れんとの『大洗旅行』レポート ~ガルパンと海鮮グルメに仮面ライダーを添えて~

『ガールズ&パンツァー』という作品をご存知だろうか。 

2012年に放送されたTVアニメ作品である『ガールズ&パンツァー』、通称『ガルパン』。「戦車を用いた団体競技=戦車道を通して、少女たちが心を通わせ成長していく」という一見異色の取り合わせながら、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』等で知られる脚本家・吉田玲子氏による繊細なストーリーや、ビジュアル・戦略共に見応えのある「戦車VS戦車」の試合、人気イラストレーター・島田フミカネ氏がデザインを手がける個性的なキャラクターたちなど、本作はイロモノのようでその実「王道」の魅力が満載。 

大きな反響を呼んだTVアニメに続き、2015年には「戦車道」ならではのアツすぎる内容が話題を呼んだ劇場版が爆発的なブームを巻き起こし、今も「最終章6部作」が逐次公開中……と、ここ10年以上に渡ってアニメ市場を牽引している大人気作品だ。

 

 
して、そんな『ガルパン』の舞台となるのが茨城県の大洗市。 

キャラクターたちが日常を過ごす舞台となっているのは勿論、時には「町そのものが試合場になる」など作中でも極めて印象的に扱われており、一方の大洗市も、無数のパネル設置やコラボ商品の販売・積極的なイベント展開など、文字通り「町を挙げて」ガルパンを応援、『ガルパン』と二人三脚でブームを後押しし――結果、このコラボはなんと年間経済効果7億円 (2013~2014年) ふるさと納税額1億円突破 (2015年) と前代未聞のスマッシュヒットを連発し、ガルパンブーム、ひいてはアニメの「聖地巡礼」概念を定着させる程の大きな起爆剤となってみせた。

 


 
今回の記事は、そんな「ガルパンの聖地」大洗に足を運んだレポート記事。ガルパン要素は勿論、大洗で出会った逸品や名スポット……加えて、期せずして出会ってしまった、とある『仮面ライダー』作品の聖地や、ウルトラシリーズにまつわるちょっとしたサプライズについて、自分自身の備忘録も兼ねて書き記しておきたい。

 

《目次》

 

Grand symphony

Grand symphony


大洗観光1日目 - 聖地とグッズとあんこう

今回の大洗旅行のきっかけは、大学時代の後輩に「大洗に行きませんか」と誘って貰えたこと。 

その後輩は以前にも『劇場版』や『最終章』の観賞会を開き、劇場版を見て以降止まっていた自分のガルパン熱を叩き起こしてくれた恩人であり、年1以上のペースで大洗に足を運んでいるというガルパンのプロ。今回の同行者は、彼以外もその大半が大洗に数回足を運んでいる猛者ばかりで、(ありがたいことに) 自分は完全なる「おんぶにだっこ」状態だった。 

大洗に何が待っているのかもよく分かっていないまま、朝9時、某モノレール沿線からレンタカーで出発。おおよそ3時間の旅路を経て大洗に到着すると、まず訪れたのは大洗漁港側の「大洗海鮮市場」!  

f:id:kogalent:20240124184824j:image

 

そう、ガルパンインパクトで時々忘れそうになるけれど、大洗といえば海産物で有名な関東屈指の港町。この大洗海鮮市場は、大洗漁港で水揚げされたばかりの海産物を販売するだけでなく、その場で調理もしてくれるグルメスポット。 

普段は中々お目にかかれない市場の迫力に圧倒されていると、一行はそのままとある店=大洗海鮮市場に隣接する寿司屋『お魚天国 いきいき店』の中へ。  

f:id:kogalent:20240124185043j:image

 

捕れたての海産物をそのまま寿司として出してくれるこちらの『お魚天国』。しかし、まず目を見張ったのは何といってもその圧倒的なボリューム。  

f:id:kogalent:20240124074109j:image

伝わるだろうか、このデカさ。  

この店のネタは何もかもが大ボリュームで、あらゆるネタのデカさ、そして「厚み」が軒並み一般的な店の1.5~2倍はあったような気がする。それは焼き海老やあおさの味噌汁といった寿司以外のメニューも同様で、それでいてハチャメチャに美味い……!! 

