつつ、より華やかに美しくブラッシュアップされたデザイン・作画は勿論、リョーコより出番が多い厚遇ぶりに、僅かに登場する「ミサキちゃん」概念、からの、リョーコと組んだ際の「シズノ先輩」復活宣言! し、シズノ先輩が……すっげぇ生き生きしてるッ……!!

これらの時点で感謝感激雨あられだったのに、更に発覚する「ADPキョウの復活」という特大のサプライズ、そしてADPキョウ&シズノタッグの再結成!!  

ADPキョウとシズノの存在的な結び付きだとか、オルタモーダとの対称性だとか、最後の「エンタングル」の意味だとか、二人はどういう状況に落ち着いたのだとか、分からなかったこと/考えるべきことや込められたメッセージはたくさんある。その辺りはこれから開くパンフレットや各種コンテンツで追いかけていくとして、ここでは一旦、最後に一つ……二つ……いや三つだけ言い残して、潔く筆を置くことにしたい。

 

「シズノ先輩からADPキョウへのキス」を描いてくれて!!!!!ADPキョウとシズノの幸せな姿を見せてくれて!!!!!!!!!!シズノ先輩に心からの幸せを届けてくれて!!!!!!!!!!本当に本当にありがとうございました!!!!!!!!!!ゼーガペインSTA、最高ーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ディズニーミリしら成人男性 in 東京ディズニーシー、美味しいグルメと “推しとのツーショット” に崩れ落ちる

~これまでのあらすじ~

 

友人たちと20年ぶりにディズニーランドを訪れた結果、感動しすぎて10000字の感想文を書いた。

 

kogalent.hatenablog.com

 

それから約一年後の2024年7月31日、様々な紆余曲折 (某ウイルスに感染しないようにと祈りすぎた結果ストレス性胃腸炎寸前に陥ったり、アイカツスターズ!を見たらその胃腸炎もどきが治ったり) を経て、筆者は再び舞浜を訪れていた。目的は勿論東京ディズニーシー」!

 

 

ディズニーシーは20年間ご無沙汰だったディズニーランドに比べて訪れる機会が多く、比較的記憶も鮮明。色々と衝撃的だった前回を踏まえるとややハードルが上がってしまっていた――のだけれど、ところがどっこい杞憂も杞憂。今回のディズニーシーは、そんなこれまでの訪問とも前回のディズニーランドとも、なんならこれまで訪れたどの遊園地とも異なる未知のテーマパーク体験になっていた。 今回は、そんなディズニーシー探訪記、もとい「グルメとグリーティングの旅 in ディズニーシー」について書き残していきたい。

 

《目次》

 

ディズニーシー雑感 - 園内編

 

前回のディズニーランド探訪における発見の一つが、園内に配された「現実感を廃するこだわり」の数々。園外の風景を隠したり、目に見える景観から極力日本語を廃していたり、ひいては1デーパスポートというシステムそのものだったり……と、ディズニーランドは様々な工夫のおかげで初めて「異世界」たり得るんだなと、20年越しの納得と感動を得ることができた。 

して、そんな創意工夫はディズニーシーでも健在。前述のような工夫がしっかりと共有されているだけでもニコニコしてしまったのだけれど、一方で、園内の雰囲気にはどこかディズニーランドとは違う感覚 (ある種違和感のようなもの) もあった。歩きながら段々と分かっていったそれは、おそらく異世界」のディズニーランドに対し、「異国」のディズニーシー、という方向性の違いだろう。 

というのも、トゥモローランドトゥーンタウンといったエリアやイッツ・ア・スモールワールドなどのアトラクションに代表されるように、ディズニーランドは比較的「異世界に入り込む」という色が強いテーマパークだ。 

一方、ディズニーシーはそのような「異世界感」は抑え目で、代わりにプッシュされているのが豊かな異国情緒。アトラクションもセンター・オブ・ジ・アースやタワー・オブ・テラーなど、ファンタジーでこそあれ「ギリギリ我々の世界の延長にある」世界観を持ったものが多く、その感覚は異世界探訪というよりも「海外旅行」のそれに近いのかもしれない。国内にいながらできる海外旅行、お得すぎるのでは……???


