感想『ウルトラマンブレーザー』第1話 ー 令和の世界に “怪獣プロレス” が吼える、挑戦と安心のファースト・ウェイブ

2023年7月8日。『空想特撮シリーズ ウルトラマン』放送から約57年が経過したこの年に、遂に「ここまでやってしまう」ウルトラシリーズ新作TV作品が爆誕した。 見逃し配信中新番組『ウルトラマンブレーザー』第1話「ファースト・ウェイブ」怪獣被害が頻発する…

感想『アイカツスターズ! 74・84話』 ドレスと涙で絆を結ぶ、背中合わせのふわもこ☆ダブルミューズ

「勘が冴える」という言葉に、いまいちピンと来たことがない。 試験において、不安だった教科が破格の点数を叩き出していた……とか、普段は手を出さない玩具をたまたま買ったらあっという間に入手困難のプレミア品と化してしまった……とか、そういう出来事は勘…

感想『アイカツスターズ! 78~85話』 “パーフェクト” とは何か。回り出す歯車と、闇を切り払う「騎咲レイの誓い」

最近、『アイカツスターズ!』の視聴スピードが遅い。 どれぐらい遅いかというと、第84話『夢は一緒に』を見てから、次の第85話『輝きを渡そう』を見るまで約2週間が空いたくらいには遅い。リアタイ視聴以下じゃん!!!! 『アイカツスターズ!』視聴再開(2…

総括感想『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』- 新時代の総決算! シリーズファン必見の「クロニクル」史上最高傑作

~これまでのあらすじ~ kogalent.hatenablog.com 『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』について書こうとしたら、その前談=『ウルトラマン列伝』系列の作品について語るだけで10000字を費やしていた。 ……と、このように『ウルトラマン列伝』の…

総復習『ウルトラマン列伝』の系譜 - 「列伝」から「ウルトラマンクロニクルD」まで、激闘の年代史を振り返る

遂に放送直前となった『ウルトラマンブレーザー』に界隈が盛り上がる2023年6月24日。恒例の「列伝系番組」こと『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』が最終回を迎えた。 見逃し配信中『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』 第22話(…

感想 - 舞台『ウルトラマン NEW GENERATION THE LIVE ウルトラマンデッカー編 STAGE5 ~彼方へ続く道~ 』 輝けるものたちへ捧ぐ、「新世代TD」感動のグランドフィナーレ

2023年6月。「ウルトラの夏」が徐々に近付く傍らで、「ウルトラマン TDG 25thアニバーサリー」のフィナーレもまた目前に迫ろうとしていた。 筆者は、初めて見たウルトラシリーズが『ウルトラマンダイナ』第37話で、初めて見た映画が『ウルトラマンティガ・ウ…

感想『トップをねらえ2!』- イレギュラーだらけの世界に受け継がれたのは、バスターマシンを宿す気高き心

~これまでのあらすじ~ 劇場で第5話と最終回を拝んできました。最ッッッ高……!!!!!!!!!!!!!!!(5話で信じられんくらい泣いた)(あのシーンをほぼなんも知らず初見で観れたの、勝ちが過ぎませんこと!?!?!?!?!?!?!?!)— 虎賀れんと (@…

感想『トップをねらえ!』- 35年の時を超えて尚輝く、ガンバスターという伝説と “挿入歌” の最高到達点

むかーしむかし、でもない今から15年ほど前、中学生でありながら「BOOK・OFFでフィギュア誌を買う」ことを密かな楽しみにしているオタクがおったそうな。ぼくです。 「フィギュア誌」というのは、今も刊行され続けている『フィギュア王』や『宇宙船』などのこ…

感想『ウルトラマンレグロス』- “荒削り” や “尺不足” を補って余りある、熱く切ない新世代の拳〈ネタバレあり〉

『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』にて姿を表した謎の戦士、ウルトラマンレグロス。レオ・アストラと旧知の仲であること以外は全てが謎に包まれた彼の過去が、初登場から1年の時を経て遂に明かされた。 引用:『ウルトラマンレグロス』公式WEBサ…

総括感想『星合の空』- 悩める子どもたちとソフトテニスが問いかける、果てのない “生き辛さ” と罪の在処

世の中には「物語の途中で終わってしまう作品」がある。 「続編を作る予定があったが、興行不振で続編がお蔵入りになってしまった漫画原作の実写映画」や「視聴率・売上不振で打ち切りが決まり、広げた風呂敷を畳み切れなかったアニメ」などが代表的なものと…

