時に2023年4月21日。『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』や『グリッドマン ユニバース』によって、円谷ヒーロー界隈が「ウルトラシリーズの休憩期間」とは思えないほどに盛り上がっている中、「それ」は (珍しくきちんと前置きを経て) やってきた。
(((( 新テレビシリーズ ))))
— 円谷プロダクション (@tsuburayaprod) 2023年4月20日
\X\#ウルトラマンブレーザー/X/
ウルトラマンシリーズ初、
変身する主人公は隊長!
テレビ東京系 7/8(土)
あさ9時放送スタート!
▼特報映像公開https://t.co/WxANPrwNm4
▼詳細情報へhttps://t.co/btWQeFo53j pic.twitter.com/w8pbLgcXJg
ウルトラシリーズのTV最新作、その名も『ウルトラマンブレーザー』!
『トリガー』『デッカー』という流れからほぼ確とされていた「NEW GENERATION GAIA」(自分はずっと『ウルトラマンガリバー』が来ると信じて疑わなかった……!)の流れをぶった切って現れたその超新星は、ガイア世代のそこはかとないモヤモヤする背景を忘れさせてくれるほどには「待望」感が溢れるものになっていた。
いつ何時でも、新たなウルトラマンの第一報はその時限りのワクワクが満載。そんな興奮を可能な限り書き留めておく意味合いも込めて、そんな『ウルトラマンブレーザー』に抱いた期待と、その情報を知れば知るほど脳裏を過ってしまう ”ある作品” について、思いの丈を書き記しておきたい。
引用:新テレビシリーズ『ウルトラマンブレーザー』テレビ東京系 2023年7月8日(土)あさ9時放送スタート!ウルトラマンシリーズ初、変身する主人公は隊長!- 円谷ステーション
《目次》
- 『ウルトラマンブレーザー』の世界観
- ウルトラマンネクサスと『ULTRA N PROJECT』
- 『ULTRA N PROJECT』の復権
- 『ウルトラマンブレーザー』の「挑戦」と「安心感」
- おわりに~『ブレーザー』と「ニュージェネ」
『ウルトラマンブレーザー』の世界観
2023年7月8日の放送開始が決定した『ウルトラマンブレーザー』。本作の特徴として押し出されているのは、ウルトラマンブレーザーに変身する主人公=ヒルマ ゲント(演じるのは『仮面ライダードライブ』でハートを演じた蕨野友也氏!)が「隊長」であること。
『ウルトラマンレオ』のモロボシ・ダンや『ウルトラマンメビウス』のサコミズ隊長など、これまでのシリーズではあくまでイレギュラー的な存在だった「隊長が変身するウルトラマン」が主人公というのは非常にキャッチ―で今からワクワクが止まらない……のだけれど、その一方で、自分のような筋金入りのオタクが気になってしまうのはやはりその「リアルな世界観」だ。
世界的な怪獣災害の発生を受けて、世界各国は、地球の内外から攻めてくる怪獣や地球外生命体に対処するべく、1966年に地球防衛隊「GGF(Global Guardian Force)」を設立していた。
自然破壊や温暖化が急激に進む現在。ある夜、宇宙甲殻怪獣バザンガが出現。地球防衛隊の掃討作戦は難航し、ヒルマ ゲントが率いる特殊部隊が絶体絶命の危機に陥る。その時、眩い光とともに謎の巨人が降臨。何十年も前から宇宙飛行士たちの間で噂されていた未確認大型宇宙人、コードネーム「ウルトラマン」だ。
その後、司令部に呼び出されたゲントは突如、ある任務を言い渡される。それは、密かに組織されていた、特殊怪獣対応分遣隊「SKaRD(Special Kaiju Reaction Detachment)」の隊長就任。怪獣型の主力巨大メカ「アースガロン」を駆り怪獣災害に立ち向かう特殊部隊の指揮。それと同時に、バザンガの戦いで出現した「ウルトラマン」が排除すべき敵なのかを調べる任も命ぜられたゲントの脳裏に、遥か遠くの銀河…ブレーザーの眩い光の記憶が煌めく。
「俺が行く。」
ウルトラマンブレーザーの光に包まれたゲント隊長は今、組織されたばかりの「SKaRD」に配属された個性豊かな隊員たちとともに、確かな勇気と揺るがぬ正義を胸とポケットに忍ばせ、怪獣たちとの新たな戦いの日々へと身を投じる!