これらに加えて、タレがべらぼうに美味かったイカ焼き、えびなども含めて10皿ほどを完食。10皿というと少なく思われるかもしれないけど、前述の通り一皿のボリュームがボリュームなので体感では15~20皿ほど食べた気分。これで一人頭4000円は安すぎる。高いんだけど安い……ッ!!  

f:id:kogalent:20240124074308j:image

(えんがわ、ヒラメ、スズキの三種盛。厚みと肉感が凄まじく、既存のネタとはもはや別物!)

 

こうして開幕から凄まじい洗礼を浴び、寿司屋外でも「蒸しウニ」という海版スイートポテトのような珍味 (人生初ウニ!!) を味わったりしつつ次のエリアへ。 

向かったのは、『ガルパン』本編では映り込む程度の登場だったものの、大洗を一望できるスポットとして人気の大洗マリンタワー。  

f:id:kogalent:20240124074341j:image

タワー内から大洗を見渡すと、程近い場所に大型フェリー・さんふらわあを発見し、同船が停泊する大洗港フェリーターミナルへ。さんふらわあについては諸々の事情で自分だけやたらハイテンションで、一人で外に出てさんふらわあの写真を連写。この時間帯、太陽の位置とかの諸々が絶妙に写真映えするそれだったんですよ……!!  

f:id:kogalent:20240124074402j:image

(おそらく、今回自分が撮ったものではこれがベストショット。寒空に身を曝した甲斐があったというもの……!)

 

フェリーターミナルに続いて向かったのは大洗駅。遂に本格的な『ガルパン』の聖地だ。


f:id:kogalent:20240124074423j:image

(華さんがセンターという珍しいビジュアル。勿論顔ハメ写真は撮影済み)

 

大洗駅は『ガルパン』作中でも度々登場する目玉スポットの一つで、駅構内の売店までしっかり作中に登場していたり。そのためか、駅外に設置された上記パネル以外にも、駅構内に「あんこうチーム以外の隊長たち」が集合した特製ビジュアルが設えられているというこだわりよう! 

そのビジュアルでのクリアファイルなども売られているので、そりゃあ買わない訳にはいかないでしょうよ!とお金を出して「予想外の出費だなぁ」などと思っていたら、ここから先はそんな「予想外の出費」ラッシュだった。

 

 

宿泊先である旅館・肴屋本店から少し歩いた所にある昔ながらの商店街=大洗町商店街 (厳密には、曲がり松商店街や永町商店街など、複数の商店街をまとめての呼称らしい) 。ここでは道行く店という店に様々なキャラクターのパネルが設置されている……のだけれど、パネルが設置されている「だけ」だと思ったら大間違い。  

f:id:kogalent:20240124185217j:image

 

例えば、今回訪問した店の一つがこの『ヴィンテージクラブ むらい』さん。オシャレな外観と、貴重なビールバーで注がれるビール「ギネスビール」が特徴的なこの店には、オレンジペコのパネルやオレンジペコ縁の寄贈品を展示したギャラリーが設けられていたり、  

 

衣服やタオルの販売店で、アンチョビのパネルが設置されている『山戸呉服店さんでは、アンツィオをはじめとする各高校のイメージタオル (キャラクターをプリントしてある、といったものではなく、校章やチームのアイコン等をあしらったオシャレなものばかり!) が販売されていたり……と、単にパネルが設置されているだけでなく、各キャラクターを大切にされていることが伝わる「何か」が必ずあるのが大きな魅力だ。  

そして、中でも自分にぶっ刺さりだったのがこちらの『味の店 たかはし』さん! 

 

大洗の地元グルメであり、『ガルパン』作中にも登場している「みつだんご」。みたらし風のたれをかけた串団子にきなこをまぶしてある……という、みたらしもきなこも大好きな自分にとってはまさに夢のような一品だ。 

だんご自体も、普通のものより柔らかく平べったい形になっていて、たれやきなこがよく馴染むというこだわり仕様。あまりの美味しさに1日目も2日目も食べてしまったけれど、まだまだ食べたりないくらいには美味しかった……!  

f:id:kogalent:20240124074515j:image

(これで一本あたり70円という価格破壊ぶり。もっと高くしていいのよ!?!?)

