祝サントラ配信!『ウルトラマンZ』~『ウルトラマンレグロス』おすすめBGMセレクション

 

夏はウルサマ!(時候の挨拶) (会期終了2日後)

さてさて皆様、遂に来ましたね。「この時」が……!!!!

 

 

『ウルトラギャラクシーファイト』シリーズと『シン・ウルトラマン』のサントラを除き、CDはおろか配信でさえリリースされなかった『ウルトラマンZ』以降のウルトラシリーズのサントラが、本日からまさかまさかの一挙配信!ウルトラマンZ』『トリガー』『デッカー』は勿論、そのラインナップに『レグロス』や『ブレーザー』もあるというからもう嬉しくて嬉しくて……!!!! 

ということで、今回の記事では (現行作品のため判断材料が足りない『ブレーザー』を除く) 今回初配信となる楽曲の中から「この曲が特にオススメ!」という逸品を筆者の独断と偏見で2曲ずつピックアップ。  

待望のサントラを配信してくれた円谷プロダクション様への感謝や、今回の配信が気になってはいるけど「どの曲が “探している曲” か分からない」という方の助けになるように……という思いも込めて、各楽曲について思うまま振り返っていきたい。  

※記事中に貼り付けてあるitunesのプレビューはあくまで試聴かつ再生位置がランダムな為、文の内容と秒数が対応していなかったり、「これは何の曲?」とピンと来なかったり……となってしまう可能性があります。ご了承ください。


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引用:『ウルトラマンブレーザー』他、計5作品のオリジナルサウンドトラック 8月30日(水)より配信開始! - 円谷ステーション

 

《目次》

 

ウルトラマンZ (作曲:安瀬聖)

 

①『戦闘曲ー優勢③』

 

ウルトラマンZ』はウルトラシリーズ全体で見てもとりわけ劇伴の印象が強い作品の一つ。人気楽曲のうち、ボイスドラマのテーマとして知られた『ウルトラマンゼット オリジナル』や、次回予告でもお馴染み『ウルトラマンゼット アルファエッジ』などは『勝利確定! 〜ウルトラヒーロー バトル・ミュージック・コレクション ニュー・ジェネレーション編』でも収録されていたけれど、残念ながら自分が特に欲しかった楽曲は収録されていなかった。そんな「手に入れられずじまいだった」ものの一つがこの『戦闘曲ー優勢③』。 

戦闘曲-優勢③ (UZ-M09)

戦闘曲-優勢③ (UZ-M09)

 

イントロこそ馴染みがないけれど、6秒から「あれかぁ!」となり、26秒から「えっこれもこの曲なの!?」となる方は多いハズ。 

というのもこの『戦闘曲ー優勢③』、序盤と終盤は「変身バンク」や「これまでのあらすじ」パートで頻繁に使われる楽曲で、中盤は、第7話『陛下のメダル』において「スカルゴモラの前に、夕陽を背に現れるジード&ゼット」のシーンで使われたことが印象的な戦闘曲……というZオタク垂涎のよくばりセット。これが200円で買えてしまうのだから本当にありがたいし「どちらかが手に入らない」のようなことにならなくて本当に良かった……!

 

 

②『ジード強化』

 

自分が『ウルトラマンZ』で一番好きな楽曲がコレ。待った甲斐がありましたよぉ!! 

ジード強化 (UZ-M06)

ジード強化 (UZ-M06)

 

ウルトラマンジードが、ニュージェネレーションの先輩であるギンガ、エックス、オーブの力で変身する新形態=ギャラクシーライジング。その変身BGMが『Ultra Spiral』のアレンジというだけでも昇天モノなのに、そのアレンジはさながらギャラクシーライジングのデザインや荒々しいファイトスタイルを思わせる痛快なメタルサウンド! 

そんな曲をBGMに行われる変身シークエンスは、坂本監督の演出やリク役・濱田龍臣氏のキレも相まってニュージェネ屈指の名バンク。あまりにもそのバンクが完成されすぎていたせいで、この『ジード強化』にはまだお目見えしていない隠されたパートがたくさんあるということを自分は考えもしていなかった。  

そのことが明かされたのは、なんと『Z』ではなくこちらの作品。  

 

そう、『ジード強化』のまだ見ぬパートを披露してくれたのは『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』Episode 1。この作品についての説明は割愛するけれど、是非見て欲しいのが上記動画の15:00~頃、廃棄されたベリアル軍の要塞で戦うジードにゼットからギンガ、エックス、オーブのメダルが返還され、ジードが再びギャラクシーライジングに変身する――というシーンに始まりジード強化』がほぼフル尺で使われる一連! 

BGMとピッタリのリズムでゴモラアーマーを纏うエックス、ベータスマッシュに変身するゼット、そしてそんなゼットと共闘するタイタス……!! ただでさえ熱いシチュエーションを『ジード強化』のメロディがこれでもかと盛り上げつつ、音ハメのような絶妙なテンポ感でアクションやカットインが展開されるこの一連は、まさにBGMという文化の真骨頂。このシーンのおかげでただでさえ好きだった『ジード強化』に尚一層惚れ込んでしまい、曲聞きたさでEpisode 1を無限リピートしていた身としては今回の配信で命を救われた気分。やっぱり音源が手元にあると「安心感」が違うんですよ……!