引用:新テレビシリーズ『ウルトラマンブレーザー』テレビ東京系 2023年7月8日(土)あさ9時放送スタート!ウルトラマンシリーズ初、変身する主人公は隊長!- 円谷ステーション
ティザーPVの段階で予想されていた通り、本作のメイン監督兼シリーズ構成は『ウルトラマンX』『ウルトラマンオーブ』『ウルトラマンZ』を手がけたヒットメーカー=田口清隆氏。
もはや語るまでもないけれど、田口監督と言えば生粋の特撮ファン――とりわけ『ガメラ2 レギオン襲来』などに影響を受けたことが知られており、「リアリティとエンタメの両立」においては他の追随を許さないプロフェッショナル。特撮の画作りだけでなく文芸面にも優れた才覚を持つのが氏の強みで、シリーズ構成を吹原幸太氏と共に務めた『ウルトラマンZ』においては、メイン監督としては異例の「全脚本のディレクション」を断行、同作のハイレベルな文芸の礎を築ったことで界隈内外にその実力を広く知らしめていた。
現在は『仮面ライダー BLACK SUN』や『魔進戦隊キラメイジャー』にも参加するなど活躍の場を広げ続ける、特撮界を引っ張るトップスターと言える田口監督。そんな彼が直々にシリーズ構成を手がける『ブレーザー』は、先日開示された情報、とりわけ前述のあらすじ時点で「こだわり満載のハードSF」であることが明らか。中でも注目したいのが田口監督の個人製作作品である『UNFIX』を思わせる、Xioやストレイジとは異なる方向性でのミリタリー色を持った特殊怪獣対応分遣隊=「SKaRD」。
SKaRDは「ロボットを保有する部隊」という点では『ウルトラマンZ』のストレイジと同じだが、インタビュー動画 (後述) の田口監督曰く「『Z』のストレイジは“ロボットを装備していること”がメインのチームだったんですけども、今回は “戦う手段の一つとしてロボットを装備している” 」……とのこと。ある種の「ロボットもの」だった『Z』に比べ、アースガロンはあくまで武装の一つ=様々な形での「対怪獣戦」が描かれるという風に考えて間違いないだろうし、この点も「ハードSF」の香りに胸が高鳴ってしまうところだ。
(田口監督製作の作品『UNFIX』はこちらから。監督の多忙さのためか、残念ながら現状未完なのが悔やまれる……)
これらの点から「リアル路線」かつ「硬派」なハードSFであることが自明な『ブレーザー』。本作は『シン・ウルトラマン』が未だ盛り上がり続ける2023年の新作TVシリーズとしてはまさにピッタリのウルトラマンであるし、『仮面ライダークウガ』のように、ウルトラシリーズのファン層を一気に広げてくれるよう……願わくば「大ヒットコンテンツ」にまで育ててくれるよう期待したいところ。しかし、リアリティラインが高めの作品ならば何でも成功する……という訳ではないのが特撮ドラマ作品の難しいところ。とりわけ、自分を含めたウルトラシリーズのファンなら、そのことを痛いほど分かっていることと思う。
この『ブレーザー』と同じハードSF作品であり、ウルトラシリーズの消えないトラウマとなっている「とある作品」は、その名を『ウルトラマンネクサス』と言った。
ウルトラマンネクサスと『ULTRA N PROJECT』
『ウルトラマンネクサス』とは、2004年放送に放送されたウルトラシリーズのTV作品。シリーズの再解釈・再発信によるファン層拡大を目的に「魂の原点回帰」を掲げた大型企画『ULTRA N PROJECT』の柱となる作品だったこの『ネクサス』は、2023年の今見ても非常に異質かつ挑戦的な作品で、その内容は以下のような「挑戦」が万歳だった。
・主人公がウルトラマンに変身しない
・ウルトラマンに変身する人間(適能者)がシリーズの中で交代していく
・敵は人を捕食するグロテスクな怪物=スペースビースト
・ウルトラマンネクサスは「ビーストの一種」と見なされ、時に攻撃され、時にその力を組織に利用される
・敵の手に利用された挙句命を落とすレギュラーのヒロイン、「戦場カメラマン」「遺伝子上短命が決まっている」など、背景が悲惨すぎる適能者たち……等の多すぎる「鬱」要素