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(ディズニーランドの異世界感とはまた違った魅力が詰まった風景の数々。自分は海外旅行に行ったことがないので、これらの景色一つ一つに大興奮だった)

 

また、ディズニーシーといえばその華やかな「水の都」ぶりも欠かせないところ。


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実際に水の都と呼ばれているヴェネツィアをモチーフにしたエリア「メディテレニアンハーバー (上記写真) 」があるように、ディズニーシーは園内の大半のエリアで「見渡せばどこかしらに水がある」という、テーマパークとしては極めて異質な構造になっている。その構造が、爽やかな景観や涼やかな空気感といった数々の魅力を生み出しているのは言うまでもないだろうけれど、ここで特筆すべきは「水の魅せ方が各エリアごとに異なっている」というその凝りっぷり!   

前述のメディテレニアンハーバーは運河、アメリカンウォーターフロントは漁村、ポートディスカバリーは科学の水都、ミステリアスアイランドは地下水脈、そして新エリアのファンタジースプリングスは魔法の泉……。水がテーマのエリア、というのは同じながら、それでも各所の個性が強く印象付けられるのは、このように個々の「水の魅せ方」が全く異なっているからなのだろうし、自分のような内陸の都会で暮らしている人間はそんな各エリアを巡っているだけで楽しくてしょうがなかった。やるじゃん、ディズニーシー……!!


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(今回撮った風景写真の暫定ベスト。水が多いと空や太陽も映えるので写真写りが良い……!)

 

ディズニーシー雑感 - アトラクション編

 

続いては、ディズニーリゾートのメインコンテンツことアトラクション! 今回は主目的が別にあったので「アトラクションはそこまで乗れないだろう」と思っていたのだけれど、同行してくれた有識者たちのおかげで五つものアトラクションに乗ることができた。凄いぜ有識者……!

 

 

その中で、今回新たな発見があったのがレイジングスピリッツとセンター・オブ・ジ・アース。この二つは以前にも乗ったことがあったのだけれど、久しぶりに乗ったことで改めて気付かされたのは「景色の良さを楽しむアトラクション」としての価値の大きさ! 

この二つは、いずれも最高到達点で園内を一望できるアトラクションなのだけれど、 異なる世界が渾然一体となったディズニーランドを一望した時とはまた異なる「様々なエッセンスが “水” で繋がっている」ディズニーシーの絶景ぶりは一瞬ながら凄まじかった。 

昼はレイジングスピリッツ、夜はセンター・オブ・ジ・アースに乗ったことで、昼夜それぞれのディズニーシーを味わえたのもたまらなかったし、それはそれとして、レイジングスピリッツで後ろの席から聞こえてくる「痛ェーーッ!!」という謎の悲鳴(アクセサリーのせいでダメージを受ける友人の悲鳴だった)と、色々あって両手を離して乗ることになったセンター・オブ・ジ・アースが想像の10倍くらい怖かったこともとても印象的な体験になった。良い子のみんなはちゃんとバーを掴もうね!!

 

 

そんな今回のアトラクションの中でも一際印象的……もとい衝撃を受けたのが、こちらの『ピーターパンのネバーランドアドベンチャー 』。 

このアトラクションは「整理券を取らなければ入れず、一度出るとその整理券が無効になる」という、テーマパークの一区画らしからぬ新エリア・ファンタジースプリングスの看板で、その内容はというと、さしずめ「ライドアトラクション版のスター・ツアーズ」あるいは「周囲がスクリーンになっているカートゥーンスピン」のようなもの。空や海上をピーターパンらと共に飛び回る感覚を「ライドアトラクション」と「その動きとシンクロする3Dムービー」によって楽しめる、没入感・臨場感満載の新感覚アトラクションだ。 

言葉にすると「そんなに新感覚か……?」と思われるかもしれないけれど、これが中々どうして凄まじく、「空から落下するシーン」では (垂直落下しているハズがないのに) スプラッシュマウンテンクラスの浮遊感を感じさせられたほど。ともすれば「ディズニーリゾート産アトラクションの集大成」と言っても過言ではないかもしれない。 

例によって細かな知識は不要、自分のようなピーターパンミリしらマンでも楽しめるように作られているので、今後もディズニーシーに行った際は是非訪れたいところ。ファンタジースプリングスに入り、かつ上手いこと優先券を取れれば、の話だけれど……。

 


グルメレポート in ディズニーシー

 

先程、アトラクションの項で「主目的は別にある」と言ったけれど、その主目的とは他でもない「フード&ドリンク」! 

