れんとのオタ活アーカイブ

ウルトラシリーズとアニメが中心の長文感想ブログ。アイカツスターズ!実質全話感想も執筆中!

〈感想〉超絶感動傑作煌めきアニメ『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』が面白すぎた。

数年前、プリティーシリーズのプの字も知らなかった自分は、正直『KING OF PRISM』を十分に楽しむことができなかった。 

プリズムジャンプとは何なのか。なんで尻からハチミツが出るのか。なんで自分で召喚した列車で旅立つのか。なんで赤い糸で縛られて絶頂するのか。全部イメージ映像だろう、と思いきや実害が出たり再生したりするのでいよいよ目の前で起こっている現象が分からなくなってしまい、結果、残ったのは『KING OF PRISM』もとい、プリズムジャンプへのふわっとした苦手意識。 

……ところが、それから数年。自分は紆余曲折あって『プリティーリズム・レインボーライブ』にハマり散らかしていた。

 

kogalent.hatenablog.com

 

重く生々しく、だからこそ胸打たれる『どしゃぶりHAPPY!』を地でいくストーリー。トリオ編やデュオ編に顕著な楽曲演出のアツさ。そして「プリズムライブ」と共に進化していくプリズムショーの魅力……。「よくわからない」を塗り潰していく圧倒的な面白さのおかげで、自分の中からはいつの間にかプリズムジャンプへの苦手意識が消え去っていたし、第45話『薔薇の革命』で速水ヒロ、そして『pride』に惚れ込んでしまった以上、もうこれっぽっちも迷いはなかった。見るしかねェ、もう一度『KING OF PRISM』を……!!!

 

 

という訳で、下記は『レインボーライブ』を経て『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』に再会した結果、見事その後続のTVアニメ『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』という沼に叩き落とされてしまった初見感想のまとめになります。今この瞬間、Shiny Seven Starsに日本で一番熱くなっているのは……俺だッ!!!!

 

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引用:「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」劇場編集版<本予告>2019年3月2日(土)より全4章連続公開決定!- YouTube

 

《目次》

 

前談 -『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』について

 

本題に入る前に『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』の二作についても少し触れておきたい。

 

 

鑑賞直後、こんなどうしようもない感想をぶん投げている自分だけれど、KING OF PRISM劇場二作は「思ったよりも遥かに真面目な映画だった」とも思う。 

コウジたちOver The Rainbowから輝きを受け取った新主人公・一条シンと、そんなシンの無垢な輝きを受けて輝きを取り戻すエーデルローズの新メンバーたち。コウジから今度こそ「自立」を果たし、プリズムスタァとして / 王の器として大きな成長を遂げるヒロ。レインボーライブ同様『pride』をストーリーのキーに据え、最後の最後でその新バージョン『pride -KING OF PRISM』を披露する構成……。他にも、『CRAZY GONNA CRAZY』などの既存楽曲が思わぬ形で登場したり、なるたち『レインボーライブ』組のその後が描かれたりと、細やかなファンサービスや「これが見たかった」というシーンが盛り沢山で、続編兼スピンオフ作品として100点満点の内容だったと思う。 

ならどうしてその上でこんな↑感想が出てくるのか……と聞かれれば、そんなんプリズムショーが狂い散らかしてたからに決まってるじゃないですか!!!!!! 

・コウジの尻から出てくるハチミツ 

・ヒロ顔負けのイキ顔を披露するシン 

・あんだったりわかなだったりするカヅキ先輩の固有結界 (そういうところだぞ!!!) 

・なるだったりべるだったりするヒロの固有結界 (お前もかよ!!!!) 

・ちゃんといと一筋なコウジの固有結界 (えらいぞコウジ!) (いやそもそもこの乙女ゲー空間はなんなんだよ!!!!!!!!!!!)   

・様子のおかしいプリズムバトル (鋼鉄のシックスパック) (「自爆する気か!?」) 

・法月仁さえも屈伏させる王様プレッシャー 

・アレクサンダー爆撃で物理的に崩壊するスタジアム (なんでだよ!!)

・カヅキのプリズムショーで再生するスタジアム (なんでなんだよ!!!!!!!!!!)   