……と、このように「ダーク・シリアス・硬派・リアル」と徹底してハイターゲット向けの要素が詰め込まれた『ネクサス』。尋常でなく作り込まれた世界観や設定もあって、本作はまさしく「誰も見たことがないウルトラマン」になっていた……のだけれど、問題はその異様な暗さや重さ、難解さの他様々な要素が肝心の児童層から支持を得られなかったこと。
そのことは他でもない自分自身が実感していて、『コスモス』が大好きだった小学生当時、少し間を置いて始まった『ネクサス』の暗さと怖さ、ネクサスの活躍シーンの少なさ、何話にも渡って倒されないビースト……といった要素にモチベーションが下がっていってしまった挙句、初めて「ウルトラマンの新作映画を見ない」という決断を下してしまっていた。
このように『ネクサス』が肌に合わず離れていってしまった子どもは自分だけではなかったようで、同作は視聴率も玩具売上も大苦戦。それなりに粗もある作品だったため「大人層で流行る」といったこともなく、結果、本作はウルトラシリーズ史上初の「苦戦による放送短縮」という憂き目に遭ってしまい、子ども向け作品の対象層を広げることの難しさを物語るサンプルケースになってしまったのである。
また、更に致命的なことに『ネクサス』は単なるTVシリーズの一作品ではなく、前述のように円谷プロダクション肝煎りのメディアミックスプロジェクト=『ULTRA N PROJECT』の中核でもあった。
複数媒体で世界観をクロスさせ、高年齢層を巻き込んだムーブメントを巻き起こそうとしたこのプロジェクトは、大黒柱である『ネクサス』がこのような結果に終わり、同時展開していた劇場用作品『ULTRAMAN』も興行面の苦戦から続編がお蔵入りになってしまったことで事実上凍結。『ネクサス』の失敗は、「TVシリーズがコケた」という一言で片付けられるような生易しいものではなかったのだ。
社会人になった今改めて振り返ると、その絶望的な状況に思わず震え上がってしまうこの『Nプロ事変』。このことはその当事者=円谷プロダクションにとってはこの上ない痛烈なトラウマになってしまったようで、その後のシリーズではこの『ネクサス』ないし『ULTRA N PROJECT』ほど割り切ったハイターゲット向け作品が作られることは滅多になくなり (深夜帯放送の『ULTRASEVEN X』、WOWOW放送の『ネオ・ウルトラQ』など製作はされていたが、シリーズのメインストリームに据えられることはなかった) 、そのことはウルトラシリーズの「挑戦」の幅を狭めることにも繋がってしまった。
その後、『ネクサス』の放送短縮により急遽製作が決定された『ウルトラマンマックス (2005年) 』ではエレキングやバルタン星人のような過去作品の人気キャラクターが復活。それからというもの、ウルトラシリーズは「過去のヒーロー・怪獣たちが何かしらの形で毎年登場する」という方式を取るようになった。
そのことは「安定性」「予算節約」など様々な面で優れた戦略であるし、この戦略のおかげでウルトラシリーズは現在まで立ち直ることができた。自分はそんな現行のウルトラシリーズも大好きだし、過去の怪獣やヒーローが新しい面を見せてくれる度に大興奮……しているのだけれど、そのスタイルが確立されればされるほど、ますますシリーズが「挑戦」から遠退いていくのがファンとしてはどこか不安であり、寂しくもあった。大きくコケることはなくなったし、それは本当にありがたいのだけれど、逆に「爆発的なヒット作を輩出する」「シリーズの新境地を切り拓く」ということもなくなってしまうのでは……と。
しかし、シリーズが「ニュージェネレーション」に、元号が「令和」に移り行く中で、徐々にある「変化」が訪れていった。『ULTRA N PROJECT』が再評価され、急激に脚光を浴び始めたのだ。
『ULTRA N PROJECT』の復権
