こがれんアーカイブ

特撮・アニメの感想記事を中心に、作品の魅力を日々発信中。

小説

ひとくち感想『テレパス少年のエピローグ』- 「内心」よりも価値を持つものは。〈ネタバレあり〉

〈「あっ」と言う結末を迎える〉というのは特に最近の作品では常套句だが、そう言われると身構えてしまうのがオタクの性。半端なことでは驚かないぞ、と臨んだ結果「あんまりピンと来ない」作品もあれば、身構えを貫通して本当に「あっ」と言わされてしまっ…

〈2025年下半期〉読書感想まとめ - ひとくち感想の限界と「読書」のステップアップ

この2025年下半期から、自分が新しく書き始めたのが「ひとくち感想」という記事。一本の感想記事としてお出しするにはボリューム不足だが、まとめ記事の一部として扱うには量がある……という、微妙な文字数の記事をアップするための新しい枠組みだ。 その枠組…

小説『口に関するアンケート』ひとくち感想 - アンケートがもたらす新たな読書体験と “呪い” の本質〈ネタバレあり〉

背筋氏による掌編で、その紙面は何とたったの60ページ。にもかかわらず非常に高い満足度と濃密な恐怖が感じられるのは、『近畿地方~』『穢れた~』の2作でも用いられてきた「地の文をカットする」という手法が顕著に用いられた結果、紙面に比してボリューム…

小説『穢れた聖地巡礼について』ひとくち感想 - でっちあげ怪談の裏に潜むのは「怪異」か「警鐘」か〈ネタバレあり〉

『近畿地方のとある場所について』に続く背筋氏のホラー小説。タイトルにもなっている「穢れた聖地巡礼」は主にYouTuberの心霊スポット巡りを指しており、とあるYouTuberの配信を起点に様々な証言や記録を追うことで、やがてある真実に近づいていく……という…

小説『キノの旅 Ⅰ -the Beautiful World - 』ひとくち感想 - 特異な構成で問いかけられる「美しい国」の境界線

時雨沢恵一先生のデビュー作『キノの旅』。その名前は随分前から耳にしていたけれど、実際に読んだのは今回が初めて。電撃文庫というレーベルや、黒星紅白先生の柔らかなイラストから受ける印象を覆すハードな内容の一冊であった。 引用:書籍情報 - 電撃文…

小説『骨灰』ひとくち感想 - 五感を蝕み “犠牲ありきの今” に杭を打ち込む、秀逸な現代建築ホラー

アニメ『蒼穹のファフナー』シリーズの脚本・シリーズ構成などで知られる冲方丁氏執筆のホラー小説『骨灰』。ファフナーが大好きなオタクとしてはこの立て付けだけでも心惹かれたのに、裏表紙に書かれた下記のあらすじでガッと心を掴まれてしまったので前情…

〈2025年上半期〉読書感想まとめ - 怒涛のノベライズ祭りに翻弄される8作の旅路

2024年以降、一本の記事にできなかった映画の感想をまとめた『映画感想まとめ』という記事を半年ごとにアップするようにしており、自分はこの試みにかなりの手応えを感じている。読まれた読まれないではなく「楽しい」という手応えだ。 kogalent.hatenablog.…

傑作ノベライズ『小説 機動戦士ガンダム00』が見せてくれた “真のセカンドシーズン” について

「オールタイムベスト作品」と一口に言っても色々あるけれど、自分の中ではとある作品がその頂点に君臨し続けている。今から約20年前、2007年に放送開始したTVアニメ『機動戦士ガンダム00 (ダブルオー) 』だ。 機動戦士ガンダム00 ファーストシーズン 宮野真…

感想『小説 スマイルプリキュア!』- 非情な現実と “あの日の憧れ” が描き出す「オトナプリキュア」の到達点

『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』に『魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~』と、近年精力的に展開されている「オトナプリキュア」シリーズ。 この二作があまりしっくり来なかった自分は「オトナプリキュア、この先大丈夫かな……」などとその未…

感想 - 小説『SSSS.DYNAZENON CHRONICLE』ファン待望の展開がミステリー調で描かれる、実質的な「劇場版 SSSS.DYNAZENON」〈ネタバレなし〉

「ノベライズ」と一口に言っても色々な種類がある。そのパターンは、おおよそ下記の4つに分類できるだろうか。 ①作品の骨子はそのままに、節々調整することで文字通り「小説化(ノベライズ)」したもの。 ウルトラマンダイナ 未来へのゼロドライブ 作者:長谷…