軽く思い出すだけでもこの数と内容である、こんなドラッグをプリズムショーのプの字も知らん状態でブチ込まれたらそりゃあ狂うか困惑するかの二択だろうし、当時は困惑一色だった自分も今回はこの異常空間のトリップ感を (ゲラゲラ笑いながら) 楽しむことができたし、劇場の大スクリーンでこれを叩き付けられたらいよいよ終わりだと思う。怖いよこのコンテンツ!!

 

pride -KING OF PRISM ver.-

pride -KING OF PRISM ver.-

  • provided courtesy of iTunes

 

『Shiny Seven Stars』- キャラクターの第一印象と初期エピソード

 

そんなこんなで、午前中を使って『by Pretty Rhythm』と『PRIDE the HERO』をイッキ見。昼食休憩を挟んで見始めたのが、今回の本題=遂にOver The Rainbowから本格的な主人公交代となる『Shiny Seven Stars』。この作品は文字通りの完全初見なのだけれど、視聴前の時点でモチベーションはかなり高かった。なぜって、それはもう「ようやくユキノジョウたちのことが分かるから」に尽きる。

 

Shiny Seven Stars!

Shiny Seven Stars!

  • 一条シン・太刀花ユキノジョウ・香賀美タイガ・十王院カケル・鷹梁ミナト・西園寺レオ・涼野ユウ(cv.寺島惇太斉藤壮馬、畠中 祐、八代 拓、五十嵐 雅、永塚拓馬内田雄馬)
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

SePTENTRIONのメンバーのうち、自分の中でビビっときたのは何といっても太刀花ユキノジョウ。だって、ほら……エロすぎるじゃん!!!!!!!!!

 

 

自分はポニーテールという髪型や、彼のような美人・美少女系の男性キャラクターが大層「癖」なので、太刀花ユキノジョウは第一印象でド癖だった。しかも担当声優は『刀剣乱舞』の鯰尾藤四郎や鶴丸国永で散々可愛い男の子やセクシーな男性を見せてくれた斉藤壮馬氏。こんなん好きになるなって方が無理だって!!!!! 

しかもこのユキノジョウ、いやユキ様、何が凄いって何をしてても可愛いし美しい。スラッとしていて綺麗だけれど、よく見ると節々に男性らしさを感じさせるスタイル、手を膝に添えて座るなどのフェミニンで可愛らしい所作、キレ長だけど優しさを感じさせる目、凛としており中性的な声……。それらが悉く癖にぶっ刺さってしまって、もはやポニーテールであるかどうか関係なく画面に映ると目が持っていかれてしまったし、7話での女装なんてもう全てがR-18だった。何もかもが!!!!!!!!!!エロい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

一方、そんな第一印象で5000億点かつ画面に映る度に得点を増していくユキ様に対して、自分の中で対抗馬だったのが香賀美タイガ。 

悪ぶってるけどその実ひたむきかつ天然なワンコ系で、くしゃっとなった顔や照れ顔がメチャメチャ「美」というだけであまりにも可愛いし凄まじくポイントが高いのだけれど、その担当声優はなんと畠中祐同じく天然ワンコ系キャラクターのウルトラマンゼットは勿論、自分にとっては『遊戯王ZEXAL』でも馴染み深い方だ。 

というのも、同作では畠中氏が主人公・九十九遊馬を演じているのだけれど、なんと彼のライバル=神代凌牙を演じるのは増田俊樹氏。そう、タイガとカヅキは別時空において宿命のライバルであり、そういう意味でも (?) 二人から目を離すことができなかった。 

(ちなみに、大和アレクサンダーを演じた武内駿輔氏は『遊戯王VRAINS』で主人公のライバル=リボルバーを演じており、タイガとアレクサンダーがプリズムラッシュで戦った際の「コーナーを制した方が先行」というルールは『遊戯王5D's』のライディングデュエルと全く同じだったりもする。どこまでが偶然なのこれ!?)