当時小学生であり『ネクサス』についていけなかった自分。しかし、ネクサスというウルトラマンの他にないカッコよさや、最終回『絆 -ネクサス-』の衝撃は大きく、中学生になったある日、思いきって『ネクサス』を見直した……ところ、これがもうものの見事にドハマりしてしまっていた。
孤門の葛藤と成長。ネクサスというウルトラマンのヒロイックな在り方 (街を背にしてゴルゴレムを迎え撃つジュネッスの画に震えたのをよく覚えている) 、ジュネッスブルー登場の鮮烈さ、『ネクサス-Full Throttle-』など魅力的な劇伴の数々、全編に満ちるヒリつくような緊張感とスリル、暗いからこそ輝く絆の尊さ……。きっと、自分のように「当時は合わなかったけれど、後年になってこれらの魅力に取り付かれてしまった」子どもは多いのではないだろうか。
そのことを最初に感じたきっかけは、ウルトラシリーズの準空白期=2011年から2016年まで放送された総集編番組『ウルトラマン列伝』での「ネクサスの扱い」だったと思う。
同作のコンセプトは「ウルトラシリーズの名エピソードを再放送」すること。連続ドラマの『ネクサス』とは相性が悪いか……と思われた矢先、なんと第19話という早期に『受け継がれる魂の絆!ウルトラマンネクサス!!』と題された『ネクサス』の総集編が放送され、しかもナレーションは主人公=孤門一輝を演じた川久保拓司氏という大盤振る舞い!
あれ、ネクサスってこんな贅沢に扱われていいの……? と一周回って困惑してしまったけれど、それ以降も『列伝』総集編系エピソードではネクサスが頻繁に顔を出し続け、とうとう『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』ではネクサス本人が堂々復活。この時は (マックスの本格的な初復活というのもあって) 界隈そのものがお祭り騒ぎだったし、円谷プロダクションが『ネクサス』を黒歴史とせず大切にしてくれたことと、ファン界隈での『ネクサス』再評価がじわじわ進んでいたことが最高の形で噛み合った結果、ネクサスは「マイナー作品」から「コア人気の高い作品」へと見事 (?) 進化を遂げたのだ。絆……ネクサス……!!(感涙)
そして、加熱していった『ネクサス』人気を確たるものに仕上げたのがやはり「あのエピソード」だろう。
ウルトラマンネクサスの単独客演エピソードを、『ネクサス』を撮ったアベユーイチ監督が (わざわざ当時の名義を使って) 撮る……という、当時にしてみればオタクの集団幻覚も同然のエピソードだった『ウルトラマンX』第20話『絆 -Unite-』。このエピソードの素晴らしさはここでは割愛するけれど、ともあれこれらの出来事をきっかけに『ネクサス』は文字通りの「人気作」となり、2022年にNHKで行われた人気投票『ウルトラマン大投票』ではなんとネクサスが「8位にランクイン」するという当時からすると信じられない快挙を達成。
更に、同2022年にはシリーズのメインストリームとしてはそれこそ『ULTRA N PROJECT』以来なのではないか、と思うほどに久しぶりのハイターゲット作品『シン・ウルトラマン』が興行収入40億を叩き出す傍らで、なんと (同じ『ウルトラマン 空想特撮シリーズ』のリメイクという側面もあってか) 、『ULTRA N PROJECT』の一つである『ULTRAMAN』が話題沸騰、DVDが爆発的に売れるという異常事態が発生した……というだけでも驚きなのに、それに加えて、配信作品『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』においてネクサス(ジュネッスブルー)が当時ぶりに復活、大きな話題となっていた。『ULTRA N PROJECT』は、ここに来て遂に正真正銘の「復権」を成し遂げたのである。
(『シン・ウルトラマン』による『ULTRAMAN』ブームについてはこちらにまとめられているので是非ご一読を! 当時からのファンによる『ULTRAMAN』論は必見です……!)
