イベントレポート『ツブコン2023』+『ミッションネーム “ガイア” XIGファイターズ Get glory!』- TDG25周年を締め括る、涙と奇跡の “超時空の大決戦”

2023年11月25・26日、円谷プロ創立60周年を祝う円谷作品の祭典=「TSUBURAYA CONVENTION」が (リアルイベントとしては4年ぶりに) 復活開催、「ツブコン2023」の名の下に、東京ドームシティをツブコン一色に染め上げていた。

 

 

2日間、東京ドームシティの各エリアでトークショースペシャルゲストのサイン会 / 撮影会、ウルトラヒーローとの撮影会(ウルトラショット)、果てはステージショーや音楽ライブまで多彩なイベントが開催され、そのすぐ側ではワンダーフェスティバルのように様々な企業がブースを出展する物販エリアが展開されている……と、まさに「祭典」としか言いようのないツブコン。 

自分のような分身能力を持たない薄給サラリーマンにはイベント制覇など到底無理なので、それらの中から「自分でイベントを選び、スケジュールを組んでいく」必要がある。結果、今回自分が選んだ (もしくは、友人からチケットをお譲り頂いて行くことができた) ものは以下の通り。 

・オープニングセレモニー 

・ウルトラショット (コスモス&ジャスティス、ネオス&セブン21) 

・NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 TSUBURAYA CONVENTION 2023 SPECIAL STAGE 

・『ウルトラマンガイア』25th ミッションネームガイア XIGファイターズ Get glory! 

ULTRAMAN MUSIC LIVE~ウルトラマン魂2023 

山田裕貴の「ULTRAMAN:RISINGのおかげで、ウルトラマンプロ野球選手、2つの “小さい頃からなりたかったヒーロー” になれた」というエピソードやダークネスヒールズのアニメ化、そしてまさかのダークホース「 “かいじゅうのすみか” を題材にした本格SF小説」に歓喜したオープニングセレモニー。 

ウルフェス2012の再演を交えた歪な構成に疑問符を浮かべつつも、『ANOTHER GENE』要素の回収や初の生ウルティメイトファイナルに息を呑んだジードパートや、遂に帰還し、トライスクワッドとの再会に本当に涙するヒロユキが拝めたタイガパート、そして何より圧巻のニュージェネ大集合に拍手喝采だった『NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 TSUBURAYA CONVENTION 2023 SPECIAL STAGE』。 

そして、フューチャーモードのコスモス、そしてクラッシャーモードのジャスティスという『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』コンビと念願の写真が撮れるも、なぜかジャスティスが神妙な浮かべていたウルトラショット。

 

  

 

大混雑の物販エリアを横目にこれら3つのイベントに参加、帰宅した頃にはもうお腹一杯の疲労困憊だった1日目のツブコン2023。しかし、ここからがこのイベントの「本番」だった。  

詳細なレポートは他の参加者諸兄にお任せするとして、今回の記事では、その中でも特に「事案」だった2つのイベント=『ウルトラマンガイア』25th ミッションネームガイア XIGファイターズ Get glory!、そしてULTRAMAN MUSIC LIVE~ウルトラマン魂2023について振り返っていきたい。

 

※下記、『TSUBURAYA CONVENTION 2023』内で開催された各イベントの他、2023年秋に公演された舞台『TDG THE LIVE ウルトラマンガイア編 〜未来への誓い~ 』等関連作のネタバレが含まれます、ご注意ください!※

 

《目次》

 


前段 ~ 「ニュージェネガイア」問題と『TDG THE LIVE ウルトラマンガイア編』という回答

 

それでは早速、ツブコン2日目における最初の「事案」こと『ウルトラマンガイア 25th ミッションネームガイア XIGファイターズ Get glory!』を振り返っていきたい……のだけれど、その前に、2023年のウルトラシリーズを象徴するトピック=「ニュージェネレーションガイア」問題に触れておかなければならない。

 