「遊園地にフード&ドリンク目的で行く」と書くと中々クレイジーだし、数年前の自分だったら正気を疑うかキレ散らかすかしてしまうと思う。けれどディズニーリゾートは訳が違う。文字通り「別格」なのだ。

 

 

自分にそう思わせた一番の要因がこちらのチュロス。幼少期に食べて感動して以来これを越えるチュロスに出会えず「ひょっとしたら思い出補正だったのかも」という危惧が芽生えたりもしたけれど、前回のディズニーランドで食べてみたチュロスがま~~~美味しかった。特濃の味付けも絶妙のカリカリ感も記憶のままで、ポップコーンなど他のメニュー共々、自分に「ディズニーリゾートのメシは『美味い』」という事実をこれでもかと刻み付けてくれた。 

……そうと分かればッ!!! ディズニーシーの「美味いもん」堪能せずにはいられないッ!!!!!!

 

出撃

出撃

 

① ルックアウト・クックアウト

 

最初に訪れたのは、ファンタジースプリングス内のレストランで「ロストキッズたちが料理を振る舞ってくれる」というコンセプトのレストラン『ルックアウト・クックアウト』。


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看板メニューの一つ「ロストキッズスナックボックス(レモンティーチキン)」は、見ての通り「子どもが自分の好きなものを好きなように放り込んだ」という、謂わばディズニーリゾート流のお子さまランチ。お子さまランチが嫌いな大人はいねェ!(若干の矛盾) 

その内容はというと、チキンに「シュークリームのクリーム抜き」としか言いようのないバゲット、モチモチした磯辺揚げのような何か、バナナチップスに海老チップス……とまさに無茶苦茶、味もそれなりだったけど、この圧倒的な「ロストキッズが作りそう」感とお子さまランチ感がたまらない一品だ。 

一方、まさに王道な美味しさだったのが「ルックアウトブラウニー」と「ピクシーダストソーダ (キウイ) 」。特に後者はキウイシロッブとC.C.レモンを混ぜたような、一見ひどく酸っぱそうながらその実非常に上品な味わいで、厳しい暑さもあって無限に飲めてしまいそうな傑作ドリンクだった。(お値段合計2200円)

 

 

② ホライズンベイ・レストラン

 

お次はポートディスカバリーにある『ホライズンベイ・レストラン』。時刻はちょうど正午を回った辺りで、休憩も兼ねて入ったお店だ。その目的は「スパークリングドリンクナタデココ&フルーツ)」!


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自分はナタデココが大好物で、その上気候は灼熱地獄。飲む前から勝ち確のような状況だったのだけれど、いざ飲んだらその美味さは想像以上。というのもこのドリンク、ナタデココとフルーツ (いちご) の量が尋常でないのだ。 

この手のドリンクは往々にしてナタデココの量が少ない上に食べ辛い、ひどい時には「食べ辛さで量を誤魔化している」ものさえあるけれど、食べ物に妥協などしないのが我らがディズニー。このドリンクはナタデココといちごが氷の隙間にみっっっちりと詰まっており、そのボリュームたるや、付属のスプーン (スプーンが付いてるのがまずもって親切すぎる) を使って掻き出してもなくならないほど……! 