 

 

して、ようやくそんなユキノジョウやタイガの過去が明かされるとあって大いに期待していた『Shiny Seven Stars』だけれど、早々にお出しされた彼らの単独エピソードは単なる「掘り下げ」に留まらない見所が満載だった。

 

 

大人びていた雰囲気に隠されていた「自らの宿命から逃げ続けている」という弱さが露呈するも、受け継ぐのは血ではなく魂であると、宿命は従うのではなく乗りこなすものだということを「DNAと歌舞伎をモチーフにしたプリズムジャンプ」で示してみせた、第2話『太刀花ユキノジョウ いざ、参る!』。

 

 

タイガの様々な表情や可愛さは勿論「レインボーライブとのミッシングリンク」という続編 / スピンオフものの旨味もぎっしり詰まっており、ラストシーンの「cherry-picking daysをBGMに登場するあん&わかな」に絶叫させられた第3話『香賀美タイガ 祭りなら!俺の中にある!』……。 

この二編は、キャラクターの見せ方やストーリーの秀逸さは勿論、それらが「プリズムショーに昇華される」という構造もバッチリ決まっていて、その満足感はさながらレインボーライブの一番美味しい時期のよう。個人的には「プリズムジャンプがあまりオモシロ方面に寄っていない」のも嬉しく (オモシロプリズムジャンプは大好きなのだけれど、アツいシーンや泣けるシーンでお出しされると感情が迷子になってしまうので……) 、この時点で『Shiny Seven Stars』への好感度はうなぎ登りだった。

 

 

個別エピソードで株を上げていくキャラクターたち

 

こうして、ユキ様にタイガといった「第一印象から好きだったキャラクター」たちが更にその株を上げていった序盤だけれど、自分が本作にドハマりした要因と言えるのは、そんな彼ら以外=「第一印象ではピンと来なかったキャラクターたち」のエピソードのクオリティが軒並み凄まじく、彼らのことも大好きにさせられてしまったから。

 

 

第4話『十王院カケル 愛と共に翔ける』は、サブタイトル画面のデザインや「ビジネスは武器を使わない戦争だ」という台詞の通り、さながら池井戸潤作品のような雰囲気の経済ドラマエピソード。アイドルアニメで経済ドラマを……??? 

一見コメディ的な要素も多く、古代の石板が出てきたり天然ガスが噴出したりするシーンには実際笑ってしまったけれど、社内での政治闘争やマダガスカルでのやり取りは非常に本格的。これらがカケルの「天才的な御曹司」というキャラクターに説得力を持たせているという秀逸な脚本が光る一編だったけれど、その真骨頂はやはりラストシーン。社内の闘争や政治で「愛なんてものは存在しない」と絶望したカケルこそが、実はその愛で恩人・児玉専務を救っていた――と最後に明かされる構成の美しさは、まさに作中屈指のものと言えるだろう。

 

 

「致命的な機械オンチで料理センス皆無」という古式ゆかしい最強の萌え要素 (死語) をユキ様に付与してくれた第6話『鷹梁ミナト 心は大っきな太平洋』は、港町の牧歌的な雰囲気に反して哀愁も感じさせるエピソード。 

ミナトに託される「特別な才能がなくても、憧れた星に届かなくても、そのひたむきな歩みは、誰かにとっての “一番星” になっている」という暖かく力強い答えには、自分の大好きな『アイカツスターズ!』にも通ずるものを感じて胸が一杯になってしまったし、「灯台」を軸に、言葉少なに / 文学的に描かれるミナト・翼の関係や、オモシロであるが故に「吹っ切れた」ことを感じさせてくれるミナトのプリズムジャンプ、そして、第4話同様脚本の巧さに唸らされるハートフルな〆なども大きな見所だ。

 

 

ダンガンロンパ』の不二咲千尋が好きな自分の癖センサーに引っ掛かっていたものの、あまりにも可愛いことが逆に不安を煽ってもいたレオ。そんな不安が的中したのが第7話『西園寺レオ 心の花を咲かせましょう♡』。 

可愛いものに囲まれ、可愛いものを愛し、自分自身も可愛らしく育った結果、男子からも女子からも疎まれ、遠ざけられてしまった……というレオの生々しい過去には「間違いなく現実に起こっている出来事」としての説得力があり、それ故に「彼がどんな結論を出すのか」が不安でもあった。事実、彼がジェンダーレスな格好で出てきた時はどんよりとしたものが胸に込み上げてきたのだけれど、その直後、彼がその姿を変え「 “可愛い” への愛を貫く」と宣言する姿には、視界の靄が切り払われるかのような痛快さがあったし、何より、そんなレオの姿がどうしようもなくカッコよかった。自らの在り方でファンに勇気を届けるその姿は、優しく眩しい太陽のようであるし、自分の中で敢えて「本作中一番株を上げた」キャラクターを選ぶなら、間違いなく彼だと断言したい。