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「ニュージェネレーションガイア」問題とは、要するに『トリガー』『デッカー』と「NEW GENERATION TD」シリーズが続いたことでほぼ自明だった「次のTVシリーズは作品はニュージェネレーションガイアだろう」という予想に反し、新作TVシリーズが歴代作品と関わりを持たない『ウルトラマンブレーザー』だったことに賛否が巻き起こった……という一連の出来事。
この問題は当初こそ様々な意見・憶測が飛び交ったものの、『ブレーザー』のメガホンを取る田口清隆監督から直々にコメントが出された (参考:https://cocreco.kodansha.co.jp/telemaga/news/feature/blazar/3DoYX) こと、ブレーザーが『ガイア』の魂を継ぐかのようなSFを見事見せてくれていること、そしてもう一つ、円谷プロから衝撃的な「回答」が出されたことで、事実上の「終止符」が打たれることとなった。

 

 

ウルトラマンガイアとウルトラマンアグル、2つのスプリーム・ヴァージョン (SV) が一つになって生まれた「地球が生んだ究極の光」=ウルトラマンガイア スーパー・スプリーム・ヴァージョン。 

夏のイベント『ウルトラヒーローズEXPO サマーフェスティバル 2023』で初登場して以降人気爆発となったこの新たなスーパーウルトラマンは、ステージで「トリガー・デッカーと並び立つ」シーンがあることからも明らかな「ニュージェネレーションガイア」そのもので、何かと波紋を呼びがちだったNEW GENERATION TDGにおける絶対的な回答として大きな反響を呼んでいた。

 

 

一方、そんなスーパー・スプリーム・ヴァージョン唯一の欠点が、2021年の『ウルサマ』で初登場となったアグルSVと異なり「ストーリーが用意されなかった」こと。 

というのも、SSVは前述の『ウルサマ2023』ライブステージにおけるフィナーレ=所謂「おまけパート」での登場であり、ステージ本編内で解禁された新規スーツのゼロ (ワイルドバースト) やゼット (デスシウムライズクロー)インパクトが絶大だったこともあって、正直「せっかくのガイア25thに勿体無いな……」と、そう思っていた。「例の舞台」の報せを聞くまでは。

 

 

『TDG THE LIVE』とは、その名の通り、25周年を迎えた『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』『ウルトラマンガイア』をメインにした舞台作品シリーズで、 その第3作がこの『TDG THE LIVE ウルトラマンガイア編 〜未来への誓い~ 』。 

脚本を執筆するのは、本家ウルトラシリーズは勿論、前作『TDG THE LIVE ウルトラマンダイナ編』において「ラセスタ星人、ヒマラと共に戦う中で、本当の “ウルトラマン” へと成長するグレゴール人」「 “ダイナ主体の” ウルトラマンサーガ」という驚愕のシチュエーションでファンの度肝を抜いた足木淳一郎氏。だったら今回も……というこちらの予想通り、この『ガイア編』もその内容はまさに驚天動地の代物だった。 

・ガイアV1とアグルV1のスーツを用いた、生『ウルトラマンガイア』第25~26話+第41話のアグル復活シーンの生ダイジェスト(ナレーションは、今回なんと主演として登壇された高山我夢役・吉岡毅志氏!) 

・所謂「司会のお姉さん」枠がなんとKCBのアナウンサー (とカメラマン) 

・ガイアとアグルを主人公に『ガイア』の25年後を描くストーリー 

・第42話『我夢VS我夢』のビゾームと同じ手口を使うサタンビゾーに追い詰められ、なんとV1に「ヴァージョン・ダウン」してしまうアグル (しっかり「ヴァージョン・ダウンといったところか」と言及される) 

・ガイアから光を渡されV2にヴァージョン・アップし、クァンタムストリームなどの「ガイアの技」を習得、更には第26話『決着の日』と同じ台詞+BGMでスプリーム・ヴァージョンに転身するアグル  

(その後、ガイアV1、V2、SV、アグルV1、V2、SV VSファイブキングというとてつもないシチュエーションまで爆誕。ここまでが前半=『ヴァージョンアップ・ファイト! ~side Blue~ 』)

 

・根源的破滅将来体の迎撃に向かうも、ガイアをワームホールに逃がし、一人囚われるアグル 

・ギンガの地球へ飛ばされ、アドベンチャーで帰還する我夢 (ビクトリーが我夢に「自分と近い力」を感じたり、企画段階でのみ存在していた『ギンガ』に我夢が出演するプロットの回収にもなっていたりと非常に芸が細かい……!) 