更に、そんなナタデココといちごを包むドリンクは「いちごベースのソーダ」という夏にうってつけの爽やかなもの。カクテルのような上品な風味は勿論、何より「味が濃すぎないので、ナタデココと苺の風味や食感をむしろ引き立たせている」という点が100点満点。シンプルなメニューではあるけれど、お値段以上のお得さと美味しさが嬉しいこの夏必携の一品だ。(お値段合計1250円) 

(ちなみに、一緒に頼んだライムゼリー&ヨーグルトムースも、ムースを「クリームと食べる前半」と「ライムゼリーと食べる後半」の二タイプで楽しめる美味しいデザート。こういうちょっとしたメニューも満足感が高いのは流石のディズニー……!)

 

 

③ テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ

 

アメリカンウォーターフロントに停泊している客船「S.S.コロンビア号」の中に設けられたラウンジ。自分のようなインドア派のオタクにとっては「船の中に入れる」というだけでもテンションが上がるのに、その中に設えられたバーでお酒を楽しむ、だなんてアニメかドラマめいたシチュエーション、楽しくないはずがないのよ……! とウキウキで乗り込んだところ、中にはしっかりバッチリ期待以上の光景が広がっていた。


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じ、事件起こりそ~~~~!!!!!!(オタク脳) 

と、船内の話はさておき。主題はここで飲むことのできるドリンク!ちょっとお値段は張るものの相応に良いお酒が楽しめるとのことなので、まずはカクテルのアマレットジンジャーを注文。


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杏仁由来のリキュール・アマレットはアルコールに弱い自分でも飲める数少ないお酒なのだけれど、それにしたってここのアマレットジンジャーは飲みやすかった。先入観がそうさせるのかもしれないけれど、お酒としての程好い苦味がありつつも、アルコール特有の「脳に刺さる感覚」がなかったのはそれだけ良いお酒だったということなのかもしれない。こういうお酒ならなんぼでも飲むんですけどね! 

とはいいつつも油断は大敵、アマレットジンジャーの後に頼んだのはノンアルコールの「スペシャルドリンク」。こちらは午後の紅茶、紅茶ゼリー、クリームチーズホイップ、アーモンド、シナモン、コリアンダーをミックスしたというあまあま激甘ドリンク……かと思いきや、これが中々どうして飲みやすく上品な逸品だった。 

それもそのはず、よく見てみるとこのドリンクは「ベースが紅茶」「ホイップクリームではなくクリームチーズ」「香り付けはシナモン&コリアンダー」と、素材が絶妙に甘すぎない+主張しすぎないものばかりで、その結果、まろやかなコクとさっぱりした飲み心地が見事に同居しているのである。ノンアルコールカクテルとしては結構なお値段 (1200円) だけれど、その甲斐がある美味しい一杯だ。(お値段合計2300円)

 

 

④ ヴォルケイニア・レストラン

 

夕食は、ミステリアスアイランドにある中華レストラン『ヴォルケイニア・レストラン』にて、看板メニューの「ヴォルケイニアセット」と海老チリを注文。


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予想以上に辛いものの、予め揚げてあることもあってかホクホクでジューシーだった海老チリや、マンゴーゼリーと一体化した新感覚の杏仁豆腐も美味しかったのだけれど、驚かされたのは前菜の「ラー油と黒胡麻ソースの水餃子」と、メインディッシュの「海老と帆立貝の冷製香味和えそば」! 

自分にとって四川料理とは「濃厚かつスパイシーなのは好きだけれど、辛みやクセが強くて楽しみ切れない」、要は「好きだけど苦手」という悩ましい存在。ところが、この水餃子と和えそばはまさにそんな四川料理の良さを抽出・凝縮したもの、謂わば「食べやすい四川料理」! マイルドな辛みとガツンと来る旨味の絶妙なバランスで、度重なる買い食いをものともせずにペロリと平らげてしまった。大がかりで値段もそれなりのメニューだけど、これはまた食べたい……ッ!(お値段合計3160円)

 

 

⑤ 各種食べ歩き

 

レストランやバーでしっかり食べ飲みするのも楽しいけれど、ディズニーリゾートといえば雑多な買い食いも魅力的。今回も、園内で折に触れて三品ほど買い食いをすることになった。 

ファンタジースプリングスではローストビーフ味のポップコーン (思った以上にちゃんと「ローストビーフ」の味わいで驚き。騙されたと思って食べてほしい!) 、入り口付近ではマカロン (チョコ味。何とも言えない不思議な食感から来る満足感が美味しいんだ、マカロン) をそれぞれ購入したけれど、今回の主役はやはりギョウザドッグ


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チュロスと並んで、幼少期の自分に「ディズニーのフードは美味い」というイメージを刻み付けた存在ことギョウザドッグ……が、約20年ぶりぐらいに……食べれたッ……!! そしてちゃんと (?) 美味しかった!!!! 