 

ちなみにこちらの『味の店 たかはし』さん、なんと設置されているパネルは華さん!よく食べる+大和撫子ということで納得のセレクトだ。 

やはりここにも誕生日クリアファイルが売っているということで、僅かに残っていたという過去年度分も含めて購入。結果、華さんがセンターな大洗駅限定クリアファイルと合わせて、グッズの華さん率がエグいことに……! 隊長組に比べて商品化の機会に恵まれない彼女も聖地にかかればこの通り。ありがとう大洗!! この投資は、積年の感謝を込めた支払い……!!  

f:id:kogalent:20240124074530j:image

(中列右は大洗駅隣の観光案内所「うみまちテラス」で購入したもの。ポニテ武部は見逃せない!!)

 

こうして並々ならぬ盛り上がりを見せてくれた商店街巡り、その〆はなんと古墳。商店街を抜けて住宅街に踏み入ると、その奥になんと古墳 (確か「磯浜古墳群」) が佇んでいるのである。恐るべし大洗。 

この古墳、歴史的な背景以上にフォトスポットとして知られている名所で、期せずしてここに立ち寄ったタイミングは夕暮れ時。腹ごなしの散歩になったり、いい感じの写真がたくさん撮れたりと、およそ古墳らしからぬスタイルで満喫。……うわ、旅行っぽいことしてる!!  

f:id:kogalent:20240124074545j:image

(いい感じに雰囲気が出ている筆者だが、頭の中はこの後に控えた夕食のことでいっぱい)

 

こうして日も暮れ、お腹も鳴り始めたところでいよいよ今回のメインイベント=夕食へ。 

前述の通り、実質的に初大洗の自分に対し、同行者は大半が大洗熟練者。そんな彼らが、なぜガルパンのイベントがやっていない時でも足繁く大洗に通うのか――というと、その理由の一つがあんこう鍋。中でも、この『味処 大森』のあんこう鍋が絶品なのだという。    

f:id:kogalent:20240124185406j:image

 

ガルパンを象徴するアイコンでもあるあんこうを用いた濃厚な鍋料理で、「どぶ汁」とも呼ばれるあんこう鍋。同行者の皆が絶賛するこの料理については、しかし自分には大きな不安=「自分、あんこう鍋が苦手なんじゃないか」という懸念があった。 

自分は刺身や寿司こそ大好きだが、生牡蠣のような「クセが強め」+「ゼラチン・コラーゲン系の食感」がやや苦手な人間。一方同行者たちはそんな生牡蠣が大好きな面々。ひょっとして、自分にあんこう鍋は合わないのではないか……。そんな不安が晴れぬまま、いざ対面――!  

f:id:kogalent:20240124174433j:image

う、美味そう……。  

今回食べたのは、オーソドックスなあんこう(どぶ汁) 、出汁を加えずに作る、より濃厚などぶ汁=「漁師のどぶ汁」、そしてあんこうの唐揚げ、あんこうのともず(酢みそで食べる刺身) 、焼き蛤、〆の雑炊+うどん。結論から言うと、これがハチャメチャに美味しかったんですよ……!!    

f:id:kogalent:20240124174504j:image

確かに、懸念はある程度当たっていた (唇など、あんこうのコラーゲン的な部分はあまりピンと来なかった) けれど、それ以外はまさにパーフェクト。 

あんこうの出汁、特製出汁、味噌から作られる鍋は「どぶ汁」という名前に反してクセが少なく、それでいて魚介らしい旨味が存分に出ていて、敢えて例えるならとんこつとちゃんこを足して2で割ったような食べやすいお味。野菜は勿論、特にあんこう白身は文字通り絶品の仕上がり!   