・ビクトリーから託されるビクトリウムを基点に、我々「地球に生きる命」の光を届け、ガイアとアグルを復活させる「ミッションネーム・ガイアよ再び」  

・我々の望みに応じて、ティガ・ダイナ・ガイア・アグルを集結させる「赤い球」  

・復活したゾグを迎え撃つ為にガイアとアグルが合身、誕生するウルトラマンガイアSSV 

(ここまでが後半=『地球はみんなの星』)

 

 

これが!!!!!これが「NEW GENERATION GAIA」……ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

『ティガ』を現代風に再解釈した作品と言える『トリガー』、ウルトラマンダイナから受け継がれた光である『デッカー』……に対し、ストレートな「25年後の続編」の中で自ら「NEW GENERATION GAIA」へと至ってみせたガイアとアグル。  

舞台という限られた尺、かつ「環境問題」の複雑さからか、トリガーやデッカーのような「テーマの再解釈・再定義」には踏み込み切れなかったものの、その分ファンサービスに全力投球してくれた本作は、TVでニュージェネレーションガイアが描かれなかったことを補って余りある満足度の、謂わば盛大な「感謝祭」。様々な可能性を拓きつつも多々波紋を呼んでしまった令和TDG3部作を「有終の美」で締め括る、これ以上ないグランドフィナーレだったと言えるのではないだろうか。

 

 

ウルトラマンガイア』25th ミッションネーム “ガイア” XIGファイターズ Get glory!① - トークショーパート

 

前置きが長くなったけれど、ここからは気を取り直してツブコン2023激動の2日目。その幕開けを飾ったのが、問題の「事案その1」こと、『ウルトラマンガイア』25th ミッションネームガイア XIGファイターズ Get glory!だ。

 


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引用:https://twitter.com/tsuburaya_event/status/1728585677087097165?t=ZxzJ7Xh5tet8grrQigrv9A&s=19

 

『XIGファイターズ Get glory!』は、その名の通り、『ウルトラマンガイア』の25周年を祝し、主人公=高山我夢役・吉岡毅志氏と、藤宮博也役・高野八誠氏は勿論、なんと 

・チームライトニング 梶尾克美リーダー役=中上雅巳氏 

・チームファルコン 米田達彦リーダー役=賀川黒之助氏 

・チームシーガル 神山篤志リーダー役=権藤俊輔氏 

・チームハーキュリーズ 吉田悟リーダー役=松田優氏 

・チームハーキュリーズ 桑原孝信役=中村浩二氏 

と、XIG各チームのメンバー5人が集結、更に司会進行を務めるのはオペレーション・クルー ジョジー・リーランド役のガウ氏と、実に8人もの『ガイア』キャストが顔を揃える、リアルタイム世代のファンにとってはまさに夢のようなトークショーだった。  

(ちなみに、本イベントの会場は東京ドームシティホテルB1Fの大宴会場。ツブラヤストアで後々販売されそうなXIG隊員証に加え、少なく見積もっても3000円はかかるであろう弁当まで用意されており、友人と「いつ食べろっていうんだ……」と困惑しきりだった。オッケーのアナウンスが出たので開演前に食べました)

 

そんな本イベントでは、インタビュー/クロストーク形式で各キャスト陣から様々な思い出・裏話が語られたのだけれど、その内容は「乗員が乗員だけに、XIGスティンガーの中が熱くて狭かった」「我夢が細すぎてチームハーキュリーズの面々に心配されていた」のような思わず笑ってしまうようなものから、「チームファルコンは生き急ぐかのような戦い方の準レギュラーだったので、いつ退場するのかとハラハラしながら台本を読んでいた」という笑っていいのかどうか怪しいものまで多種多様。 

中でも個人的に印象深かったのが梶尾克美リーダー役=中上雅巳氏のトーク。「アッコの姉ちゃんが糸でグルグル巻きになっちゃって」「ビルにファイターから飛び込んで」と、梶尾の主役エピソードである第30話『悪魔のマユ』の内容に踏み込んで言及したり、「撮影中、いつ自分がウルトラマンになるのかと楽しみにしていた」のような裏話を披露したり、最終章の印象的な場面として、第50話『地球の叫び』での「忘れていたわけじゃない……。ファイター1機飛ばすのに、どれだけ大勢の人が働いていたのかを」という梶尾の台詞を「ガイアという作品を作っているスタッフの方々と重なった」と引用してくださるなど、氏の『ガイア』愛にこちらまで嬉しくなる素敵なトークだった。