 

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(上記の『運命の衝突』Episode 1は他にもファン垂涎のシーンが目白押し。オススメポイントはこちらに纏めてありますので、見たことのない方は是非!)

 

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA (作曲:坂部剛)

 

①『Trigger ver.VICTORY』

 

『トリガー』といえば、主題歌『Trigger』のアレンジ劇伴が多く作られ、作中でも多用されていたことが記憶に新しい作品。その中でも特に印象的なのがこの『Trigger ver.VICTORY』! 

Trigger ver. VICTORY (UT-M7)

Trigger ver. VICTORY (UT-M7)

 

オーケストラ調の勇壮かつ重厚なアレンジが魅力的なのは勿論、この楽曲は使われたシーンも印象的なものばかり。第8話『繁殖する侵略』での、デルタライズクロー+スカイタイプの同時変身~キングジョーSCとの最終決戦や、第12話『三千万年の奇跡』におけるグリッタートリガーエタニティへの初変身シーン。そして、なんといっても第24話『闇の支配者』における、トリガー&トリガーダークVSメガロゾーア第一形態!

 

 

ヒュドラムとの決着を迎え、真の仲間となったケンゴ=トリガーとイグニス=トリガーダークの初の共闘を彩ったのが、他でもない『Trigger ver.VICTORY』! この戦いは、シチュエーションの素晴らしさは勿論、2人の美しい連携や、ここでしか見ることのできないグリッター+ダークのダブルゼペリオン光線などといった印象的な画の数々と荘厳なBGMがバチっとハマった名勝負で、この曲を聴くことで改めてその感動に浸れるのがたまらない……! 自分、この一連がシリーズでも指折りに好きなんですよ!

 

 

②『トリガー トゥルース』

 

 

説明不要!!!!!!!!!!!最高!!!!!!!!!!!一番待ってた!!!!!!!!!!!大好き!!!!!!!!!!!ありがとうございます円谷プロダクション様!!!!!!!!!!!ありがとうございます坂部剛大先生!!!!!!!!!大好きですトリガートゥルース!!!!!!!!!!!!!

 

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ウルトラマンデッカー (作曲:末廣健一郎)

 

①『戦闘ー優勢③』

 

TV本編では滅多に挿入歌が使われないこともあり、BGMの印象が強かった『ウルトラマンデッカー』。中でも「キメ曲」として印象的だったのが、前述の『Trigger ver.VICTORY』と同じOP主題歌のオーケストラ調アレンジ=『戦闘ー優勢③』。爽やかで明るい『Wake up Decker!』とのギャップもあって重厚感が映えに映えている……というのは勿論なのだけれど、この曲の魅力と言えばやはり下記のシーンを思い出してしまう。

 

「巻き込まれたからじゃない、俺は今、俺の世界を守りたいんだ! こっちは俺に任せて、さっさと未来へ帰りやがれ!!」
「ガキが……デケェ口叩きやがって」
「ガキじゃねぇッ! ……アサカゲ博士、いや、アガムス! 俺は俺の故郷、地球を守る!!」

-「ウルトラマンデッカー」 第15話『明日への約束』より

 

戦闘-優勢③ (UDe_M-9)

戦闘-優勢③ (UDe_M-9)

 

「輝け……フラッシュ! デッカーーーーッ!!」

-「ウルトラマンデッカー」 第15話『明日への約束』より

 

自身の願いを悟り、決意と共に先代ウルトラマンデッカー=デッカー・アスミからの「継承」を果たしたカナタ。最初期に撮影したであろうバンクとはもはや別人のように勇ましい「輝け……フラッシュ! デッカーーーーッ!!」だけでも涙腺が危ういのに、そこで一瞬流れる『戦闘ー優勢③』の感慨深さとカッコよさったら……!! 

更に、このシーンで『戦闘ー優勢③』が使われるというのは、ただカッコいいだけでなく「ここが真の『Wake up Decker!』」ということも表している演出。そういったストーリーとのシンクロも相まって、この変身シーンは『戦闘ー優勢③』のまさに晴れ舞台と言えるだろう。 

そして、第15話といえば「触れなければならない劇伴」がもう一つ……!

 

②『ダイナミックタイプ』

 

個人的に『デッカー』で最も印象深い劇伴がこの『ダイナミックタイプ』! 変身バンクでも流れる力強いイントロや『フラッシュタイプ』をよりアップテンポ+パワフルにしたかのように曲調は、まさしく「ダイナミック」と形容するのがピッタリなパワフルさ。初披露となる第15話=ダイナミックタイプの初陣においてはなんとこの劇伴がフル尺で採用され、何もかもが右肩上がりだった第14・15話のフィナーレを存分に輝かせてくれていた。 

更にもう一つ、この『ダイナミックタイプ』といえば欠かせないのが第21話『繁栄の代償』でのデッカー・ダイナ共闘シーン!