『ウルトラマンブレーザー』の「挑戦」と「安心感」
20年もの時を経て、見事な復権を果たしてみせた『ULTRA N PROJECT』。それらの作品群が評価されるにつれ、界隈では当然のように「『ULTRA N PROJECT』のようなシリアスかつ硬派なハードSF作品をTVで放送してほしい」という声も高まっていった。今ならば『ネクサス』の目指したもの=幅広いファン層の開拓や、新たな「ウルトラマン」像の構築、魂の原点回帰を実現できるのではないか――と。
そして、この2022年には『ULTRA N PROJECT』の失敗以降円谷プロダクションが「挑戦」を憚られてしまった最たる要因=経営不振を大きく覆す出来事も起こっていた。
『ウルトラマンギンガ』以降の、所謂「ニュージェネレーションシリーズ」と呼ばれる作品群において、ウルトラシリーズは玩具との連動=バンダイとの連携を強化し、売上の大幅増加に成功。その積み重ねが『ウルトラマンZ』や『シン・ウルトラマン』、そして『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA (2021年) 』『ウルトラマンデッカー (2022年) 』で更に飛躍。加えて、近年の精力的な海外展開もあって海外、特に中国市場も爆発的に伸長……! そう、2023年現在に、遂に円谷プロダクションにはもう一度「大胆な挑戦」に挑める「あの頃よりずっとしっかりした」土壌が整っており、ここで『ブレーザー』というカードが切られることはある種の必然であったのかもしれない。
しかし、いくら「土壌」がしっかりしていても、結局のところヒットしなければ意味がない。『ブレーザー』のような作品が作られることは嬉しいけれど、大切なのはそれが幅広い層にヒットして、シリーズが更なる拡大を見せてくれること。
しかし、それは円谷プロダクションとバンダイ自身が誰よりも分かっていること。『ブレーザー』解禁と共に舞い込んだ情報には「失敗してなるものか」という製作サイドの気合いと、それを裏付ける「知恵」が張り巡らされていたように思う。
まず一つは「玩具」面。
初報の段階でウルトラマンの形態が一つだけであり、過去作品の要素も絡まないというのは実に『ウルトラマンギンガ』以来のこと。この点からも本作の「ハードSF」としての徹底ぶりが感じられるけれど、やはり心配なのは「玩具が売れないのではないか?」という点。そこでブレーザーが投入したのが「大型アイテムのセールスに力を入れる」という戦略だった。
\本日公開!!/
— ウルトラマンおもちゃウェブ公式 (@bandai_ultratoy) 2023年4月22日
バンマニ!で #ウルトラマンブレーザー の変身アイテムを最速紹介いたしました✨各ストーンの専用アニメーションも紹介しており、見どころ満載の動画です!ぜひチェックしてくださいね!!
▼動画はこちらからhttps://t.co/egraohcara pic.twitter.com/zXf7cLyQ8O
ブレーザーの変身アイテム=ブレーザーブレス。本アイテムはなんと単体で約8000円という高価商品だが、値段に見合った超ギミック=多色発光アニメーションを搭載。
(奇しくも、この技術は蕨野氏演じるキャラクターが使用したこともある『仮面ライダードライブ(2015年)』の変身ベルト、ドライブドライバーを継承・発展させたものと思われる)
更に、『ウルトラマンZ』以降毎回中盤で投入されていたロボット玩具=DXアースガロンが、今回は開始早々に発売されるだけでなく「光る」「鳴る」ギミックに加え、なんとスーパー戦隊の大ヒット商品『DXオニタイジン』同様の全身フル稼働仕様であると発表!
『トリガー』や『デッカー』とは全く異なる方向での力の注がれようには、円谷プロダクション……というより、バンダイの「コケさせてたまるか!!」という執念が感じられる。ありがとう、バンダイ……!!
📣新商品情報②
— ウルトラマンおもちゃウェブ公式 (@bandai_ultratoy) 2023年4月21日
『#ウルトラマンブレーザー』より、23式特殊戦術機甲獣「DXアースガロン」が登場!!
防衛隊「SKaRD」のロボを、発光・サウンド・フル可動のギミック入りで商品化いたします!