 

 

ウルトラマンガイア』25th ミッションネーム “ガイア” XIGファイターズ Get glory! ② - ステージパート

 

他にも、ジョジー役のガウ氏こそが「Get glory」の名付け親 (石室コマンダー役・渡辺裕之氏に候補を渡され、その中からガウ氏が選んだのだとか) ことが明かされたり、権藤俊輔氏と中村浩二氏が終始「ガイアのスーツアクター」ではなく「神山と桑原を演じた俳優」としてトークされるなど、あまりにも貴重な機会だった今回のトークショー。 

しかし、このイベントはお値段20000円という超高額スペシャルイベント。トークショーに豪華弁当、しっかりしたノベルティ……に加えてもう一つ、凄まじい「ご褒美」が待っていた。それが、本イベント冒頭に行われたスペシャルステージだ。

 

ウルトラマンガイア!

ウルトラマンガイア!

  • 田中昌之
  • アニメ
  • ¥255

 

再び現れた根源的破滅将来体と戦う最中、ワームホールに飲み込まれてしまったガイアとアグル。変身が解除された2人が迷い込んだのは、なんとこのイベント会場。ジョジーではなく「ガウ」として接するガウ氏と、「我夢」「藤宮」として現れた2人のアドリブトークはそれだけですこぶる面白かったのだけれど、「初めてガイアに変身した時、どんな気持ちだった?」という質問に対する我夢の返答=「どうしてみんな僕がガイアだって知ってるんだぁ~~っ!?」という台詞で思わず息を呑んでしまった。な、生の『超時空の大決戦』だこれ!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

事態の元凶は、根源的破滅将来体の使徒を名乗る存在。別世界で弱体化するというガイアの弱点を付く為に、赤い球 (勿論『超時空の大決戦』の彼女) を利用し、ガイアとアグルを我々のいる「ウルトラマンがフィクションである世界」に飛ばしたのだという。 

自分が25年越しに「勉くんになってる!!」という喜びと「THE LIVE ガイア編を経てもまだまだ切り口があったのか……!」という冷静な感動とでこの時既に情緒がおかしくなり始めていたし、「赤い球の呼びかけに応じて、参加者が “がんばれ” の光を届ける」ことでティガ・ダイナが降臨、ガイアSV・アグルSVと並び立った時には「20000円の元、取れたァ~~~!!!!!!!」と拍手喝采の狂気乱舞。ところが、このステージの「真髄」はここからだった。


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引用:ツブコン2023『ウルトラマンガイア』25周年イベントにキャスト集結!ガイア&アグル全ヴァージョンも揃い踏み!見逃し配信もスタート! - 円谷ステーション

 

4人のウルトラマンに撃破された根源破滅使徒が最後に呼び出した最強の怪獣は、なんと今回が初復活となるキングオブモンス! (自分含め、おそらくその場の) 誰もが「ラスボスはゾグかファイブキングだろう」と予想していた中、突如叫ばれた「キングオブモンス」の名前に会場は騒然、現れた新造スーツに歓声と絶叫が響き渡るというとんでもない事態に。 

……というこの状況下、本ステージは更なる衝撃のサプライズを放り込んできた。


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引用:ツブコン2023『ウルトラマンガイア』25周年イベントにキャスト集結!ガイア&アグル全ヴァージョンも揃い踏み!見逃し配信もスタート! - 円谷ステーション

 

赤い球が観客の想いを糧に呼び出したもう一人の人物。それはなんと、KCBのレポーター・吉井玲子 (役の石田裕加里氏) 御本人! 石田氏は『ガイア』出演後すぐに女優業を引退されていたため、今回の出演はともすればキングオブモンス以上のとてつもないサプライズだった。 

そして、彼女=吉井玲子がいるということは、ただでさえ劇場版のように「赤い球に祈ってティガ・ダイナを呼び出す」ことができた我々が、今度は本編最終章のようにガイア・アグルへ想いを届けられるということ。

 

Lovin' You Lovin' Me

Lovin' You Lovin' Me

  • B. B. WAVES
  • アニメ
  • ¥153

 

玲子さんに背中を押され、口々に「ウルトラマン」「ガイア」「アグル」の名を叫ぶ観客一同。その想いが届き、ガイアとアグルは (TV最終回の変身と同じ構図で) ウルトラマンガイア スーパー・スプリーム・ヴァージョンへと合体変身! 