致命的な勘違いをしていた男 VS『THE FIRST SLAM DUNK』

ぼく「小学生時代はミニバスケットボール部に所属してて、『SLAM DUNK』は当時チームメイトで回し読みして全巻読破済。最終的な背番号は7番で、『SLAM DUNK』の好きな台詞は “ドリブルこそがチビの生きる道なんだよ!” 。ポジションはガードかフォワードだっ…

感想『アイカツスターズ!』番外編 - 物語と高め合う “歌” の魅力と 「MUSIC of DREAM!!!」という規格外の衝撃

『アイカツスターズ!』に、ちょっと信じられないくらいハマっている。 そのことは、弊ブログないしTwitterをご存知の方にとってはもう言わずもがなだと思うけれど、このハマりようには他でもない自分自身が一番驚いているところ。というのも、この作品の「…

感想『アイカツスターズ! 64~77話』 星のツバサと運命のドレスが導く、虹の向こうの「二人の一番星」

「リフレイン病」という病がある。「このシーンは〇〇のリフレインだ!!!!!!」というアレだ。 往々にして「製作陣は別にそこまで考えてない」「オタクの深読み」に終わることが多いこの病だけれど、稀に「本当の ”リフレイン” 演出」が現れては、オタク…

『ULTRA N PROJECT』を継ぐもの? - 新番組『ウルトラマンブレーザー』初報に見る『ネクサス』の息吹と新時代への希望

時に2023年4月21日。『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』や『グリッドマン ユニバース』によって、円谷ヒーロー界隈が「ウルトラシリーズの休憩期間」とは思えないほどに盛り上がっている中、「それ」は (珍しくきちんと前置きを経て) やって…

生まれて初めて「同じ漫画を3冊買った」話 ~ 社会人特攻系癒しコメディ漫画『くちべた食堂』のススメ

生まれて初めて、同じ漫画を3冊買った。 「〇〇の1~3巻を買った」という話ではなくて、2023年4月12日発売、作・梵辛氏の漫画『くちべた食堂』3巻を3冊買ってしまったのである……! 【お知らせ】行きつけの店に通い続けるコメディ漫画『くちべた食堂』第3巻が…

感想 - 舞台『ウルトラマン NEW GENERATION THE LIVE スターズ編 STAGE1 in 博品館劇場』“看板に偽りあり” を補って余りある、voyagerに捧ぐ絆のディメンションロード

現在のウルトラシリーズTV作品は、おおよそ7月~1月が「2クールの新作番組」、2月~6月が「過去作の映像と新規撮影映像とを交えた、2クールの総集編番組」の放送期間という極めて珍しい放送形態を取っている。 現在、2023年4月はその後者の時期であり、毎週…

高校生の僕と「ガンダムスクール (仮称) 」というかけがえのない大切な黒歴史

皆さんは、黒歴史(≠∀ガンダム)というものをお持ちでしょうか。 自分はあります。それはもう言えるものから言えないものまでたんまりと。 小学生時代、ありもしない怪談をでっち上げて校内放送に投稿したり、中学生時代には「この物語の続きを考えよ」とい…

感想『アイカツスターズ! 51~63話』 2年目の幕開けを鮮やかに彩る、ローラへの祝福と始まりのSTARDOM

「続編もの」が好きだ。 「続編もの」と一口に言っても様々なパターンがあるけれど、自分が特に好きなのは『機動戦士ガンダム00』の2ndシーズンや『魔法少女リリカルなのはA's』のような「メインキャラクターたちは続投で、世界観がある程度一新される」とい…

感想 - 小説『SSSS.DYNAZENON CHRONICLE』ファン待望の展開がミステリー調で描かれる、実質的な「劇場版 SSSS.DYNAZENON」〈ネタバレなし〉

「ノベライズ」と一口に言っても色々な種類がある。そのパターンは、おおよそ下記の4つに分類できるだろうか。 ①作品の骨子はそのままに、節々調整することで文字通り「小説化(ノベライズ)」したもの。 ウルトラマンダイナ 未来へのゼロドライブ 作者:長谷…

感想『グリッドマン ユニバース』 空前絶後のクロスオーバーで “よく分からない” さえも肯定する、ユニバース級の極上エンターテインメント

※以下、映画『グリッドマン ユニバース』他、グリッドマンシリーズのネタバレが含まれます、ご注意ください※ ━━━━━━━━━━━━2023年3月24日(金)全国公開 グリッドマン ユニバース 本ビジュアル解禁━━━━━━━━━━━━本予告https://t.co/l6As4q8oG6上映劇場https://t.…