商品詳細▼https://t.co/Y04Sqx5ka5#アースガロン pic.twitter.com/UXItP9f1vk
そしてもう一つは、本作が実質的な「田口監督プロデュース」の作品であるということ。
『ブレーザー』は、「ウルトラマンゼロの弟子」や「デビルスプリンター」といった設定があった『ウルトラマンZ』よりも、作品に田口監督の意向が色濃く反映されている節がある。その上で、ご自身がメイン監督とシリーズ構成を兼任し、タッグを組むメインライターは『トリガー』で共作経験のある小柳啓伍氏……。これはもう実質的な「田口監督プロデュース作品」と言えてしまうだろうし、それこそが最も大きな安心材料なのである。
というのも、田口監督は前述のように「ハードSF」に強いこだわりを持つだけでなく、作品の「面白さ」「エンタメ性」そのものに強いこだわりを持たれている監督。ただ自分の好きなものを押し付けるだけでなく、「どうやったら多くの人に受け入れられるか」「どうやったら面白いか / 楽しんでもらえるか」といった「客観的な目線」を常に持ち、その点も加味した上で「良質なエンターテインメント作品」を作るように注力されているように思えるし、それが『X』の第16話『激撮!Xio密着24時』であり、『オーブ』のクレナイ・ガイやジャグラス・ジャグラーであり、『Z』のシリーズ構成。だからこそ、こと田口監督については「どれだけ好き勝手やっても大丈夫」という安心感を持てるのだ。
更に、今回については既に「更なる安心材料」が提供されている。
こちらのインタビュー動画冒頭にて、田口監督は「これまでのニュージェネレーションシリーズを手がける中で積み上がってきた “これはやった方が良いな” “これはやらない方がいいな” という蓄積を活かしている」と仰っている。この田口監督がこう言うのだから、『ブレーザー』は挑戦的なように見えて、きちんと「子どもも楽しめる」「玩具も魅力的に見える」作品となっているに違いないだろう。
2023年の新たなるウルトラマン
— 田口清隆 (@TaguchiKiyotaka) 2023年4月21日
『ウルトラマンブレーザー』
メイン監督を、行かせてもらいます。
今まで観てきたやってきた事をガンガン詰め込んで。スタッフ・キャストのみんなですったもんだしながら頑張って創っております。
どうぞご期待ください! https://t.co/BEhJImfaCb
おわりに~『ブレーザー』と「ニュージェネ」
かつて『ULTRA N PROJECT』が目指したウルトラシリーズの新しい地平。その高みに、全く異なる角度から挑まんとする超新星『ウルトラマンブレーザー』。ウルトラシリーズがそんな挑戦をできるところまで来れたことも嬉しいし、その作品が「クオリティ面の心配をする必要がない」ものであることには、もはや喜びを通り越して感動のようなものさえある。
その上で一点気になることがあるとすれば、『ブレーザー』が「ニュージェネレーション」の括りに入るのか、という点。
「ニュージェネレーションシリーズ」は『ギンガ』~『デッカー』でちょうど10作。『ブレーザー』から新しいシリーズを始めるというのは十分に考えられるし、『ニュージェネレーション スターズ』という番組も「ニュージェネレーションシリーズに幕を下ろす」ものだと考えれば合点がいく。
しかし、思えば「そういう」ことはこれまでにも何度かあったのだ。
前番組が『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』であり、1話にはギンガ~ブルが全員集合、劇場版はそのものズバリ『ニュージェネクライマックス』と銘打たれた『ウルトラマンタイガ』。
前作『Z』がニュージェネレーションシリーズの集大成的な作品であったことも加味してか、いかにも「新しい時代を始める」雰囲気を出して発進し、これまでのニュージェネレーションシリーズとの繋がりも希薄になっていた『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』。
この2作は、もしかすると「ニュージェネレーションの括りを終わらせようとしたけれど、評判が芳しくなく "ニュージェネレーション" の括りに入らざるを得なくなった」のでは……と、どうしてもそう勘繰ってしまうし、もしこの推測が正しいなら「ニュージェネレーション」という縛りからシリーズが飛び立てるかどうかは『ブレーザー』のクオリティとその評判、そして売上に懸かっているのだろう。
果たして『ブレーザー』は新しい時代を作ることができるのか、『ULTRA N PROJECT』の雪辱を晴らすことができるのか。そういった点も含めて、この超新星を一ファンとして (精神的にも金銭的にも) 全力で応援していきたい。