 

 

デッカー・ダイナミックタイプとダイナ・ストロングタイプが並び立ち、テラフェイザー・スフィアジオモスへ挑んでいく作中屈指の名勝負。なんとここでも『ダイナミックタイプ』がフル尺で使われているのだけれど、勇壮かつ力強いメロディはウルトラマンダイナとも意外なほど相性抜群。  

総じて、暗くなりがちだった『デッカー』後半戦を支えた「立役者」とも言えるのが、この『ダイナミックタイプ』なのではないだろうか。

 

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ウルトラマングロス (作曲:中村康隆)

 

①『レグロスのテーマ』

 

『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』そしてそのスピンオフ『ウルトラマングロス』の新規劇伴を収録するのが『ウルトラマングロス オリジナルサウンドトラック』。当然他のアルバムに比べ曲数が少なく、個々の楽曲を聴く場面も多くはなかった……のだけれど、『レグロス』特有の世界観にマッチしたメロディや、後述の「使われ方」もあってか、どの劇伴も非常に印象的だ。

 

 

中でもとりわけ印象的だったのが『レグロスのテーマ』。『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』で唐突に現れた謎のウルトラマン=レグロスにすぐさま惚れ込んでしまった理由の大部分はこのBGMです、と言えてしまうくらいには大好きな楽曲だ。 

レグロスのテーマ (UR_M-1)

レグロスのテーマ (UR_M-1)

  

「お前は……まさか!」

「ありがとう、貴女のおかげで、光が戻りました」
「良かった……!」
「誰がコスモ幻獣拳の総帥だって?」
「何!?」
「俺だ……。俺がコスモ幻獣拳総帥、ウルトラマングロスだ!」

-「ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突」Episode 6 より

 

やはり『レグロスのテーマ』と言えばこのシーン! ここで楽曲の〆とレグロスの紹介カットが重なるタイミングが完璧すぎて本ッッッ当にカッコいいんですよ……!!
アブソリュートディアボロに幻獣覇王拳を放つシーンで用いられたアレンジ版楽曲『レグロスの戦闘曲』共々、少ない使用回数で強烈な印象を残した『レグロスのテーマ』。けれど、この劇伴の使用シーンで一番の「お気に入り」はまた別にあって……。詳しくは後述。

 

 

②『レグロスのテーマ-感動b』

 

前述の『レグロスのテーマ』の重厚なアレンジ曲で、同作の世界観にも非常にマッチした『レグロスのテーマ-感動b』。この楽曲といえば、個人的には『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』Episode 9において、レオがアブソリュートディアボロに対し「獅子座L77星とりゅう座D60は兄弟星」と語るシーンが印象深いのだけれど、この劇伴が真価を発揮したのは、やはり『ウルトラマングロス 後編』クライマックス、ヴォルカンにトドメを刺されかけたレグロスが遂にコスモビーストの力を覚醒させるシーンだろう。

 

レグロスのテーマ-感動b (UR_M-3)

レグロスのテーマ-感動b (UR_M-3)

  

「俺は、コスモ幻獣拳継承者。赤龍白虎拳の――レグロスだッ!」 

レグロスのテーマ (UR_M-1)

レグロスのテーマ (UR_M-1)

 

「レグロスだッ!」の掛け声に合わせて、『レグロスのテーマ-感動b』から『レグロスのテーマ』に転調するこの美しすぎる繋ぎ! これ、これなんですよ……!! 

「元は同じ楽曲」だからこそシームレスに繋ぐことができるし、「異なる曲調を繋げた」からこそ生まれる急激な転調が「レグロスの覚醒」を一層強烈に彩ってみせる……と、ただでさえ熱い展開をより一層盛り上げてくれる見事な演出! メインテーマをアレンジしてバリエーションを作る、という文化は定着して久しいけれど、それをここまで前のめりに活用してみせるこの演出はまさに目から鱗。そんな驚きと感動もあって『レグロス』を更に好きにさせてくれた思い入れ深い楽曲たちだ。

 

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おわりに

 

軽く語るつもりが気が付けば7000字を越えてしまったのだけれど、いかがだったでしょうか……! 

実は今回のサウンドトラックは、『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』Episode 8において、レグロスユリアンに諭される際に使われていた『fist of hope』のアレンジ曲が未収録であるなど、決して「コンプリート版」ではない……のだけれど、そもそも多少の未収録音源があるのは今も昔もサウンドトラックの宿命。『勝利確定! 〜ウルトラヒーロー バトル・ミュージック・コレクション』に『Z』『トリガー』の楽曲が少しだけ収録されたこともあって諦めていたサウンドトラックがこうして無事リリースされたことが何より信じられない幸せである、ということは声高に叫んでいきたいし、このリリースに尽力してくれた方々には本当に感謝が絶えません。 

これからも、今回のように何らかの形でサウンドトラックがリリースされ続けますように。そして、ウルトラシリーズの「劇伴」文化が広く愛され続けますように……!