ありがとうございました、団時朗さん。さようなら、帰ってきたウルトラマン / 郷さん。

今日2023年3月24日、朝。目を疑うような、信じられない、信じたくない報せが飛び込んできた。 皆さんお元気ですか?真夏座座長 真夏竜です。訃報です、帰ってきたウルトラマン、団さんが亡くなられました‼️心よりご冥福を御祈り申し上げます、、、、、。— 真…

感想『シン・仮面ライダー』 令和の世に描かれる、歪で真っ直ぐな「昭和ライダー」の凱旋〈ネタバレあり〉

※以下、映画『シン・仮面ライダー』についてのネタバレが大いに含まれます。ご注意ください※ 幼い頃の、本当にごく一時期だけれど、将来の夢が「カメラマン」だった。 そのことはうっすら覚えていたし、桜だか梅の花だかを両親と見に行った時、自分が写真を…

TV版にハマれなかった自分が『劇場総集編 SSSS.DYNAZENON』のガウマに号泣した理由って、なに?

放送当時、自分が『SSSS.DYNAZENON』にハマれなかったのは「好き好み」の問題でもなく、ましてや「作品のクオリティ」の問題でもなく、あくまで極めて個人的な事情によるものだった。 SSSS.DYNAZENON CHARACTER SONGS.1(特典なし) アーティスト:V.A ポニーキ…

感想『アイカツスターズ! 31~50話 (1年目最終回) 』虹野ゆめ編 - 主人公補正を越えた先にある、凸凹で美しい “虹色の冒険譚”

「虹野ゆめの個性」とは、何だろう。 「ねぇ、私の個性って何だと思う?」「うーん……元気、かなぁ?」「えぇ~……? なんかありきたりだよぅ」 (中略) 「そうだ!まず手始めに、私たちもキャッチフレーズ作らない?」 -「アイカツスターズ!」 第23話『ツンド…

感想『アイカツスターズ! 31~50話 (1年目最終回) 』桜庭ローラ&白銀リリィ編 - “個性” の意味と煌めきを巡る、2人それぞれの「Going My Way」

「主人公以外のキャラクターにも、それぞれ宿命/縁のある相手がいる」という展開、いいですよね。 主人公の歩むメインストリートから少し離れたところで、具体的な描写や各々の持つ「文脈」によって宿命/因縁が積み上がっていき、それがシナリオのクライマッ…

感想『アイカツスターズ! 31~50話 (1年目最終回) 』香澄真昼編 - “勝負の理” をも覆す、「打倒お姉ちゃん」という名の姉妹愛

『アイカツスターズ!』が初のアイカツ!シリーズとなる自分が、1話~13話、14話~30話+劇場版、といった節目節目で衝動のままに10000字オーバーの感想記事を叩き上げてしまっていることには他でもない自分自身が一番驚いているのだけれど、最終回視聴後はい…

感想『アイカツスターズ! 31~50話 (1年目最終回) 』早乙女あこ編 - アイドルとして、ファンとして。あこの掴んだ “譲れないもの”

まず最初に、この場を借りてお詫びしたいことが一つ。 『アイカツスターズ!』の話数が100話だと聞いた時は、正直「100話も何やるんだ!?」と思っていたし、少なからず「持て余す」だろうと思っていました。 しかし、いざ前半50話=1年目を駆け抜けてみると、…

感想 - 映画『金の国 水の国』 “綺麗事” は “絵空事” じゃないと謳う、気高くやさしい「ある台詞」について

この年になると「初めての経験」というものとはどんどん縁が遠くなっていく。それはきっと、年老いていくことで「未知への挑戦」にエネルギーを割くことが億劫に感じられるようになってしまったり、時間の有限性を感じたり、金銭的な懸念が生まれてしまった…

【検証】桃谷ジロウ=アレルヤ・ハプティズム説

先日、ハチャメチャな暴れ野郎こと、スーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が最終回を迎えた。 『ドンブラザーズ』はいくつかの謎を残したままに幕を引いたが、本作においてそのような謎の解明は重視されていなかったし、めでたく製作が決…

感想『ウルトラマンデッカー 最終章 旅立ちの彼方へ…』 正直ディナスだけで2000点。「理想的」かつ「一長一短」なデッカー完結編

人事を尽くして天命を待つ、という言葉があるけれど、自分は『ウルトラマンデッカー 最終章 旅立ちの彼方へ…』という天命に際して、些か人事を尽くしすぎた気がしていた。 kogalent.hatenablog.com 『ウルトラマンデッカー』本編の総括として書いたこちらの…