そんな「ガイアとアグルが一つになった姿」であるSSVの隣に並び立つティガ&ダイナ。そして、彼ら3 (4) 人の前に立ちはだかるのはキングオブモンス。それはまさしく、我々TDG世代が待望してやまなかった「ティガ・ダイナ・ガイア・アグルが、共にキングオブモンスに立ち向かう」という夢を具現化したものであり、正真正銘「TDG25周年のグランドフィナーレ」。  

ウルトラマンガイア』こそが第1話から追いかけた初めてのヒーローだった自分にとって、この1時間半は文字通り最高の「ご褒美」でした。ありがとう、ウルトラマンガイア……!!


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引用:ツブコン2023『ウルトラマンガイア』25周年イベントにキャスト集結!ガイア&アグル全ヴァージョンも揃い踏み!見逃し配信もスタート! - 円谷ステーション

 

ULTRAMAN MUSIC LIVE~ウルトラマン魂2023

 

こうして、ツブコン2023 2日目の幕開けから1000000億万点を叩き出した『ウルトラマンガイア』25th ミッションネームガイア XIGファイターズ Get glory!。 

ステージ、トークショーの後には、観客の「ガイアー!」「アグルー!」の声でガイア&アグル全ヴァージョンが登場、キャストと並んでのフォトセッション……というとんでもない時間も控えており、イベントは最高潮のまま幕を下ろすこととなった。

 

 

が、まだまだツブコン2023 2日目は始まったばかり。友人たちが各々の戦場へ向かう中、自分はようやく物販コーナーに入れたり、20年来の念願だった「ネオス&セブン21とのウルトラショット」を撮ったり、勢い余ってトリガー&カルミラの写真を購入してしまったりと東京ドームシティを駆け巡り、来る17時からは最後のイベント=『ULTRAMAN MUSIC LIVE~ウルトラマン魂2023』に参戦。

 

 

サムネイルの時点で超豪華な面々が並ぶ本ライブ。そのセットリストは以下の通り。(全て敬称略)  

1.ウルトラQ メインテーマ (演奏)
2.ウルトラマンの歌 (出演者一同)
3.オーブの祈り (影山ヒロノブ&ボイジャー)
4.英雄 (遠藤正明)
5.Buddy,steady.go! (林勇畠中祐)
6.GO AHEAD 〜すすめ!ウルトラマンゼロ (つるの剛士&ボイジャー)
7.ウルトラマンマックス (松原剛志)
8.インパーフェクト (オーイシマサヨシ)
9.ウルトラマンX (ボイジャー)
10.ウルトラマンギンガの歌 (ボイジャー)
11.ウルトラマンガイア! (松原剛志)
12.Wake up Decker! (SCREEN mode)
13.カナタトオク (影山ヒロノブ)
14.僕らのスペクトラ (きただにひろし)
15.TAKE ME HIGHER (佐久間貴生)
16.ご唱和ください 我の名を! (遠藤正明)
17.Promise for the future (畠中祐)
18.GEEDの証 (濱田龍臣&ボイジャー)
19.Spirit (松原剛志)
20.Trigger (佐久間貴生)
21.Hands (オーイシマサヨシ)
22.ウルトラマンメビウス (松原剛志ボイジャー)
23.ウルトラマンダイナ (前田達也)
24.ULTRA HIGH (影山ヒロノブ)
25.君だけを守りたい (つるの剛士)
26.ウルトラマンレオ (真夏竜)
27.ウルトラマンタロウ (福沢良一)
28.ウルトラセブンの歌 (出演者一同)

 

あ、圧巻……!  