このあんこう白身は今回の大洗旅行でも特に刺さった食材で、一緒に堪能した「あんこうの唐揚げ」なども美味中の美味。クセがないながらも濃厚な味わいが、どぶ汁や唐揚げといった味の濃い料理にベストマッチで、一人暮らしでありながら自宅用のあんこうの唐揚げ購入を本気で悩んだほど。 

市場で食べた蒸しウニなども然り、こういった「自分一人では触れなかったであろう食材・料理」に出会えるのは、誰かと行く旅行の大きな醍醐味。次回は、今回チャレンジできなかったギネスビール等にも挑んでみたいところ……。

 

f:id:kogalent:20240124074647j:image
(ちなみに、前述のあんこうに並ぶかそれ以上に美味しかったのがこの焼き蛤。牡蠣のようなサイズ感や濃厚な味わいにも驚かされたけど、それ以上に「汁」が美味しすぎて、食べた瞬間あまりの衝撃に「アッ!?!?!?!?」と声を上げてしまったり。お、俺は悪くねェ!!)

 

あんこう鍋を堪能し終わると、時刻はあっという間に21時。このまま飲み明かしたい気持ちを抑えつつ、旅館――もとい、1日目最後の聖地、『割烹旅館 肴屋本店』へ!  

f:id:kogalent:20240124074706j:image

(こちらはチェックイン時に撮影したもの)

 

商店街近くにあるこちらの旅館は『ガルパン』本編に2回登場。その2回とも戦車に突っ込まれているというガルパン名物。『ガルパン』に浅い自分にも「ワシの店がァ~!!」のくだりは印象的だったし、パネルがご丁寧に聖グロリアーナ女学院 (TV第4話で突っ込んでいた)ダージリンであることや、映像そのままな店の外観には内心拍手喝采だった。ガルパン×大洗の象徴だよこれ!! 

そんな肴屋本店さん、館内にもダージリンのパネルが別途あるだけでなく、各種ポスターが展示されていたり、聖グロリアーナ仕様の手帳が販売されていたりと、大洗の中でも一際ガルパン愛が溢れる名スポット。こちらの大部屋で『ガルパン』TV本編と劇場版からいくつかのシーンを抜粋した観賞会を行いつつ、12時という健康的な時間に就寝。激動の1日目、これにて終幕……!

 

 

大洗観光2日目 - 神社と惣菜と〆のケーキ

 

大洗旅行2日目、朝。 

健康的かつ美味しい朝食を頂き、各々は出発前にそれぞれの時間を過ごしていた。ちなみに筆者は『ウルトラマンブレーザー』の最終回をリアルタイムで見ていた。  

f:id:kogalent:20240124074851j:image

(固唾を飲んで『ブレーザー』最終回を見守る筆者の図)

 

そうこうしているうちに外出組が帰宅。チェックアウトの時間となり、まず向かったのは巨大な鳥居が有名な大洗磯前神社!  

f:id:kogalent:20240124191143j:image

(勿論こちらも『ガルパン』の聖地。あんこうチームがこの階段を戦車で降りるという離れ業をやってのけていたが、負傷者が出ないのが不思議なくらいの急勾配だった)

 

お守りやおみくじを買ったり、長い階段を登ったり、見事な猿回しに感服するも、お金を出そうとしたら一万円札と100円未満の小銭しかなかったり (流石に万札は出せず、小銭を全部出すことしかできなかった。本当に申し訳なかったです……) といったイベントを楽しみ、印象的なフォトスポットをカメラに収めつつ、ここからは各地での軽食ラッシュへ。 

 

博多明太子で有名な株式会社かねふくが運営する『大洗めんたいパーク』。様々な明太子製品の販売は勿論、イートインや工場見学まで完備と、まさにパークの名に恥じない複合施設だ。こちらで「明太ぶたまん」を頂き、お次は惣菜店『かじま』さんへ。 

f:id:kogalent:20240124185535j:image

 

揚げ物を中心に、惣菜・弁当・海産物を販売されているこちらのお店。その最大の目玉として案内されたのが、この「ずわいがにたっぷりコロッケ」!  

f:id:kogalent:20240124074926j:image

「蟹のコロッケ」と言えばカニクリームコロッケだけれど、なんとこのコロッケは文字通り蟹の身を包んで揚げたコロッケ。この贅沢さながら価格は360円とお値打ちで、更には全国コロッケグランプリで複数回の受賞歴もあったりと味もお墨付き。みつだんご共々、大洗に来たらマストな一品だ。 


(かじまさんに設置されているパネルは自動車部のホシノ。彼女への愛が内装やインタビューなど各所で伺い知れるのが嬉しいポイント!)