 

 

他にも、「たとえ紛い物・作り物の存在だったとしても、その存在が与える希望は紛れもないホンモノである」というメッセージを「口パク問題」と併せて描くことで、ジョージどころか現実までひっくるめた「アイドル」という概念そのものを肯定してみせた第5話『THE シャッフル ジョージの唄』や、プリズムスタァとして大切なものを見失っていたアレクの克己とピュアな想いが涙を誘う第9話『大和アレクサンダー THE CHARISMA OF STREET』……など、本作のエピソードはいずれも負けず劣らずの傑作揃い。 

それらが各キャラクターの株を上げてくれたおかげで、自分は彼らみんなのことが大好きになっていったし、そう思える作品は簡単には出会えないもの。一話一話を噛み締めて「自分、Shiny Seven Stars、好きだ……」と浸りながら、未だ謎に包まれたルヰとシンの不穏さに身構えていった。

 

 

過去作要素の使い方と、衝撃のプリズムライブ

 

キャラクターの魅力とストーリーの完成度、それらがプリズムショーで昇華されるクライマックス、どこを取ってもハイレベルな『Shiny Seven Stars』だけれど、そのアツさを更に盛り上げてくれたのが『レインボーライブ』要素の扱いだ。

 

cherry-picking days

cherry-picking days

  • 福原あん/森園わかな(CV.芹澤 優・内田真礼)
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

前述の通り、カヅキ、あん、わかなの過去が (一瞬) 描かれた他、ラストではあんとわかなが『cherry-picking days』をBGMに登場した第3話ことを皮切りに、本作では折に触れて『レインボーライブ』要素が顔を出すのだけれど、そのどれもが思わず声を上げてしまうほどに巧いものだった。

 

ハート イロ トリドリ〜ム

ハート イロ トリドリ〜ム

  • provided courtesy of iTunes

 

第4話、カケルがプリズムショーに興味を持ったきっかけになったのは、なんと『レインボーライブ』主人公=なるのマイソング『ハート♡イロ♡トリドリ~ム』! 同話の「愛」というキーワードにしっかり沿った説得力のある選曲だし、レインボーライブにのめり込む最初のきっかけが第13話『心をつなぐ虹のかけ橋』だった自分にとっては、思い出深い『ハート♡イロ♡トリドリ~ム』がこうして「レジェンド」のような扱いで登場することがとても感慨深かった。 

(第6話で「コウジが歌うハート♡イロ♡トリドリ~ム」が登場するのも嬉しいファンサービスだった……!)

 

Vanity colon

Vanity colon

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更に第7話では、かつて塞ぎ込んでいたレオの背中を押したプリズムショーとしておとはの『Vanity colon 』が登場! 

レオの両親におとはの父親と似たメルヘンを感じる……というのはかねがね感じていたけれど、それ以上に、おとはといえば「言いたいことを言えない」自分の殻を破り「自分らしさを貫く強い少女」へと進化した『レインボーライブ』でも随一の成長株。レオの物語に寄り添う歌としてこれ以上に相応しい歌もないだろうし、第4話共々、そのストーリーに合ったプリズムショーを引用してくれる本作の采配には『レインボーライブ』のオタクとして頭が上がらない……!

 

 

他にも、カケルがステージで引き連れていた動物たちやサイリウムチェンジ、レオのプリズムチェンジや姉たちなど、本作には自分の知らない作品のものも含め、非常に多くの過去作要素が散りばめられていた様子。しかし、その中でも頭一つ抜きん出てた演出を見せてくれたのが、第8話『涼野ユウ アイアム ゼウス☆彡』だろう。

 

 

『レインボーライブ』からレギュラーに昇格したという出自から既に美味しいキャラクターであるユウ。クロス譲りの「ゼウス」という自称や、憧れのべるに振り向いて貰うために打倒ヒロを目指す、という目標など、一つ一つのプロフィールやその生意気ぶりが可愛くてしょうがないユウだけど、第8話ではそんな彼の中にあったもう一つの思い=「同い年の仲間がほしい」という願いが発覚。ハッピーレインとペルローズに憧れ続けていたユウくん、なんていじらしいのよ……!! 