あまりに豪華すぎてどこから言及したものか……となってしまうけれど、まず感動させられたのは「平成ウルトラマン」のOP主題歌をコンプリートしてくれたこと。当然一部はカバーでの歌唱だったけれど、その「カバー」にこそ感動させられるものも多く、中でも、フルコーラスが初披露となった佐久間貴生氏歌唱版『TAKE ME HIGHER』には『ティガ』『トリガー』双方のファンとしてまさに感無量だった。

 

 

前述の『TAKE ME HIGHER』以外にも、遠藤正明氏による『英雄』のカバーや、松原剛志氏×ボイジャーによるミックス版『ウルトラマンメビウス』、オーイシマサヨシ氏による『インパーフェクト (自分は『インパーフェクト』がSSSS.シリーズの中で一番のお気に入り楽曲なので嬉しくて嬉しくて……!) など、本ライブでは実質的な「サプライズ枠」が満載。 

他にも、『Wake up Decker!』や『ご唱和ください 我の名を!』、果ては『僕らのスペクトラ』に至るまで観客のコール・合いの手が限りなくパーフェクトだったり、登場したウルトラマンたちのパフォーマンスが非常に凝っていたり (『ウルトラマンレオ』では、登場したレオが真夏竜氏とダブルフラッシャーの構えを取るという粋なファンサービスも!) と、どの歌も文字通り「語り尽くせないくらい」素晴らしいもの。本当に、本当に最高のライブをありがとうございました……!

 

 

おわりに ~ ツブコン2023に満ちていた “愛”

 

前述の通り、素晴らしい演出や歌唱で大盛り上がりだった『ULTRAMAN MUSIC LIVE~ウルトラマン魂2023』。しかし、その中には数ヵ所、他と異なる方向性での “愛” と “敬意”、そして “感謝”  に満ちた瞬間があった。  

それは、故・水木一郎氏の楽曲=『オーブの祈り』『GO AHEAD 〜すすめ!ウルトラマンゼロ〜』。スクリーンに氏の姿が映し出されたり、アーティストやウルトラマンのパフォーマンスが「空の向こうへ歌を届ける」ものになっていたり、各々が「アニキ」への感謝の言葉を述べたり……と、アーティストやスタッフ、観客一同で氏への祈りを捧げる特別な時間になっていた。 

そして、ウルトラマンの音楽に深く携わり、光の国に旅立たれたばかりの方がもう一人。

 

 

アンコールでの『ウルトラセブンの歌』合唱終了後、舞台から捌けるつるの氏が叫ばれた「団さん」の名前。その名前に思いを馳せつつ、退場アナウンスを耳にしていると――入れ替わるように流れ出す『戦え!ウルトラマン』の歌。そして、スクリーンに映し出される『大決戦!超ウルトラ8兄弟』での郷秀樹=故・団時朗氏の勇姿。 

瞬間、会場の解散ムードが消滅。半数以上の観客が席を立たず、更には (自分含めた) 皆で『戦え!ウルトラマン』を歌い始めるという、およそ終演後とは思えない「もう一つのアンコール」が幕を開けた。その合唱は『戦え!ウルトラマン』が終わり、『帰ってきたウルトラマン』に歌が変わっても止むことなく、会場からは「団さんありがとうーー!!」「寂しいよーー!!」といった声が聞こえ続けていた。

 

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一時は『ウルトラマンZ』で終わるかもしれないとさえ言われていたウルトラシリーズだけれど、2023年の今も『ウルトラマンブレーザー』が放送中かつ『ULTRAMAN:RISING』も配信間近と、むしろシリーズは一層の盛り上がりを見せている。 

それは、『ウルトラマンZ』や『シン・ウルトラマン』を初めとした人気作によってシリーズに脚光が当たったから……というのは勿論だけれど、何よりの理由はキャスト・スタッフら「製作陣の愛」なのだろうと思う。  

『XIGファイターズ Get glory!』にせよ『ULTRAMAN MUSIC LIVE~ウルトラマン魂2023~』にせよ、このツブコンで開かれたイベントは、いずれも我々視聴者だけでなく、他ならぬ作り手たちが作品をこよなく愛し、大切にし続けてくれたこそ実現したもの。だからこそ、このツブコンのみならず、円谷作品のイベントはどうしようもなく「暖かい」。

 

 

そして、そんな「ツブコン」は来る2025年に第3回が開催予定。  

激動の2年後に備えて、自分もせっせと倹約に励み、持てる力で円谷プロ作品を応援し――そして、いつまでも作品を愛してくれるヒーローたちの姿に恥じないよう、真っ直ぐ前を向いて毎日を生き抜いていきたい。