 

コロッケに舌鼓を打った後は、ヴィンテージ商品の古着を中心に取り扱うアパレルショップ『CLOSET』さん、そしてショッピングモール『大洗シーサイドステーション』へ。

 

 

CLOSETさんから徒歩圏内にある大洗シーサイドステーションは、『劇場版』で試合の舞台にもなった大洗最大級の商業施設。 

ガルパン専門のグッズショップである『大洗ガルパンギャラリー』 (ここではガルパン×プリンセス・プリンシパルのクリアファイルを購入。こんなコラボいつの間にやってたの……!?) がある他、目玉として欠かせないのが、SAZA COFFEE大洗店で限定販売されている『マリー様のモンブランケーキ』!

 

 

その名の通り、主にBC学園戦車道チーム隊長・マリーが食べているケーキをそのまま再現したこちらのモンブランケーキ。飲み物がセットで1500円とそれなりに値が張るけれど、一般的なモンブランよりもさっぱりとしていて飽きの来ない上品な味わいだったり、ケーキ下部がメレンゲになっている=押田の「三日月型に食べる」という特徴的な食べ方が再現可能だったりと、値段に恥じないクオリティを誇る一品。 

この縦長のケーキを試合中に食べているマリー様、一体何者なんだ……? とつい思ってしまったけれど、そもそも試合中に紅茶を飲んでいる+溢さない無敵のダー様がいるので今更だった。

 

f:id:kogalent:20240124074943j:image

(こちらがケーキの実物。写真に全く劣らないどころか、むしろ写真よりデカくない? と思わされるレベル。魚もケーキもデカい町、大洗……!)

 

こうしてケーキを食べ終え、最後にもう一度大洗商店街へ。各々思い残すことがないよう店を巡る (自分はここでみつだんごをもう一本購入)  と、時刻はあっという間に16時。 

名残惜しさはありつつも、今回はこれまで。さらば大洗、また会う日まで――!


f:id:kogalent:20240124074952j:image

(このポーズの由来はマジック・ザ・ギャザリングから。ガルパンじゃないんかい!!!!)

 

余談 - 突如現れた『仮面ライダー』の聖地

 

・大洗海鮮市場
・大洗マリンタワー
・さんふらわぁ
大洗駅
・大洗商店街
・磯浜古墳群
・味処大森
・肴屋本店
大洗磯前神社
・大洗めんたいパーク
・かじま
・CLOSET
・大洗シーサイドステーション 

この2日間、自分が大洗で訪れた場所はご覧の通り。……これらの中に、とある『仮面ライダー』作品で印象的に登場した「聖地」があることにお気付きだろうか。

 

仮面ライダークウガ!

仮面ライダークウガ!

 

 

「次に狙う獲物は、アレか」
「海に浮かぶ太陽の上で、324が消える……」
「さっきから五代さんの言うてること、綺麗事ばっかりやんか!」
「そうだよ。本当は……綺麗事がいいんだもん」
「 “どうでもいい殺しはさっさと終わらせて、もっと大事なゲームを早く始めたい” 」
「 “これ” でしかやり取りできないなんて……悲しすぎるから」

-「仮面ライダークウガ」 第40話『衝動』次回予告より

 


f:id:kogalent:20240124074402j:image

 

そう、仮面ライダークウガ』第41話『抑制』において、未確認生命体第44号ゴ・ジャーザ・ギのゲリザギバスゲゲルの標的となった大型フェリーこそが、1日目に対面した「さんふらわあ」!  

このさんふらわあ、実は上記の『仮面ライダークウガ』以外にも『キカイダー01』『劇場版 仮面ライダーV3』『仮面ライダーアギト』『仮面ライダーW』『劇場版 秘密戦隊ゴレンジャー』『ゴジラ対メカゴジラ』と数多くの特撮作品に登場している「特撮の聖地」なのだけれど、中でも『仮面ライダークウガ』においては、前述のように「怪人の殺人ゲームの標的」として狙われたり、さんふらわあ号の外見が物語上重要なファクターとして用いられていたり、クライマックスではクウガが船上でゴ・ジャーザ・ギとの激闘を繰り広げたり……と、その扱いが抜きん出て印象的。 