そんな彼が、合宿と迷子を通して仲間たちとの絆に気付き (かつて姉がそうしたように) 七人に「SePTENTRION」という名前を見出だす。『レインボーライブ』を見てきたこともあってこの一連やユウくんの号泣ぶりにはそれだけで感極まってしまったのだけれど、問題はその後。

 

Shiny Stellar

Shiny Stellar

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所変わって、舞台はPRISM.1。『Shiny Stellar』を歌うユウのプリズムショーの最中、『レインボーライブ』で親の顔より見た演出と共にギターが飛来し、なんとプリズムライブがスタート。プリズムライブ!?!?!?!?!?!?!?!?!? 

そう、プリズムチェンジやサイリウムチェンジが行われた時点で十分にその可能性はあった。過去作品の印象的な要素を引っ張ってくるなら、一番関わりの深いレインボーライブから持ってこない道理はないし、持ってくるとしたらそれは「ユウがプリズムライブを行う」以外にあり得ないのだ。 

しかし、ユウのプリズムライブは単なる「再現」には留まらず、なんと「ギター」「ドラム」「キーボード」というハッピーレインのプリズムライブを融合したもの。まさにハッピーレインの継承者であり「全知全能」の面目躍如……! 

各メンバー個別エピソードのラストでこれを持ってくるシリーズ構成の巧さにはただただひれ伏して拝み倒すしかなかった。ありがとう、『Shiny Seven Stars』!!

 

 

シンとルヰについて

 

ここまでオタクの早口 (意訳) で好きなポイントを話してきたけれど、悔しいことに、自分はこれらと同じ熱量で主人公=一条シン、そして彼の運命の相手=如月ルヰについて語ることができない。というのも、この二人について考えるには、提示されている情報があまりにも少なく、自分の理解力も全く追い付いていないからだ。 

(同じ理由で、冒頭に貼り付けた『レインボーライブ』の記事においても、ジュネとりんねについてはほとんど触れていない)

 

おそらく設定はガチガチに練り込まれているのだろうし、細部は分からなくても、シンとルヰ、シャインとりんねを巡って何が起こっていたのか、という大枠は漠然と理解することができた……気がする。けれど、それを文章にするには自分の頭が足りていない。 

けれど、そんな自分でもはっきり言えるのは、本作の主人公=一条シンを取り巻く魅せ方の巧さ。自分だけでなく多くの方が『by Pretty Rhythm』の時点で立てたであろう「ルヰ=プリズムの使者」という予想それ自体が「シンもまたプリズムの使者」という本命から目を逸らす為のフェイントだったということをはじめ、シンがシャインであることが、「主人公は感情移入をして貰うため “等身大の人物” でなければならない」「しかし、主人公は主人公として特別優れた力を持つ必要がある」というジレンマを解消する手段になっていたり、シンの中にラスボスが潜んでいたという真相そのものの衝撃だったり、第11話のサブタイトルやシンのステージにおけるホラー的な演出であったり……。 

これらの一連は言語化できる範囲でも魅力的な点が多く、フィーリングで語っていいなら、総じて「よく分からんけれど非常に好み」だった。この辺りは、モチーフであろうエヴァンゲリオン同様ガチガチに考察や設定を詰めていかないと分からない領域なのかもしれないし、これから徐々に情報を仕入れて、少しずつ慎重に理解を深めていきたい。けれど、最後に一言だけ言わせてほしい。 

エヴァをやりたいのは一向に構わんのだけど!!!!「謎が多すぎる上にモチーフが多層的なせいで理解が難しい」あの感じまでエヴァにしなくても良かったんじゃないですかね……!?!?!?!?

 

 

おわりに

 

右肩上がりでテンションが上がっていき、よく分からない点もあれど「面白すぎ!!!!」というテンションのままで駆け抜けることができた本作。おかげで本作は『レインボーライブ』に匹敵するほど好きになれたように思うし、是非この先も本作を噛み締めていきたいところ。 

……などと言っていたら、そんな自分にうってつけの映画が間もなく公開されるのだという。

 

 

「未来につながるROAD SHOW」というそこはかとなく不穏さのあるキャッチフレーズを引っ提げた再編集映画 (?) 『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-』! 

一体どんな内容になるのか、新参者の自分にとっては謎の多い作品だけれども、少しでも未来につなげるためにも是非劇場へ足を運んでみたい。オタク! ペイメント!! レディー……スパーキング!!!!!!