自分は元々肉まんが大好きなのだけれど、肉まんの弱点と言えば「皮しか食べられない」タイミングが多々あること。ところが、このギョウザドッグはその形状のおかげで、最初から最後までほぼずっと「中身」がある状態で食べることができる逸品。更に、ギョウザのスパイシーで濃厚な味わいはボリューミーな皮とも相性抜群だ。えっ、このフード、完璧すぎ……!? 

その上、このギョウザドッグはお値段たったの600円。安くはないけど、その美味しさと「ここでしか食べられない」希少価値の代金と思えばお得もお得! ディズニーシーのナンバーワンマストバイ商品、これかもしれねェ……!!

 

 

して、ここまでの総額は 

・ルックアウト・クックアウト=2200円
・ホライズンベイ・レストラン=1250円
・テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ=2300円
・ヴォルケイニア・レストラン=3160円
・食べ歩き=1210円

 

……。

 

il vento d'oro

il vento d'oro

 

コミュ障成人男性VS「グリーティング」

 

園内の情景やアトラクション、そしてフード&ドリンク。本当なら、これが今回のディズニーシーで満喫する「全て」になるはずだった。 

ところが、そんな油断に影がさしたのか、はたまた単なるビギナーズラックなのか、入園直後、道中の広場にて「それ」は現れた。


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エッッッ!?!?!?初手デールさん!?!?!?!?!?!?!?!? 

ディズニーミリしらの自分が唯一「好き」と明言できるディズニーキャラクターのチップ&デール。ディズニーランドでもパレードでその姿を目にしていたけれど、まさか開園早々に初手で出会えるだなんて……! 

しかし、ここで問題が発生。写真の撮り方が……分からない!!!!

 

 

「キャラクターと写真を撮る機会」といえば、自分にとってはウルトラマン。しかし、お金を払って写真を撮るシステムが出来上がっているウルトラマンと違い、ディズニーキャラクター (のうち、ミッキーなど専用のフォトスポットを持たないキャラクター) たちは「○○すれば写真を撮れる」という確たるルールがない。 

つまり、あの手この手を尽くし、空気を読み、キャラクター側からのアプローチを誘い、それが「来た」タイミングがキャラクターとお付きのスタッフ、周囲のゲストさんに迷惑のかからない状況であるならば、そこで初めて「お写真いいですか」と切り出すことができる。そして、その言葉が了承されることでようやく「写真を撮る」ことができるのである。む……難しすぎるわ!!!!!!!! 

(ちなみに、お子様は無条件かつ最優先で写真を撮って貰えるので、細かいあれこれを考えることは不要とのこと。それでこそ夢と希望の国よ……!)

 

そんなルールを知らないのは勿論、しかも自分はド陰キャのコミュ障成人男性。入園早々にデールと遭遇するという不意打ちで半ばパニックになっていたこともあり、お写真いいですかのおの字も言えないままにデールは退場。「まあ、見れただけでも御の字よ!」とこちらも退散しつつ、その約1時間後、アメリカンウォーターフロントでなんとまたしてもチップ&デールと遭遇。もしかして今日ってチップ&デールの日なの!?