自分にとって『仮面ライダークウガ』は非常に特別な思い入れの作品なので、マリンタワーさんふらわあを見付けた時は思わず目を疑ってしまったし、こんなところで出会えたのはあまりにも嬉しいサプライズ。ありがとう大洗、また来るよ大洗!!


f:id:kogalent:20240124175845j:image

(これは嬉しさのあまり、同行者に必殺のダブルライジングカラミティタイタンをキメてしまう筆者)

 

おわりに - 「ウルトラ」なサプライズと大洗という町

 

それは大洗旅行1日目の日中、大洗商店街にある玩具店「ジョイショップ タグチ」さんでのことだった。

 

 

趣のある、まさに「昔ながらの玩具店」なジョイショップ タグチさん。こういう店は田舎から上京してきたオタクにとってまさに天国で、単にその雰囲気を味わうだけでも楽しかったのに、店内にはジードクローやオーブスラッガーランス、ひいてはエッグベースにパルスブレイガーといったレア物が山ほど置かれているので興奮が止まらなかった。こういうの、こういうの大好き!!

……が、しかし、この店で何より素晴らしかったのは、そういったレア物ではなく店主のお人柄だった。

 

f:id:kogalent:20240124075304j:image

(今回購入した品物たち。過去年度分の無料配布リーフレットというレア物もあったのでありがたく拝借……!)

 

前述のレア物を総なめするとキリがないので、今回は欲しいと思った頃には店頭から捌けてしまっていた『ウルトラマン ニュージェネレーションスターズ』仕様のカードセットや、ウルトラアクションフィギュアのトリガーダーク (これはこれでレア物) で我慢。 

で、これらを購入する際 (自分が傍目に見ても分かるほど盛り上がっていたのか)  店主さんが一声かけてくださいまして。少し話をした結果、なんとご厚意でとある “非売品” をくださったんです。それがこちら。  

f:id:kogalent:20240124181100j:image 

パッと見ただけでは何が何やら、という人が大半であろうこちらのアイテム、なんと数十年前からある由緒正しき代物=玩具店向けに配られるPOP代わりの下敷き(おそらく2020年上半期版)  である。 

無料配布のリーフレットとは違うため基本的に配布はされないし、例外的に貰えたとしてもそれは当然子どもだけ (自分も幼少期に数枚だけ持っていたけれど、どう貰ったのかは記憶にない) 。そんなレア物を頂けたことは勿論嬉しかった……のだけれど、何より嬉しかったのは、このグッズをくださった店主さんのご厚意そのもの。  

都会で社会人をやっている自分にとって、そこに満ちていた「人の優しさ」は何にも代え難いエネルギーだったし、ある意味では美味しい料理や様々な聖地以上に活力を貰える出来事でした。ジョイショップ タグチさん、本当にありがとうございました……!

 

Never Say Goodbye

Never Say Goodbye

 

自分にとって、所謂「聖地巡礼」旅行はこれで二度目。前回訪れたのは『結城友奈は勇者である』の舞台である香川県観音寺市だったのだけれど、今回の大洗も前回の観音寺も、共通しているのは「接する方々が優しい方々ばかりだった」こと。そこには「金を落とすから優しくしておこう」といった打算のない、ごく自然な暖かみがあったように思うのだ。  

それはきっと、皆様の人柄は勿論、町自体が『ガルパン』や『ゆゆゆ』のようなコンテンツを愛してくれているからなのだろうけれど、この状況は決して当たり前のものじゃない。本来、自分達のような「アニメ目当てで来る余所者」は煙たがられる存在だろうし、大洗や観音寺が自分達を暖かく迎え入れてくれるのは、現地の方々の寛容さや、マナーを守り、ファンの印象を守ってくれた先輩方の努力のおかげ。そういったたくさんの人々によって、あの暖かさは作られているのだろうと思う。  

来年でも再来年でも、そう遠くないうちに自分はまた大洗に足を運ぶことになるはず。その時は、今回以上の感謝とマナーを肝に銘じて、その上で心行くまで大洗という町に浸ってみたい。  

大洗の皆様、自分を大洗に連れていってくれた友人たち、本当に本当にありがとうございました。いつかまた “大洗に帰ろう” !