 

 

その時はタイミングが悪く、チップ&デールは遭遇直後に退場。またしてもシャッターチャンスを逃してしまったのだけれど、ここで「今日はチップ&デールがよく現れる日」の可能性が濃厚になったため、ディズニー有識者の友人たちが写真を撮るコツについて教えてくれた。曰く、キャラクターのアイテムを身に付けて「好きですアピール」をすることが重要なのだという。 

前述の通り、大人がキャラクターと写真を撮って貰うためには「キャラクターから目を付けて貰う」「写真を撮って良いか切り出す+了承される」というステップが必要。最難関はやはり前者で、キャラクターに群がる群衆の中から「周囲に迷惑をかけないように」自分を見付けて貰う=ファンです(写真を撮りたいです)というアピールをする必要があるのだ。 

そこで欠かせないのが、キャラクター縁のアイテムである「チャームやぬいぐるみ」。要するに、ディズニーリゾートにおいては「キャラクターグッズをどれほど身に付けているか」が「キャラクターと写真を撮れる確率」に直結するのである。課金制のソシャゲかな?????

 

 

そんなアドバイスを受け、自分も早速土産屋で気に入ったグッズを購入。もうチップ&デールと会えない可能性もあったので、アピールパワー (?) 抜きでも欲しいと思えるこちらのチャームを購入。いつでも「チップ&デールが好きです!!!!」アピールができるようバッグに付けながら園内を回っていると、アメリカンウォーターフロントの漁村エリアでまたもチップ&デールと遭遇。(パニックで細かな記憶がないのだけれど) どうにかこうにかデールに目を付けて貰い、運命の瞬間が訪れた……ッ!

 

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左側にいるれんと「こんにちは (頭を下げる) 」

デール「……」


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デール (ぺこり)


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右側にいるスタッフ「凄い丁寧な挨拶だね…… (苦笑)」
デール (わかる)

れんと「お……お写真撮らせて貰ってもいいですか!?」


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デール (首を振る)

想定外の返答に崩れ落ちるれんと「クソォ……ッ!!」


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デール (爆笑)


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デール (ウソウソ、撮っていいよ)
れんと「ありがとうございます!!!!」


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と、撮れた~!!!!!!!!!!!!

 

正直、言葉にならないくらい嬉しかった……ッ!! いたずらっ子のチップ&デールからちゃんと「いたずらされる」という最高のファンサービスを貰えたのも嬉しかった(デールの一挙一動がホントに可愛かった!!!!)し、二度の失敗を踏まえ「(お金と)勇気を振り絞った結果として "推しとのツーショット" を手に入れられた」という達成感が想像以上に凄まじかったのだ。これは……これはハマるとダメなヤツだ!! 

(それはそれとしてありがとうございましたデールくん、いやデール先輩!!!!!)


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更にその後、またしても同じ場所でチップ&デールと再遭遇。こうなったらチップ先輩とも写真を撮るしかない、けれどビギナーズラックは何度も続かない。どうする……!?

 

スタッフ「チップの好きなところを言ってくれれば、チップが近付いてくれるかもしれませんよ~!」

れんと「!!!!!!」

れんと「チップの……チップの好きなところ……」

 

れんと「ほっぺ!!!!ほっぺが!!!!可愛い!!!!!!!!!」


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やったぜ。

 

おわりに

 

こうして、あらゆる面で心行くまで堪能することができた今回のディズニーシー。嬉しいこと楽しいことがたくさんあったし、前回のディズニーランド同様、思い出の中で特別だったディズニーシーが今訪れても変わらず「特別な場所」であってくれたことが本当に嬉しかった。 

しかし、今回はそんな「かつての特別との再会」に加えて、様々なフード&ドリンク、そしてグリーティングという新しい楽しみまで乗っかってきたし、ともすればディズニーリゾートというコンテンツのギアが自分の中で一段階上がってしまった感さえある。 

いつも以上にお金はかかってしまったけれど、これだけ楽しめたなら悔いはないというもの。至極晴れやかな気持ちで、〆となる大規模水上ショー『ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~』を見届け、出口まで皆で向かっていった。この夢と希望の世界の余韻を、少しでも多く向こう側に持ち帰れますように……!ありがとう!!!東京ディズニーシー!!!!


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……ん?


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アナウンス「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~は、NTTドコモの提供でお送りしました! ^ ^ 」

れんと「(´・ω・)」


  終
制作・著作
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